”多動”を楽しむ生活
私は落ち着きがない。正確に言うと、私の思考は落ち着きがない。
今朝も、朝起きて1階に下り、着替えをするまでのわずか1分くらいの間に、「今日はスーパーのポイント10倍デー、買うものあったっけ」「風邪ひいたときにもらった薬、整理しよ」「まな板が汚れてる。漂白!」「やりかけのクロスステッチ、今日こそ仕上げよう」…次から次へといろんな事が頭に浮かんでくる。そして、すぐ動く。
ソーシャルワーカー、保健師として働いていた時にも、相談に来られた方と面談中に色んな思考が浮かんでしまうことがあった。
その人のもっているバックにつけられたタグの可愛い模様や、話の中に出てきた本来の話の内容とは少しずれてしまうような話題など、細かいところまで気になってしまって困った。
人は、自分の話を最後まで(できれば言葉にできないところまで)しっかり聞いてもらえると、それだけで安心できるということを、自分自身も体験してきたので、面談中は気持ちが他に散らないよう一生懸命話を聞いていた。
ソーシャルワーカーの時には、多くの人と面談をする毎日だったので、聞くことに集中するためのエネルギーをすごく使っていたのだろう、休みになるとぐったりしてしまうことが多かった。
多くの人は、休日、ふだんよりゆっくりと過ごしてリフレッシュするのだと思うが、私の場合、「多動を解放」して、思いのままに動き回ることが、何よりのリラックス方法だった。
休みの日、朝起きた瞬間から、思い浮かぶ通りに(時間や他の人のことを気にせずに)動ける思うと、一人でにやにやしてしまうほど気持ちよかった。
歯を磨いていたと思ったら、磨きかけの歯ブラシを置いたまま(口に歯磨き粉をいっぱいつけたまま笑)衣替えを始め、途中でミシンを出してきて縫物をし、そのまた途中でPCを立ち上げて何かし始める・・・。一緒に暮らしている夫は、落ち着きのなさに苦笑していたかもしれない。
しかし、夫は私のこんな変態な動きかたに何も言わなかった(ありがとう)
フルタイムの仕事をやめ、娘たちも巣立っていった今、毎日多動を解放した生活ができていて、精神的にも身体的にもすごく調子がよくなった。
これまでに何度かうつで起き上がれなくなって、仕事をやめることになってしんどい思いをしたけれど、その時のような重苦しい気持ちがまったくなくなったのだ。
多動を気持ちよく解放するために必要なグッズがある。
【3つの記録】
・月のすることをA42枚にまとめた「今月したいことシート」
・予定を記録する自作のシステム手帳(1か月俯瞰型)
・思ったことをメモし、今日の予定を書くジブン手帳
→この3つの記録に思いついたことを書いていたり、自分が予定してきたことを確認することで、あちこちに散らばる思考に枠組みと方向性をつけることができる。自分の机の上に、常にこの3つのノートを広げている。
特に、ジブン手帳には、前日までに思いついてできなかったことや、その日にしなければならないことを事前に書いてあって、さらに当日、どんどんしたいことが加わっていく。どうしてもしないといけないことは一番にしてしまって、ジブン手帳のその項目に赤ペンでラインを引いて、ご褒美はんこを押すと、多動解放タイムの始まりである。その瞬間が一番うれしい。
【タイマー】
ある程度生活が自由になったとはいえ、しなくてはならないことや、いろんな予定もある。思いついたことに夢中になっていると、すぐに時間を忘れてしまうので、タイマーをかけておく。これまでキッチンタイマーやスマホのタイマーを使っていたが、セットするのがめんどくさいのと、音が大きくてびっくりしてしまうことが難点だった。
昨年、娘が子どもの食事時間を知らせるために使っていたタイマーを見て、自分も使ってみたら、セットはつまみを回すだけ、音もやさしく数回なるだけ勝手にとまる。とっても良かったので愛用している。
【髪留め】
髪が顔にかかるかどうか、そんな小さなことが私には結構重要なことであるということに、最近気が付いた(61歳の気づき。遅すぎ)
【水筒】
多動を解放して、思いついたことを始めると、すごく集中してトイレや水分補給を忘れてしまうことがある。朝一番に温かい白湯を水筒に入れておくと、すっと飲めて、温かさでちょっと落ち着くことができる。
【分厚い靴下】
私の動きは目まぐるしい。家の中で動いていても、急に思いついて動くので、スリッパをどこかに脱ぎ忘れてしまう。前はスリッパを探してイライラすることが多かった。最近は休みの日は朝から分厚い靴下をはいて、スリッパをはかなくてもいいようにして、思う存分動き回れる。
あちこちにやりかけの事が残っていても気にしない(または無関心笑)な夫に見守られながら、多動解放グッズと共に、自由に動き回れる定年後の生活、本当に楽しい!
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