正義とやさしさと

 昨今のCOVID-19に関わるネットニュースやツイートを見ていると、正義というよりも同調圧力というか「自分が我慢してるんだからお前も我慢するべきだ」みたいな空気を感じるけれど、お前はまず義務教育からやり直せ、って思ってしまいますね。自粛警察は正義じゃなくて憂さ晴らしだと思うの。
 冒頭から話が逸れた。僕の中では限りなく近い意味合いを持つ正義とやさしさという二つの言葉。お話の中の世界では正義と優しさは必ずしも結びつかないし、勇者が正義というつもりもないし勇者が優しいとは限らないけれど、この世界ではありふれた個々の正義はけっこうやさしさと結びついてるんじゃないだろうか。
 僕とは違って真面目で他人(特に大人)ウケがよくて…って同期の子を見てきて、あながち間違ってないかもなぁって。その子を貶めるつもりはさらさらないし、なんなら少し憧れているまであるのでそこだけはご了承願いたい。

(21):親しい人曰く"斜に構えてる(誤用の方)"。喋るコミュ障。口癖は「無理なもんは無理」「腹減った」「眠い」。現実(リアル)こそ正義。
同期(21):僕の1個下。記事を下書きの肥やしにしてる間に(この記事を書き始めたのは4月の半ばです)21になった。イメージとしては小学校の学級委員♀。口癖は「ラーメン奢って」「私バカだから…」。夢見る乙女(※個人の感想です)。ここでは三人称として『彼女』を使っています(付き合ってません)

正義ってなんだろう。やさしさってなんだろう。

 このお話を始める前に、僕の中での二つの言葉へのイメージを話さねばならない。以前にも話したけれど、優しくされることに対してあまり前向きな気持ちを持てないのだけれど、今回のやさしさは少し違う意味を持つものです。

僕が思う正義:喩えるなら、悪い事を悪いって言える人(事)。
僕が思うやさしさ:その人のためになるであろう、その人のことを考えたが故の言動。

 あまりいい喩えとは言えないけれど、未成年の顔見知りがタバコを吸っているところに遭遇してしまったとしよう。「やめなよ!」とか「お母さんに言うよ!」って反応は僕の中では優しい人がするものだと思ってる。僕がそんなシチュエーションにあったら適当にやりすごしてしまうな。後ろめたさ感じてる相手に注意する必要もないと思ってるしチクる義務も手間も負う必要性も感じられないので。
 彼女は直接は言わなくなったみたいだけれど、たまに「あれはズルくない?」ってボソッと言ってきてたんだから、正義感には溢れているんだろうなぁ…と思うと同時に優しい人だなぁって思ってる。僕なんかは「(いやもう義務教育終えたんだからそこら辺の線引き分かるはずだろうし)好きにやればいいじゃん」ってスタンスなので。だから件の同期の子は味方も多かったけど敵も多かったようなイメージがあったり。問題児が言えることではないのだけども……

やさしい人になるということ

 やさしい人ってどんな人だろう、って考えてもそれは人それぞれで正しい答えが見つかることはないのでしょう。僕が思うやさしい人は、相手のためになるような言動ができる人。間違ってることを間違ってると言えて、グループワークで全員に役割を振れる人。彼女が思うやさしい人は(発言から推測した予想も入るけれど)、手を差し伸べてくれる人だと思っています。
 似たようなこの二つのイメージは、僕の中では似つつも違うもので、後者には"都合のいい人"も含まれている気がしてならないのです。人付き合いが面倒で、波を起こさないための僕の言動は思うに、便利な奴というレッテルを貼られるのには十分で、実際に「いい奴だな」のお言葉も頂いています。想定通りだけど全く嬉しくないですね?
 僕の言動を見た彼女はいつものように小馬鹿にしたようにトゲを添えて「優しいねぇ、らしくもない」と言うのだけれど、僕自身は「答えだけ教えてもらっても応用問題は解けないでしょ?」くらいの気持ちでいたし、言われる度に「僕より君の方がよっぽどやさしいやん?」と返したものです。前章のやさしさの定義を当てはめると全くやさしくないことが分かります。どう見えてるのかは考えたくもないけど、自分では"らしい"行動なんですよ。ただ躱す・躱した後の面倒さとその場でなんとかする面倒さを比べて前者の方が手間がかからないと思っただけなのに……

やさしい人

 やさしい人になりたいですか?と聞かれたら答えはノーだと思います。道に迷っている、悩んでいる人に手を差し伸べないのか、と目を三角にされるかもしれないけれどそれはやさしさ云々ではなくてモラルだと思うので。ああでも多様性に理解はあるつもりなので、その点については優しいのかもしれないけれど。
 彼女の紹介文で"イメージは学級委員♀"と書いたけれど、僕の中ではそのまま20になっちゃったの?って。「男子掃除ちゃんとして〜」とは言わないけど、傍から見たら背格好こそ違えど中身は一緒にしか見えないのです。いつぞやに「男子が怖い。話したくもない」みたいなこと言ってたけど、そりゃその歳までそんなスタンスだったら仲良くはできないでしょうね…って思ったのはここだけのお話であります。正義感の塊みたいな人間と小学生から思考回路成長していない男なんて最悪に近い組み合わせじゃんね……正義感が強いから相手のズルを許せずに口にしてしまう(直させたい)し、相手は相手で口うるさくてお節介だと思うし…で、そりゃあ水と油ですよ。だって僕でさえたまーーーに「君お節介やなぁ」って言ってしまうくらいだもの。おかげで卒アルに不機嫌そうな顔が載り、卒アルの写真選定の中心だった彼女と教師陣にえらい文句言われたのはまた別のお話。卒アルに載りたくないという主張は認められなかったのです。

ああ…でも……

 彼女が言う"優しい僕"もを"らしい僕"も死んだのかもしれません。学生ではなくなったし、そんな対応をしなきゃいけない相手も場面もそうそうないでしょう。ここで『やさしさ』と『気を遣う』、『親切にする』ことの違いについても考えなくてはならなくなってしまいましたが、僕が同期である彼女にできるやさしさといえば伝えないことなのではないかと。あの高校だったから少しは理解されてただけで、大多数の人間にとっては理解し得ないものであることには変わりないので、頼れる人でい続けることが学生時代たいっへんお世話になったことへのせめてもの恩返し(?)なんじゃないかな、と。

おわりに

 全てが不安だった、周りのものや自分のスタンスを言語化できないと何かあった時に『負ける』『折られる』と思っていたあの頃をふと思い出したら、やさしいと言われる毎に眉間に皺を寄せていた自分も思い出してしまいました。正直顔見知り程度のご学友が単位を落とそうがネズミ講やらに捕まって僕に連絡を取ろうとしようがどうでも良かった(良い)というのが本音ではありましたが、悲しいことに自分が一番可愛いで生きていけないのもまた事実です。損な役回りではあるけれど、貴重な話し相手であるのは間違いないし、相談相手として頑張ろうと思います(そんな話だっけ?)(違う)

働きたくねぇ……

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