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お客との出会い方

最初の一歩

 創業したときに最初の営業活動は、過去の仕事でご縁のあった方々への創業の挨拶をメールでお知らせすることでした。この時には前もって会社のドメインを取得して、手作りながらのホームページを作り、そのドメインのメールアドレスを使って案内をお送りしました。
 メールの文面だけですと、
「あいつ、起業したんだ・・・」
で流されてしまいそうな気がしたので、その時に提供出来る仕事について素朴な出来でしかなかったのですが、ちょっとでも読んでもらえるように書きました。
 N=1の実体験からだけの話なので再現性は”?”ですが、300通弱メールを送り返信率は83%でした。この辺は予想の倍ほどの返信率だったので、ありがたかったです。
  当然ながら、最初にお客さんにくれたのは、過去に幾度か仕事をしてある方々でした。 何のひねりもありませんね。

意外と紹介してくれる

 こうして連絡を取り合った方々から直接お仕事を戴く事もあったのですが、それ以上に多かったのが新たなお客さんを紹介してくれる事がありました。これまでにお付き合いをしていた方々が偶然親切な方々ばかりなのか、人は自然とそのようなことをしがちな生きものなのかは定かではありませんが、これはちょっと想定外でした。この紹介によって創業からの2年間くらいは随分と助けられました。
 この時の経験は私にとってはなかなか強烈な印象があったので、自分自身もそのような場面に遭遇したときは、可能な限り他の人を紹介したりしています。戴いた恩は直接お返しできなくとも社会に返すのが正道かなと思います。

縁を呼び込む情報発信

 創業した頃は、Twitter上で交わされる会話が今よりも穏やかでした。そんな雰囲気が気に入っていて、自分自身の仕事に関するネタを積極的につぶやいていました。また、そのような情報が役に立ちそうな方を検索して、フォローしてフォローバックしてもらって、みたいなことをガリガリとやっていました。
 このような形で知り合った方々とは仕事を戴いたり、仕事をお願いしたりする関係ができ、徐々に商売の基礎を固めることが出来ました。
 ベタではありますが、ブログも有効でした。
 私の会社でやっていた仕事は、ニッチなマーケットでBtoBの仕事でした。仕事をしていく中で気づいた技術的な情報を適宜ブログに書いていて、そのブログを見てコンタクトしてきてくれたお客さんもいて、アクセス数は一つの記事で100も行かない様なレベルでしたが、以外と打率が良いことは驚きでした。情報そのものが商品である様な仕事であったなら、こうも行かないとは思いますが、私の場合は設計だけを受託したり、製品の形までにしてお売りしていたので、その仕事をするための情報はかなり明け透けに公開していました。これは効いたかな、思っています。

情報の集め方

 BtoBでの商売の肝は、直接のお客さんの商売を深く理解することにあろうかと思います。お客さんは私から買った製品を使って彼らの製品をその先の顧客(多くの場合は最終ユーザー)に売るので、直接のお客さんがより付加価値を高めるようなものを提供出来るかどうかが大切になります。そのためにも最終ユーザーの欲求を理解し、その方々が認める価値を直接のお客さんより先に気づける事がとても大切な点であろうかと思います。
 そのためには、最終ユーザーが私が作った製品を使う現場に出かけられる環境を作っていくことも投資として必要な事です。この活動にはかなり力を入れて行動して来ました。この時に直ぐに自社の製品をアピールするのような事をすると、
「あぁ~業者の売り込みなのね」
と冷めた目で見られてしまうので、とにかく先ずは最終ユーザーの欲求を満たすべく、現場では出来る事をやりまくる、との基本姿勢で行動をしていく中で、課題は見つかるので、未来の仕事にその課題を解決するために具体策を考えておく、との流れを考えてやっていました。

やっぱり誠心誠意

 だらだらと書いてきましたが、創業当初に昔のお客さんに相手してもらえたのは、勤め人の時にも、一つ一つの仕事に対して、そのお客さんの事を第一に考えて誠心誠意取り組んだご褒美だったのかなと思います。
 これは、自分の会社になってからも同じ事の繰り返しで、やっぱりお受けした仕事は誠心誠意取り組むことで、次に繋がり、場合によっては新たなお客さんを紹介していただいたりと好循環が生まれた様に認識しています。
 どんな商売でも、目の前の利益に強く注力すると、どうしても人の感情に働きかけるような誠心誠意は示せないと思うので、視点はなるべく遠くに持ちながらも、眼前の仕事を少し驚いてもらえるくらいの質で作り上げることが大切何じゃ無いかなと思います。



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