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計算機をなくす

いつも 広がる風景は 同じで
いつも 使われる言葉は 同じで
記憶が 追いかけてくる

楽に 笑いたいのに
ただ ただ 笑顔を繰り返す
手を伸ばせば 届きそうだから
目を挙げ 駆ける

つづいてゆく日常が 
かつての 色合いを失って
高い空の 清々しい空気の 朝を迎えられない

振り返って 来た道は
彼方に つづいて 
もう 見えない

どこまで 来たのだろう
どこへ 来たのだろう

呪文が解けた そのときを
少し 忘れた

聴こえる音楽に 身体をゆだね
踊るように 歌うように
時を 過ごしていた

きらめきを失った世界は
見上げても 空が見えない

ここにいること
境界線を超えること
等しく 選択肢は並んでいるのに
私 選べない


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