うそこの詩。

「出戻り」

鼻の奥が
ツンとなる
眉が山の形に
なってしまう程
潮が薫る

故郷の匂いが
わかるのなら

それはもう
ヨソモノに
なった証かも
しれない

イカが
洗濯物のように
並んで干され
網を直している
港の漁師達
嗄れた声は大きく
遠くまで響き渡る

帰ってきた
海を感じる鼻を
手に入れて

「ただいま」

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