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[今年16本目]メッセージ

今年80本映画を見ることを目標に掲げていましたが、6月前半の時点で16本目という非常に不甲斐ない成績を叩き出しております。このままでは目標の半分の40本も行かないような結果になってしまうのではないか・・・と危惧しておりますが、とりあえず淡々と見たい映画を見ていく活動に勤しむのみ。ですね。本数見るのも大事だとは思いますが、本質は良い映画にたくさん出会うことですので。これが言い訳にならないように映画鑑賞活動を続けていきたいものです。

さて。今回もドゥニ・ヴィルヌーブです。ゴールデンウィーク中に地元に帰省して、久しぶりにDJをやって、かなり恥ずかしい出来栄えで、もう地元に帰れないんじゃないかとまで思ったって話は2回ほど前に書きましたが、その会場でほかのDJの方と映画の話になった際にもドゥニ・ヴィルヌーブの話になりまして、その方もかなり映画好きな感じでしたので、やはりそういった人々を唸らせているヴィルヌーブすごいなと改めて思ったわけですが、にわかヴィルヌーブファンである自分にも「メッセージもよかったよ」とお勧めいただきまして、もちろん映画自体の存在は知っていたのですが、なかなか順番の巡ってこなかったこの映画を次に見ようと心に決めていたわけです。

ヴィルヌーブ映画、今のところ「静かなる叫び」「デューン」「ブレードランナー2049」を鑑賞しておりますので、本作品で5作目となります。「静かなる叫び」以外は大変素晴らしい作品だと感じております。あくまで今までのところという前置きは必要ですが、ヴィルヌーブ映画に通底する感覚を最もうまく表現できるものがあるとすれば、それは温度なのかなと思い始めました。「デューン」の舞台も、「ブレードランナー2049」のラストシーンも、そして今回の「メッセージ」もすべて、あくまで個人的な見解なのですが「摂氏7度」なのかなと。「7度」か「8度」か迷いましたが、奇数の方がふさわしいと思われましたので「7度」とさせていただきました。また訳のわからんことを言い始めた・・・と思われる方もいらっしゃるでしょうがお許しを。

本作を鑑賞する前に「デューン」と「ブレードランナー2049」を先に鑑賞してしまいましたので、オンタイムで鑑賞された方と捉え方がことなってしまうのが残念ですが、「デューン」と「ブレードランナー2049」に見られたような壮大なスケール感を映像で表現できているかというと、それほどでもないのです。が、もしかしたらですけど「地球上の12箇所に謎の巨大物体(バカウケ)が突如として現れる」という、スケール感を表現しきれなかったという気持ちがヴィルヌーブの中にあって、それがその後の作品のあの「壮大なスケール感」を生むきっかけになったのかな?とか勝手に想像したりしています。

それにしても各カットごとの映像の美しさ、表現もそうですけど、絵的なトリミングの見事さというのは「静かなる叫び」から「デューン」まで凄まじいレベルだなと圧倒されます。ほんと、ちょっとした瞬間の美しさが素晴らしい。

ストーリー的にも面白い話です。構成自体は途中でちょっと気づいてしまう感じの人が半数以上に上ってしまいそうではありますが、近年珍しくなさすぎて逆に予定調和の安心感すら感じてしまうのでOKです。こういった話で「言語」が軸になっているのよかったですね。最初の授業の場面で「言語は芸術として捉えられていた」というセリフだったり、宇宙人の文字が書道のような表現になっていたり、主人公より先に中国の言語学者が解読に成功していたりするのは、やっぱりこの宇宙人の言語が「漢字」をモチーフにしているからだろうなと思ったり。すでに知ってしまっている未来を変えようとするのかどうかとか、でもやっぱり変えないんだろうなとか、いい感じでそのまま謎を残しておいたり、少なめの要素で、でも見る側に多くを伝えてしまえる凄さっていうのはさすがです。

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