「個性がない」という「呪い」を解く/後編
お待たせしました、後編です!
「早く事務所に所属したい!」
「仕事をゲットしなければ!」
「個性を見つけ(磨か)なければ!」
そんな思いを抱いて私のスタジオレッスンに参加したM.Tさん。
そこで、私はM.Tさんが持参したセリフ原稿を一旦脇に置いて、全く違う別の原稿をお渡ししてみました。
(これは、M.Tさんの「個性の核」を見つける作業の一部です)
樋口「ちょっとこれを演じてみてもらえますか?」
さて、その時のM.Tさんはどう思ったのでしょうか?
以下、M.TさんからのDMの続きです。
如何でしたでしょうか?
このM.Tさんの文章から、「思考」と「行動」の大きな変化が伺えましたね。
そして、私自身も同じような変化の道を辿ってきたなぁと、自分の軌跡を振り返るきっかけにもなりました。
特に強く共感したのは、
「こういう自分でありたい( ≒ それが私の強みであって欲しい) 」という考えに囚われていて、スっと受け止めることが出来ませんでした。」
こ こ で す 。
これはね、ほんとにもう死ぬほど分かる!!(笑)
私も全く同じ経験がありました。
まだデビューしたての頃、私は自分を強い人間だと思っていて。
「私は強い役が得意だ」ということで、せっせとイメージ作りに励んでいました。
でも、そこから数年経ったとある現場で「控えめでか弱い(けど実は芯が強い)女性の役」を任された時、周囲から賞賛の声をたくさん頂きました。
「この役、ほんとにピッタリだね!素敵だよ!」
たくさんの方から何度もそう言われました。
もうね、めちゃくちゃ意外でした。
「か弱い」とか「控えめ」なんて要素は、自分には無いと思ってましたから。
でもね、今思えば「そういうことにしておきたかった」んだと思う(笑
それは私の「なりたい姿」じゃなかったから。
ちなみに、この役とは約2年ほどお付き合いすることになります。(←長いシリーズものだった)
その2年の間に、他の演者さん達ともたくさん交流させて頂き、お芝居についてたくさんのことを学びながら、「自分自身の個性」についても大きなヒントを頂きました。
あぁ、私って強くなかったんだ…
弱かったんだ…(ていうか実は心の底では知ってた/見たくなかった)
そうか、これ、受け入れるしかないのか…
最初のうちはそんな感じで落胆?というか諦め?のような状態に近かったんですが、役として生きる時間が少しずつ蓄積されていくうちに、それも悪くないなと思えるようになりました。
なぜなら、
本 当 の 強 さ と は、
弱 さ を 受 け 入 れ る こ と 。
これを、その役の人物に教わったからです。
この時のことをきっかけに、私は一気に2〜3段くらいレベルアップできたんじゃないかなと。
振り返ってみてそう思います。
今は、「強さと弱さを併せ持つ役」が得意と言えるのかな?と思っています。
M.Tさんと全く同じではないですが、私は自分で自分に呪いをかけていたんでしょうね。
「強くなければならない」と。
この呪い=思い込みが、演者としてのレベルアップを妨げ、可能性も閉ざしていたのだと思います。
うーん。このテーマ(呪い)のお話、
このまま続けたいところなんですがキリがないので(笑)、
また別の機会に改めて掘り下げてみようかなと思っています!
◾️ M.Tさんの文面の最後にあった「ストレングスファインダー」についても、近いうちに詳しくご紹介したいですね。
このストレングスファインダーは、自分の強みを発見するツールです。
ちなみに私が持つ強み(個性)は、俳優(声優)には直接的に向かない資質ばかりでした(笑)
でも、こうして演じる仕事をしていますからね。
不思議なものです。
なぜ、適した資質を持たない私がこうしてプロの声優として仕事を続けることができているのか。
その辺の掘り下げ/分析もシェアしてみたいですね!
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