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ホ・オポノポノ――「本当の自分」ウニヒピリとの関係

 本当の自分を見失って生きてきた自分にとって、「自分を大切にすることが一番大事」ということは痛いほどわかっていた。

 わかっていたけれど、どうしてもできなかった。

 もちろん、努力をしたし、自分の心の声を聞いてやれることをやっていたけれど、その比率より「相手」「他人」に合わせる比率が人生の時間の大半だった。

 ときどき、小さな頃を思い出しては、「あんな風に生きたい」と思った。

 *

 家の裏にある小高い丘はどんぐりの木がいっぱいあった。秋、落ち葉が積もると、そこはふかふかの気持ち良いソファーみたいになった。

 一人で午後3時頃にでかけていって、その落ち葉でできたソファーに座る。目の前に田んぼ。静かな時間。いつの間にか、飼い猫と犬が私の隣にちょこんと座って一緒に遠い空を眺めた。

 静かだった。自分がいて、ちゃんと息をしていた。心の呼吸が楽だった。

 そういう思い出が巡って、「もう、そこには戻れないんだろうか?」と大人になってからよく思った。

 自分を大切に……?

 わかっていたけど、できなかった。
 朝から晩まで誰かのことや社会で生きるためにしなければいけないことで頭がいっぱいで。

 体の不調もあって、生きるために必死で。その必死な日常の合間に、夜寝る間に、少しだけあの一人の時間を取り戻せた。

 ほんのすこしだけ……。

 あとは、我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢。その繰り返しだった。

 毎晩、「明日、地球が終わったらいいのに」と思った。そんなこと、考えてはいけないとわかっていたけれど、人は弱るとそんなんもんなんだと思う。

 *

 現状を打破するために色んなことを試した。その度に、人生は少しずつ浮上した。そして、5年前、ついに、あの子どもの頃の自分を取り戻す方法に出会った。

 

 ハワイのヒーリングメソッドーーホ・オポノポノだ。

 ホ・オポノポノの真髄。それはウニヒピリーー真我。

 とてもユニークな方法で、私にピッタリだった。(個人的には、日本人にはホ・オポノポノよりもフナの方が合っている方も多いのでは?と思っています。)それからというもの、私はメルヘンチックで、おもしろオカシイ生活をしている。

 ホ・オポノポノでは、自分の内側のウニヒピリに直接話しかける。

 ホ・オポノポノの基本である「唱える」というメソッドを1ヶ月間行ったあと、ウニヒピリに話しかけることにした。

 まずは、「何を食べたい?」を毎日聞くことに。

 *

 コンビニに寄って車を停め、自分の内側に意識を向けて尋ねた。

「何が食べたい?」

 すると、サイキック気味な私には、薄暗い中に5歳くらいの男の子がほんのすこしだけ見えた。小さな声で彼は言った。

「大きなチョコチップクッキー……」

 大きな??と不思議に思った。サイキック気味なので、こういう不思議な声には慣れていて、それが本当かどうかわからないという宙ぶらりんな状態にも慣れている。

 スピリチュアルでは、わかるまで、ジャッジはしないこと。とりあえずが大事。だから、不思議に思ったけれど、「とりあえず」コンビニに入ってみて「大きなチョコチップクッキー」を探してみたら、なんとあった。

 薬膳・栄養に関して、体調不良を克服すべく勉強していたので、「小麦・チョコレート・砂糖」が一般的にどう思われているかは知っている。

「 薬膳的には、小麦は私に合っていて「精神安定」になり、「砂糖」はちょっと温性だからあまり合っていないけれど「精神安定」になり、チョコレートは鉄分があるから、のぼせを防いでくれる。でも、砂糖は腸を荒らす可能がある。ふむ……」

 でも、しばらくはウニヒピリの言うことを優先すると決めていたので、迷わずそれを買って車の中で食べてみた。

 そしたら、心の中でふわーーーーっと幸福の風が吹いた。幸せに、あっという間に支配された。

 そして、思い出した。

 留学先で孤独な思いをしている時の、ストレス発散方法はウインドウショッピングだった。ある日の午後、ウインドウショッピングを楽しんで帰ろうと思ったら、どこからともなく甘い香りが漂ってきた。

 香りの方へ向かったら、新しい店――クッキー屋さんが開店していた。焼きたての手のひらサイズの大きなクッキーがずらりと並べられていた。

 チョコチップクッキーを買って、歩きながら食べたとてもハッピーな思い出が感情と共に蘇った。心が少しだけ息を吹き返した。

 ハッピーという感覚――自分を楽しませるという感覚を思い出せた。

 *

 翌日もコンビニに寄ってウニヒピリに聞いてみた。

 「何が食べたい?」

 前日よりは、ウニヒピリの輪郭が少しだけはっきりと見えた。やっぱり男の子。そして、やや大きな声で言った。

 「大きなおにぎりが食べたい!」

 また、大きな??とびっくりしたけれど、とりあえず店に入り探すと売っていた。「大きなおにぎり」という名のおにぎりが! 

