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【小説】サフランライス君のモテモテな日常(これはフィクションです)

サフランライス君は、イケメンである。

イケメンは、モテる。

従って、サフランライス君は、モテモテの日常を送っているのである。

たとえば、こんな1日。

「サフランライス君、ちょっと、私の家に来ない?」

妙齢の美女から、ある日、電話が、かかってくる。

サフランライス君、忙しいのだが、お呼びとあれば仕方がない。

妙齢の美女の家のチャイムを押す。

ピンポーン♪

「あ、サフランライス君、こんにちは♪」

妙齢の美女が、微笑む。
サフランライス君は、冷静に答える。

「で、ご用件は?」

まあ玄関口で話すのも、なんですからと、客間に通される。

茶が出てくる。
サフランライス君、茶を飲む。

妙齢の美女は、相変わらず、サフランライス君の目の前で、艶然たる微笑みを見せている。

「今日、お呼びしたのは、他でもありません」

美女は、口を開く。

「超絶モテモテイケメン男子の日常という記事を書く予定なのです。是非とも、インタビューお願いします」

「報酬は出るのですか?」

サフランライス君、金にこだわる。

美女は言う。

「そうね、有料記事を書く予定なので、100円の記事が10人に購入されたとして計算すると・・・あら?いくらかしら?」

サフランライス君、あっさりという。
「売上高は1000円。しかし、問題は、手取りの金額です。手数料は、いかほどで?」
「そうね、50%ぐらいかしら?」

「1000円の売上高で、手取り500円」
サフランライス君の頭脳が高速回転する。

「ところで、ソシラーヌ夫人、この茶は、おいくらで買われましたか?」

妙齢の美女、と名乗りたかったが、正体を見破られた微妙なお年頃で平凡なお顔のソシラーヌ夫人、とたんに、動揺する。

「お茶の値段? いえ、わかりません」
「ご自分で買った茶の値段が、わからないと?」

イケメン男子のサフランライス君、席を立つ。

「そういう金銭感覚では、お金の話として、ビジネスライクに、おつきあい出来かねます」

ソシラーヌ夫人、考えこむ。

茶の値段は、いくらであっただろうか?

気がつけば、サフランライス君、とっとと、家を後にしている。

500円は、興味の無い話であったか?
茶の値段がわからない人と、付き合いたくないのか?

ソシラーヌ夫人、とりあえず、ぽちぽちと、記事を書く。

「へのへのもへじ君の語録日記 パート49」
「茶の値段を知るべし」

有料記事にしても、購入者はいないだろう。
無料記事で公開する。
時々、ハートマークが飛んでくる。

ソシラーヌ夫人、他の人の記事を読んで、ハートマークをつける。

ああ、文字が読める。
なんて幸せなのかしら!

学校よ、文字を教えてくれて、ありがとう。
あとは、全部、忘れたが、私は幸せだ!

へのへのもへじ君、無料のネタ提供ありがとう。

ソシラーヌ夫人は、へのへのもへじ君に感謝・・・しようとして、考えた。

あら?
へのへのもへじ君、お茶、飲んだわよね。
お金、払わずに。

ソシラーヌ夫人、考えこむ。
お茶、いくらだったかしら?
1人分のお茶の値段・・・ええと・・・
計算できないわ。

真実は、闇の中。

妙齢の美女は、超絶モテモテイケメン男子に、いくら払ったのか?

そんなこと、追及してはいけない。

考えては、いけない。

だから、茶の値段は知らなくて良い。

ソシラーヌ夫人、自分の記事を見る。

「茶の値段を知るべし」(へのへのもへじ語録)

ああ、私、書いてはいけない世界の真実を、書いてしまいました!

お茶を買うときは、値段を見ずに買おう。

いつも、一番安い茶を、値段を見ずに買っているソシラーヌ夫人は、心に誓ったのであった。

チャリーン♪ しあわせに、なーあれ(о´∀`о)