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アップとルーズ

息子の教科書に書いてあった、アップとルーズの話。
そして今読んでいる本に書いてあった、スローモーションと早送りの話。
その2つが同時期に別々の場所から飛び込んできて、私の中でみごとリンクした。

ものすごく腑に落ちたのだ。
アップとルーズの話は、サッカーの試合を放送する場合を例にあげていた。
確かに試合開始前やボールの動きが少ない時間はコート全体を映しているし、
ボールが素早く動いて展開が速い瞬間、ゴールの瞬間は選手をアップで映して、
視聴者に状況をわかりやすく伝えている。
そのおかげでテレビで観ていても興奮できるのだと知った。

スローモーションと早送りの例は文章の書き方である。
たった10分間の出来事でも、その間に感じたことや描写を細かく書くと、自然とおもしろい文章になる。これがスローモーション。先のアップの話と通じるところがある。
スローモーションの話の前後に早送りの文章も挟むと、前述のルーズのような全体像が掴める文章となる。

なるほどな、と思った。
物語はそうやって具体と抽象が織りなす事でおもしろくなるんだ、と。

そう思えば、自分の中で、スローモーションで記憶が残っている時間と、早送りの記憶がある事に気付く。
我が子の出産シーンは今でもスローモーションだ。生まれるまでの細かい出来事や感じたことは何時間でも語れる気がする。
しかし自分の興味のない出来事は覚えてもいない。学生の頃の日々なんて、恋愛や友達関係以外のことは早送りだった(笑)

実践するには少し難しい気もするが、せっかくのゴールデンウィークなので意識して過ごしている。
そうする事で、ストーリー性のあるゴールデンウィークになるかもしれない。

スローモーションで感じるシーンは、過ぎる時間とは反比例だ。

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