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【ちおこジビエ】2022年10月の活動報告

大槌町地域おこし協力隊、株式会社ソーシャル・ネイチャー・ワークス所属のまつしたあかりです。2022年4月に兵庫県から岩手県大槌町に移住しました。大槌町内でジビエ事業に携わっています。
ハロウィンっぽいことができないまま11月になってしまいました…。
今回から毎月続けて見なくても分かるように説明を多めに書いてみようと思います。

【はじめに】なぜ、シカを獲る必要があるの?

増えすぎて様々なトラブルが起きているからです。
現在、岩手県のシカの生息頭数は10万頭と言われています。
20年前、岩手県にシカは生息していませんでした。しかし、10年前に4万頭、今10万頭に増え、生息範囲も拡大しています。
原因としては、温暖化、猟師の減少、天敵の絶滅…様々な理由が考えられています。
シカが増えすぎることによって起こるトラブル。
大きく分けて三つあります。
1つ目は森林被害。
シカは口が届く範囲の草はたいてい食べます。低い位置にある草は食いつくされ、地面がむき出しの状態になり、土砂災害の危険があります。また、鹿が食べない草ばかりが残るのは森林の多様性としてもよくありません。
草だけでなく、樹木も被害を受けます。冬になり、食べるものがなくなると、シカは木の皮まで食べます。木は皮の部分に道管があり、皮をぐるっと一周食べられると水の通り道が途絶えて枯れてしまいます。
2つ目は農業被害。
山から人間の居住区域に降りてきて、農作物を食べてしまいます。シカによる農業被害額は年間50億円を超えており、あまりにも食害がひどいから農業をやめてしまうなどの被害額以上の影響も出ています。
3つ目は車両事故。
車や電車にぶつかって、破損させたり物流に影響を及ぼします。
こうしたさまざまな問題が起こり、シカを獲る必要が出てきました。
命を奪うのはとてもかわいそうなことです。
しかし、誰かがやらねばならないことです。
命を奪うなら、せめて価値のあるものに変えたい。
そんな想いで、ジビエ事業に携わっています。

MOMIJI鹿肉加工工場での勤務


先月から協働でジビエ事業をやっているMOMIJI株式会社で、週二日ほど勤務をするようになりました。
業務内容はシール張り、お金の記帳、発送までの梱包、在庫の記録、町内へのお肉のお届け、角革を使った手芸など。
地道な作業が多いように見えますが、ひとつひとつ丁寧さが求められる大事な仕事です。
MOMIJIでのお仕事でいいところは、発送先が見られることです。
レストランからの注文、県外からの注文、イベントでの注文。自分が携わっている大槌の鹿肉がどこへ行くのかがよくわかります。

ジビエハンターの夢

もし、自分がMOMIJIのジビエハンターになったら、自分で獲ったシカを発送することになります。
発送先がもし、レストランだったら…
自分の獲ったシカが、レストランに運ばれて、美味しい料理になって、誰かの素敵な時間になる…想像するだけで、ワクワクしてきました。
猟師になりたいという想いで大槌にやってきましたが、その想いが再び再燃してきました!

銃猟初心者講座

おもちゃの銃を使っての指導です

10月2日、安渡公民館で銃猟初心者講座が開催されました。
ハンター育成プロジェクトでは、アクティブハンター増加を目標に、狩猟免許を取得した新規ハンターに猟での知識を伝える講座を行っています。
この日は銃猟初心者講座で、1年以内に免許を取得した初心者ハンター10名ほどが集まりました。
銃猟をしようと思い立った時に、最も大変なことは猟銃の所持許可であるといっても過言ではありません。
警察への申請手続きや試験の流れを伝えることが出来ました。
午後はシカが通った形跡を探すフィールドワークを行いました。
銃は危険なものです。引き金を引けば反動もあります。
しかし、安全の知識と正しい構え方を学べば痛い思いをすることはありません。
早いうちに知識を付けておけば、銃を持つまでの手続きで不安になったり、失敗したりする必要がなくなります。

視察受入(平泉町議会事務局さま)

10月18日午後、平泉町議会事務局7名さまの視察受入を行いました。
視察受入とは、申し込みいただいた方に私たち大槌ジビエソーシャルプロジェクトの概要を伝え、工場見学も行います。
平泉町では令和2年度、約2700万円の鳥獣被害が出ているそうです。
当日は大槌ジビエソーシャルプロジェクトのなりたち、我々の活動を伝えることが出来ました。
みなさん、意欲的に質問してくださり、熱心にメモをとっていらっしゃいました。

㊗グランプリ優秀賞

岩手ぅんめぇ~もん‼グランプリ2022において、山のジビエ[岩手三陸 大槌鹿のシチュー]が優秀賞に選ばれました!
鹿肉は「臭い」「かたい」というイメージを変える美味しいジビエであると、味に高評価をいただきました。
山のジビエ缶は大槌町のふるさと納税の返礼品のほか、町内の文化交流センターや産直で販売しています。
見つけたらぜひ、買ってみてくださいね。

宮古市で教習射撃


10月27日に宮古市総合射撃場で教習射撃に行ってきました!
100発のクレー射撃で、最後の15発中3発以上当てられれば合格です。
教習射撃で腕や肩を痛める、あざができるという話をよくネットで耳にしていたのでとても不安だったのですが…
猟銃の所持許可を得るために、避けて通れない道です。腹をくくります。
同じちおこメンバーと一緒に100発、撃ちました結果…
40発命中!意外と当たりました。
しかし、銃が重すぎて正しい構えを続けられない、集中力が切れるなどの改善点もたくさん見つかりました。
もっと体を鍛えないといけませんね!

10月を終えて


あわただしくあっという間だったという一言です。
休日は里帰りしたり、吉里吉里の薪祭りに参加したりと充実していました。
気が付くと11月。待ちに待った、猟期。
ハンターの季節が始まります!
今季、せめて一頭くらい獲りたい…
がんばります!!!


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