【小説】サフランライス君の栄光の日々
やっほー、みんな、元気ー?
サフランライスだよー!
今日の、お話は、ソシラーヌ夫人の栄光の日々。
え?タイトルが違う?
いいのいいの、これ、フィクションねー。
タイトルはフィクションだから、みんな、本気にしちゃダメダメ。
さあ、栄光の日々にレッツゴー!!
「こんにちは、ソシラーヌ夫人ですか?」
「はい、そうですが、何か?」
「いえ、今回は、めっちゃ平凡な通行人の、誰一人興味ないだろう的な記事を書くことになりまして」
「まあ、通行人の私の平凡なる日々」
ソシラーヌ夫人、遠い目になる。
「そう、世界の歌姫になるため、オーディションを受けた私が、道を歩いていた時・・・」
「あ、コーヒー飲んでるんですね。缶コーヒーですか?」
ソシラーヌ夫人、華麗なるスルーパス。
「世界的に売り出すには、やはり髪型とか、一流の美容師さんにお願いして、超一流の腕でもって、超一流の髪型にするべきよねえ、だって写真のイメージ大事だし、売り上げに関わるし・・・」
「ということを考えて歩いていたが、人混みに隠れて、カメラに映ることがない通行人であった。まる。」
サフランライス君、記事をまとめる。
「お役に立てて、何よりです」
「ちなみに、オーディションは落ちたのですね。あなたの髪型を見れば、わかります」
「通行人ですから」
ソシラーヌ夫人、ふっ、とため息をつく。
髪型は、さぞや一流と遠い素人が切ったのであろう。ガタガタの髪型である。
「まあ、私、生まれてから、ずっと通行人やっていますので」
「なるほど、勉強になりました。お金にならないのが残念です」
お金になる話が、転がっていたら、全人類、うはうは、あはは、おほほの日々を送れるが、なんかこう、分配が間違っているのだろう。
そう、世界は、いつだって間違っている
ソシラーヌ夫人、優雅な手つきでもって、インスタントコーヒーを飲む。
私が100円の缶コーヒーを、毎日飲める日が来るのはいつかしら?
気がつけば、サフランライス君、とっとと帰ってしまっている。
ああ、サフランライス君、自分では平凡で退屈な記事、といいつつ、世界の真理を考察し、ユーモアあふれる記事、いつも、ありがとう。
(全力の褒め言葉)
お金は払わず、無料で読んでいます。
だって、他の人の記事に、お金払ったら、残らないのよね。自分の飲む、缶コーヒー代すらも。
ソシラーヌ夫人、オーディションの結果通知を見る。
「あなたの歌は、音程が正確でなく、歌詞も間違っていますが、リズムだけは合っていました」
全力の褒め言葉である。
近所のカルチャーセンターに通い、先生から、
「あなたの歌には、心がある」
と、全力の褒め言葉をもらったソシラーヌ夫人。
誉めるポイントがなくても誉める。
皆、苦労である。
「おだーいこんこん♪ おだーいこん♪」
ソシラーヌ夫人、大根はないが、おだーいこんこんの歌を歌う。
誰か、大根業界の人、おだーいこんこんを世界に売り出してはくれないものか。
通行人のソシラーヌ夫人は思う。
「大根役者」って、言われるくらいの役、もらえないかしら?
どなたか、私に、役を下さいませ!
せめて、セリフの一言くらいは!
無名の通行人の、魂の訴えである。
大根業界の人、連絡求む!
「おだーいこんこん」は世界の合言葉。
チャリーン♪ しあわせに、なーあれ(о´∀`о)