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1週間音信不通?!!表千家茶道短期講習会を終えて

短期講習会を終えて

皆様お久しぶりです。
朱鷺(とき)と申します。

1週間にわたり、京都にある、表千家茶道のお家元、不審庵において、
春期短期講習会に参加して参りました。

その1週間、スマホ・金銭全てが受付で没収。
音信不通になり、大変申し訳ございませんでした。


俗世間と隔絶されながら妙顕寺・不審庵・ホテルを往復し、
講話やMtgを受け、フルタイム正座のお茶のお稽古を1週間行う生活をしていました。

その1日1日、それぞれの出来事全てが濃厚であり、とても心に残る1週間でした。
カメラも使えないから、目に映る情景全てを私自身の眼に焼き付け。

講話やMtgのお話、SNSも使えないから、そこで思った感想は全てその日の夜にノートに書き出して。。。

ツイ廃なので、ノートの中がかなり、私の言いたい放題になってしまいました🤣

全部手書きだと、すっごく時間がかかるし、毎晩23:30~24:00就寝。
なのに、毎朝5:00起きで、6:30からは妙顕寺で正座して45分間勤行修行😭💦

1週間かなりのハードモード。

気持ちも落ち着いてきたので、当時の感想について、まとめます。


講義。


お茶の産地、お茶の品種について。

お釜のお話、お茶の会記、お茶碗についてのお話。

特に上生菓子を作るお話を聴いたときは、とても興味深く感じた。

お茶の世界と密接に関わっている、由緒のある先生方から講義を受けることができて、貴重な経験となった。

けど毎日着物で頑張って、やっと椅子に座って、というところで
落ち着いちゃったのか、眠かった。

短期講習会が終わって2週間経って、「そういえば、こんな話聴いたなあ・・・」と徐々に思い出す中で、


本当にお釜やお茶会記についての話を聴いたのは、あの日が初めてで、
今まで本当に無知な中で、お茶を習っていたんだなあ・・・と実感した。



茶道を続けていた理由。


思い返すと、今まで茶道部の活動と、先生のお宅での研究会では、

お点前で自分ができていない所作をひたすら直してもらうこと、

そこで沢山自分のできていない所作を見て指導されながら、
自分を振り返ること。


それが今までの、茶道のお稽古でした。

どちらかというと、お稽古って楽しいと思うことよりも、
辛いことの方が多かったと思います。

特に3年生の頃は、部長として、運営や
会計の仕事の補助を行うことがメインになってて、

立場的にも私自身がそこまでお茶を楽しめていたとは
思えず。

それでもお稽古に行っていた理由ってなんだろう?
って思うと、抹茶と和菓子が好きだったからだし、

本当に花より団子な性格の私は、
楽しさをお菓子に見出して

茶道のお稽古に励んでいました。



また、部長・会計の仕事を通してわかったことだけど、

自分の運営能力で足りてないところ、
不注意により、生じてしまう自分のミス。

元々、幼少期から、自分の粗相が多いことの自覚はありました。

丁寧な所作を身につけたい。
美しさを兼ね備えて、女性らしくありたい。


その為に自分自身の穴の部分をどうにかしようと、
それをひたすら努力して、直そうと。

自分磨きの為に、私が頑張っていたことの1つが、茶道でした。


短期講習会でのお稽古。


沢山お点前を見て感じたのは、

本当に上手い人のお点前は所作の1つ1つが美しかった。

川の流れるが如く、さらさらと動くお点前はとても素敵で、
見ていて、(良い意味で)何も感じることがなく、

何事もなくお点前が終わっていく。

その間に聞こえる茶釜の湯が煮える音が
本当に心地よかった。


わびさび。というのはこういうことなのだろう。


と同時に迫り来る、「激痛」

膝と足首が、関節痛で悲鳴を上げた。

お稽古中はエンドレスで正座。

足がしびれる、という感覚は、もう無かった。

辛かった。少しでも動くのが大変だった。


悲劇。お点前の直前に現れた腹痛


