つれづれ雑記 *ひなあられゲーム、の話*
一昨日、19日は雨水。
この日に雛人形を出すと佳い、と聞いたことがあり、我が家ではいつもこの日にお雛様を飾る。
私は中学生の頃、父の仕事の都合で3年ほど海外に住んでいて、現地の日本人学校に通っていた。
中1のときのひな祭りの時季、クラスメイトの女の子が自宅で作ったと言って「ひなあられ」を学校に持ってきた。
当時は今と違って海外で日本のお菓子などなかなか食べられなかったから、みんな喜んで昼休みにご馳走になったのだが、私は彼女が出してくれたひなあられを見て驚いた。
そのひなあられは、少し膨らんだお米に淡いピンクや黄色で色付けした砂糖衣がかけてあり、ほんのり甘かった。
クラスの他の人たちは普通に「ひなあられだー」と言いながら食べていたが、私はぽかんとしていた。
それは私が知っているひなあられとは全く違うものだったからだ。
後で調べてわかったことだが、関東と関西でひなあられはずいぶん違うようだ。
日本人学校の生徒たちは圧倒的に関東出身者が多く、私のように関西から来た者は学年全体でも、ごく数人で少数派だった。
関東のひなあられは、うるち米(もち米を使う場合もあるらしいが)を、圧をかけて加熱して爆ぜさせたもの(私の住んでいる地域ではポン菓子と呼ぶが、他の呼び名もあるのだろうか)や、あるいは煎ったり揚げたりしたものに、食紅で色をつけた砂糖衣をかけた甘いお菓子。
前述の彼女が持ってきてくれたものはこれだった。
関西のひなあられは、直径1センチくらいの餅を揚げたものだ。
白いままのものの他に、桜エビや青海苔などであらかじめ色がつけてあるものもあり、塩やしょうゆで味付けがしてある。
私にとってのひなあられはこれなのだ。
今でもこちら関西では、あのポン菓子に砂糖がけのひなあられはあまり売られていない。
逆に関西風の、塩味のひなあられは関東で売られているのだろうか。
ひな祭りの季節になると、いろいろな製菓メーカーが多種多様なひな菓子を発売しているが、我が家では家族(主として家人)のこだわりにより、買うものが決まっている。
創業100年になる、在阪の某米菓メーカーのひなあられである。ここのが1番美味しいと言うのだ。
もちろん、関西風の小さなお餅を揚げたひなあられで、もう何年も変わらないお雛様の写真がついたパッケージに入った味は6種。
塩、しょうゆ、えび、青のり、砂糖あられ、チョコレート。
昔ながらの味4つに、黄色く色付けされた砂糖あられとチョコレートがけあられが入っているのは、まあ、子ども向けというか、味に変化をつけるため、と思われる。
ひなあられは、バレンタインデーのチョコレートが店頭に並び始めてしばらく経ってからポツポツと店に並び、3月3日を過ぎると容赦なく消える。
この時季しか買えないので、我が家では毎年、少し多めに買い込む。
ひなあられが大好きな家人は、箱で買えというが、さすがにそこまではしない。
幼い頃、娘たちは甘い味の砂糖あられやチョコがけのあらればかり選り分けて食べていたが、成長すると好みも変わるのか、今は塩味のあられも好んで食べる。
いつの頃からか、あられの味当てゲームが家の中で流行り出した。(どうせ、考案者は家人だと思うが)
目をつぶっている解答者の口にあられをひとつ箸でつまんで入れる。解答者はそれが何味か当てるというもの。
そんなの簡単じゃないか、と思われるかもしれないが、これが意外と難しい。
砂糖あられとチョコは除外する。(当たり前か)
塩を基本に考えるとして、しょうゆはより香りが香ばしく、表面がつるっとしている。
エビと青のりはどちらも磯の味が決め手になるのだが、その風味が意外と後から来る。
咀嚼して飲み込むまで、答えを焦るのは禁物だ。じっくりと口の中に残る磯風味がエビと青海苔のどちらのものか、判断しなければならない。
何回かやるうち、みんなが結構熟練してきて良く当たるようになってくると、ゲームの難易度を上げようということになった。
なんと、1度に違う味のあられを2ついれるのだ。そして、それぞれの味を当てるという。
さすがにこれは難しく、最初のうちはみんな真剣にやっていたが、じきに面倒くさくなってやめてしまった。
今年も既に、ひなあられをたくさん買い込んである。
久しぶりに味当てゲーム、やってみようか。
#日々のこと #エッセイ
#ひなあられ #味当てゲーム
#私は全然当たらないのはなぜ
#絶対あられ昔より小さくなった