うそ子の詩。

(タイトル)親愛なる 無駄毛様。

不本意にも
「無駄」と冠をつけられた毛に
カミソリを 当てる
(なんと失礼なことだろう)
わたしの一番柔らかい所を
守るため 存在しているというのに

いつの間にか 何の疑いもなく
習慣になった お仕着せのエチケットで
タンタンと 刈り取られ

しゅわしゅわわわ ましろな泡に
あぷあっぷ まぎれて 排水口へ

「愛」を語るなら 彼らなしでは
始められない
今日もあちこちで処理される
「無駄」と呼ばれてしまう毛たちを想う

あぁ 不毛
そんな言葉が浮かんで 一人泣き笑いし
シャワーを念入りに浴びる

きっと今夜
「愛」とうたわれる行為をするだろう
けれど 身勝手な人間たちは
あぁ、不毛

ざまぁみろと 笑っていいよ
明日にはチクチク わたしを刺しながら



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