そんな私も、次のお点前が自分の番だ!となった。
緊張だろうか。腹痛が私をむしばむ。

水屋のやり方を見るために、1つ前のお点前さんの所作を拝見する。

その為に移動して・・・・・・

腹痛が酷くなる。。。

頭が白紙になった。。。



その原因は、病ではなく、薬剤師のたまごである登録販売者は、
即座に対処方法がわかった。


が、予期せぬアクシデントであり、頭が回らなくなった。


対処療法を行い、なんとか症状を収めて、自分のお稽古には間に合わせた。

が、そこでのお点前のクオリティは、良くも悪くも

「いつもどおり」であった。


今回の短期講習会の反省。


「いつも通りのことしかできない。」

それは、感情表現も、お点前も。

そして、私自身、お茶のお稽古、活動、学業 
色んな面で、自分自身の言動のところどころに

「クセ」があるのを自覚していた。

それは生まれた環境が?遺伝子が?弟が?教育が?

それとも・・・・・・。


その自分の出来の悪さから生じる「感情」の処理が
幼少期から苦手であった。

小学生までは、体育を除き、成績は良かったこと、
中学受験に挑戦して、
文武両道を掲げる校風に、無理をしてでも自分を合わせて
高校・大学とそれなりの実績を作ること。
その環境での先生や両親の期待に答えること。


プレッシャーに耐えきれなくなって、どこかで叫びたくなって


気付いたら、自分の周りが何も見えなくなってしまっていること。



今回の短期講習会でも、また同じ繰り返しをしてしまったような、

そんな気がしました。



短期講習会前に先生に言われたこと。
食事指導、立ち振る舞い、

特に言葉について。

「嫌なことがあっても、つらくても、「はい」って言うのよ。」

「知らないことがあっても、その場ですぐに聞いちゃダメ。
 「わかりません」とだけ言えば良いの。」

「あと、朱鷺ちゃんは、何でもかんでも聴きたくなるの、それ、周りから「うざい」とか「だるい」って思われるから、貴女はじっとしてるの。」


交渉や、空気を読むことが、昔から本当に苦手だった。

タイミング、あったのかもしれない。
だけど、

怒られるのと、お偉い先生たちの癪に障るのが怖くて、
本当はもっと、学びたかったし、

もっとお話したかったけど。


あとは、人とのお話の仕方、距離感について。

Raise your Flagで、沢山友達はできたし、
年上の方と話す機会も沢山あった。

過去に委員会活動等で先輩と仲良くなって遊びに行くこともあったけど、


時間をかけて、くだけた関係性を作れたこと。
適応が簡単だった。

緊迫した雰囲気の短期講習会。
何かをやらかすのが怖くて、

過去に聴いていた、先輩・先生からの脅し?のような
短期講習会の噂が、
私の行動にブレーキをかけ、

他人とどう話せば良いのか、わからなくなりました。


普段の行いから、その人の学びを作る、とよく言われますが、

「もっと、学べる人間でありたかった。」


と、心の奥底で感じる、そんな1週間でした。

茶道をしている私は、どこかで、
自分自身が、立場的にも無理をしていたのかもしれません。


「人の痛み」と「助け合い」


ただ、今回、短期講習会に参加して、唯一自分自身ができたことが1つ。

それは、「人の痛み」を我が身を持って共感し、支えることができたこと。

今回の短期講習会は、1週間にわたる「音信不通」の
「正座生活」であり、

緊迫した「不審庵」という千利休さんの末裔とその内弟子さん達が
後世に「茶道」という伝統文化を伝えていく、
由緒正しい場所で、「茶の湯」について学ぶ、

とても茶道を習っている身としては、大きな大イベント。

且つ、今年の3月上旬の京都はとても寒く、
(毎日カイロ持参、ニットかストール羽織ってないと死にそう・・・)

慣れない環境、ということもあり、
体調を崩してしまう人は少なくなかった。

自律神経の乱れ、低血糖、低血圧、
正直、お弁当の野菜量が少ない、栄養の偏りがある・・・という不満は、各所から聴いていた。
(冷たかったのは事実です。)