 それをまた、ぱくりと車の中で食べると、パーッと思い出が脳裏に流れた。

 お母さんのおにぎりは、大きかった。

 それを3つも持って私は遠足に行った。友達に「え? それ3つも食べるの?!」って驚かれた。

 私は、お母さんのおにぎりが好きだった。

 お母さんの「一生懸命さ」「優しさ」を感じることができて、不思議ととても心が元気になったから。

 でも、大人になるにつれ、お母さんとの距離はどんどんあいていった。

 最終的に通じ合わなくなった。だから、誰にも助けを求めることができなくなった。それは、私のスピリチュアルな経験が理解されないということが引き金だった。 

 だから、私にとってスピリチュアルは億劫で、余計なものだった。

 *

 でも、ウニヒピリと関わることで、お母さんと心の通じ合っていた、あの小さな頃の安心しきった雰囲気に戻ることができている。

 あれから毎日私はウニヒピリに、「何が食べたい?」「何が飲みたい?」「何を着たい?」「何をしたい?」と尋ねている。

 常識が許す範囲でそれを1つ1つ行うと、今までと違うことが起きるようになった。

 ウニヒピリがハッピーになって元気になると、人生が楽になっていくんだ。

 あの、なんにも心配しなかった頃のエネルギーが私を取り巻く時間が増えていった。

 息が吸える。

 心の呼吸が楽になっていく。 

 でも、3次元にいる私はいろいろな問題をまだ抱えている。でも昔よりずっと寂しくない。乗り越えようと思えている。勇気がある。

 一人ぼっちではないのだ。

 *

 最初、薄暗い中から「大きなチョコチップクッキー……」と小さな声で返事をした私のウニヒピリは、数ヶ月後には、うさぎのきぐるみを着て踊ったり、「今日は、明太子スパゲッティにしよう!」とか「ママは、寝るのが浄化になるタイプだからいっぱい寝てね!」とか、大きな声で元気いっぱいで話してくれる。

 こんな風に、見えたり聞こえたりするのは、ちょっと珍しいみたいだ。でもそれも個性。

 「スピリチュアルっていうのは個性なの!」

 サイキックであることに、今ほど感謝したことはない。

 *

 並木良和さんというスピリチュアルカウンセラーがいらっしゃる。

 並木さんは、非常に説明が上手。並木さんの話の、「自分との関係」についてとってもわかりやすいyoutubeを見つけた。特に17分頃からの説明は具体的で誰にでも伝わるものだと思う。

 


 並木さんのお話をざっくりまとめると……。

 今の現状は自分との関係性との反映。だから、現状をよくしたいと思ったら、誰かを変えるとかではなくて自分を見ることが一番大事。 

 たとえば、自分との関係性が良好でないということは、内側の自分がスネているという状態。日々、自分の声を聞いてあげていないと、「どうしてこんな大事な時に体調崩すんだろう?」というようなことが起きる。つまり、「いつも私の声を聞いてくれないのに!」と内側がスネている状態。でも、私との関係が良好だと、いざというときに助けてくれる。


飴が食べたいなと思ったら、「子供じゃあるまいし」と思わないで、飴を食べてみるんですよ。公園を通りかかってふとブランコに乗りたいな、あれ楽しかったなブランコに乗りたいと思ったら、「こんないい歳して」とかじゃなくてブランコに乗ってみる。そうやって自分から出てくるサインだったり思いだったりにちゃんと行動を一致させてあげることによって満たされる。そうすると、関係性が良好になる。そうすると、あなたがこうしたいというときに「OK!」って言って協力してくれる自分が出現してくれることになる。


 並木さんは、ホ・オポノポノ関係の方ではない。

 でも、結局のところ、真実は宇宙的システムであり、表現の仕方が違うだけで言ってることや向かっている方向は同じだと思う。

 *

 そういうわけで、私は日々自分の心の声ーーホ・オポノポノ的に言うとウニヒピリの声ーーを聞いて過ごしていた。

「何を食べたい?」「何を飲みたい?」「何を着たい?」「何をしたい?」

 すると、数カ月後にはバリアがはられているようになって、HSPすぎてパワーストーン無しじゃ外出できなかった私が、パワーストーンをつけるのをすっかり忘れるようになった。

 ウニヒピリに「ありがとう!」と伝えると、ウニヒピリも嬉しくなるのか、更に何かサプライズを用意してくれる。その循環が嬉しくて、楽しくて、私はウニヒピリとの会話をやめることなんてできない。

 今、こうして書いてるのもウニヒピリが「書きたい! 書くのが好き!」って言ってるから。言われるままに書き始めてから、「こんなに書くのが好きだったとは!」と驚きだった。理性では到底たどり着かなかった自己発見であり、これが本当の自分自身に戻る――統合なんだと思う。

 *

 本当の自分に意識を向けて話しかけてみると、早く幸福になれるのかもしれない。一日に一回は、「何が食べたい?」って本当の自分に聞いてみて、その通りにしてあげるのは、幸せへの近道かもしれない。

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