富豪家族と陶器屋さんのご主人の話

普段から比較的裕福な海外ゲストをご案内することが多いのですが、今日は格別で、ユニークな体験をさせてもらいました😲

ゲストは一家族と聞いて、それにしては人数が多いなと思いながらツアーをスタートしました。家族が大量の買い物をするたびにその中の若い女性3名が持つバックに入れていって、重くなっていって、なんだろうと思ってたら、なんと彼女達はお手伝いさん(正確には子供達のナニー)だったんですね。海外旅行にお手伝いさん3人を連れて来るって、本当に富豪でしょうね。

錦市場の中に小さい陶器のお店があって、普段は通りすぎるのですがゲストの中のマダムがさすがお目が高くて、高級料亭で使うような陶器を家で飾りたいと大量買いしていました。

マダムをもう一人のガイドの同僚に預けて陶器のラッピングを待っているとお店のご主人とおしゃべりできました。


自分は父親が亡くなり店を継ぐため小学校しか行ってないこと、奥さんは大学まで行ってるけど、お店に海外からのお客さんが来たとき自分のほうが片言英語でコミュニケーションが成立してて家族から褒められること(確かに上手)。

もともと鍋や食器など家庭で使う商品を扱っていたけど、もしそれを続けていたらお店は続いていないであろうこと。いまは自分で見つけた作家さんから卸しているため、美しい特別な食器類や陶器が入って来ること。顧客は小さめの高級料亭や料理屋さんで、ここ2-3年はお客さんの半分は海外の人であること。どうりで私がぷらぷら歩いていても日本人の個人のお客さんは初めから相手にしてないんですね。

ゲストが美しい陶器を大量買いしていたのを見ると、自分も欲しくなるんですよね。待っている間いろいろ手に取ってるとご主人が「これがおすすめ。しあわせの黄色」と私が買おうか迷った中の一つで、にこにこしてしまうようなハッピーカラーの黄色の小さな陶器を「ありがとう。あなたがいたからお客さんがやって来たんだよ。はいっ」「わぁ! ^ ^」ありがとうございます。大切にします。

前回その店の商品をゲストと見てたとき「触らないで」と怒られた記憶があります。でも今日みたいに、時間をかけておしゃべりして、場合によっては何回か顔を見せて覚えてもらって心開いてもらう、そして一回仲良くなったら、つきあいを大切にしてくれる感じが京都らしいなぁと思ってうれしくなりました。


その後もゲストはいろんなお店で大量買いしてランチへ。ランチのあとはマダムが熱心な仏教徒で素敵な数珠のアクセサリーをしていたので、よくお世話になる仏具店へ。

私の予想をはるかに超えて、16人もいるお孫さんおのおのにお数珠のプレゼントを買い、他にもいろんな商品をご購入。東京だったらお店のご主人にマージンください、って言いたくなるところだけど、ここのご主人にゲストの国を伝えると、その国の仏教と日本の仏教の違いを教えてくれたりするんです。家業だから当然なのかもしれないけど大学教授のよう。近々一人で行って世界の仏教や歴史について、もっと教えてもらいたいなと思っています。

いやぁ、なんかもうすごいよね。そしてそのゲストのご家族、富豪だと思うのですが人柄も良くて、よく気がつくし、気を使ってくれるし、本当のお金持ちはこういう人たちなんだろうなと思いました。貴重な体験でした。ありがとうございました。

来年はどんな出会いがあるんだろう。わくわく

(2017年12月27日)

サポートしてくれたらうれしくて感激します :D