それだけで、身体のコンディションを整えるのは結構大変だったし、
ひっそり宿泊前に用意してホテルに持ち込んでいた、
1週間分のウィダーインゼリーと、ラムネ菓子、インスタントコーヒーを、起床時に飲んで、なんとか必要最低限の朝動くための、エネルギー・ビタミンを摂取して、低血糖・低血圧対策をしていたレベルです。

(お稽古中と、MTG前に毎日和菓子とお茶が出て、食べて飲んでやっていても、朝に何かしら身体に養分入れないと、正直足りませんでしたw)


短期講習会を受けている間に、周りの参加者が
(多分正座による血行不良が原因かな?)
途中で立ち上がれなくなる、貧血症状を訴える、エコノミークラスのような症状を訴える等のアクシデントは、
本当に多かった。

そんな中で、隣に居合わせた人が、上手く立ち上がれないときに、
ただ、手を差し伸べられる存在。

もし仮に、私がその役目を買うことができていたのであれば。


隣にいた人が、次のイベントに参加できるような、
その助けになれていたのであれば。。。


自分の心が壊れてしまった経験、今までの苦悩、
薬学部で学んだ知識、

RYF等のコミュニティやワークショップを受けることで得た、
自分の年齢や立場なんて関係ないコミュニケーション。


自然に、私自身の身体は、隣の人への受け身の体勢に入っていた。

私は、何物でも無い、ただの薬学生であり
今までの経験が生きたのは、お点前をしているときではなかったし、

全くお茶とは関係ないものであるが。。。



「助け合い」「隣人愛」

それは、当たり前の事なのかも知れないけど。



多分皆、自分の足の痛みの方がしんどかっただろうから、
私のお点前のクオリティの低さなんて、そこまで気にしていなかっただろう。

と、私自身は考えたし、


「あー、あんな人いたねー。。」くらいにしか思われてないと、思いたい。

ただ、それでも、

どこかに、私自身がその場にいて良かったって、
そこにいた他の参加者が

少しでも思ってくれていたら良いなあって。。


最後に。


こう、当時感じた不満と、自分の弱さと共に、
壮絶な1週間を思い出してみたけど、

「行って良かったなあ。」って本当に思う。

来年の実習予定が決まりだして、薬学部4年生の春休みが消えることが確定したこと、5年の春休みからは国試の為の受験生であること、
その後は就職して、休む暇を取ることは難しいこと。

そう考えると本当に、
3年生の春休みに、学業との両立とお点前のクオリティの面で
悩み続けるのはしんどかったけど、

タイミング的にも参加して正解でした。


お茶を習っていなければ、お会いすることができなかった、
表千家15代お家元 猶有斎様。
本当に、一期一会の出来事に感じました。

お家元の内弟子の御玄関さんである先生方、
拙い点前でしたが、沢山ご指導くださり、ありがとうございました。

今回一緒に参加してくださった大学の先輩。
最後の最後まで甘えてしまいましたが、本当に心強い存在でした。

そこで出会った受講生の仲間たち。

私自身、他の参加者に対して心を開くことはできなかったけど、
それでも、表千家でお茶を習っている全国の同世代の方と出会えて
沢山刺激を受けました。


今後どういう自分として生きていくか、本当にわからないし、
また抱え込んでしまいそうだけど、


それでも、今まで頑張ってきたこと、

研究会の為に、三軒茶屋まで通い続けていたこと。


茶道に時間を費やしたことが、
自分自身を成長させる経験になっていたこと。


今後の人生を切り開く、何かが今回の音信不通生活から得られたと
私は思います!


P.S.
スマホが帰ってくるとき、

1週間ぶりの電子機器の返却にほっとするどころか

本当に進級したか否かということで、
不安で不安で仕方なく、騒いでいたのは、
本当にしんどかったです。。。

あれ以上に心臓に悪い出来事はありませんでした。

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