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小学5年生の私が、食道アカラシアという病気にかかった話。

前置き

初めまして。
私は「食道アカラシア」と「食道痙攣」を同時に患っている
激症アカラシア(Vigorous Achalasia)という病気を持っています。

今日は、私が小学5年生からこの病気と闘病していた話をします。

まだまだ世間には知られていない病気で、
周りに闘病している人がいなく不安な方もいると思います。
発症の過程や、経口内視鏡的筋層切開術(POEM)、術後の生活など
同じ病気を患っている方の参考に少しでもなれば幸いです。

  • 食道アカラシアとは?

    • アカラシアはギリシア語で『弛緩することがない』という意味であり、食道アカラシアは胃食道接合部の弛緩がうまくいかなくなる病気です。 また、食道の蠕動運動の低下も認められ、食物がうまく胃に入らず食道内に停滞してしまいます。 また、アカラシアは食道がん(扁平上皮がん)の危険因子の1つと考えられています。

  • 食道けいれんとは?

    • 食道けいれんは、ぜん動(波のように進む筋肉のリズミカルな収縮)が障害される病気です。 この病気の原因は分かっていません。 症状としては、胸痛や嚥下困難などがあります。 診断は食道造影検査と内圧検査の結果に基づいて下されます。

近年、逆流性食道炎食道がんなどの食道に関する病名をよく見かけることも増えましたがこの病気は何十万人に一人という発症の確率で、世間にはあまり知られていない病気の1つです。

1. 小学5年生、病気の発症。

自身の身体の異変に気づいたのは、小学5年生、当時11歳の冬休みでした。

食べることが大好きで、運動も好きで健康的な子供だった私は、周りの子より肉付きも良く、不健康とは真逆のぽっちゃりとした体格のいい小学生でした。
ある日、学校の休み時間に飲む「水」がうまく落ちていかない事に気づきました。

気のせいだろう。

そんな日が何日も続き、しばらくすると今度は給食の時に食べ物も上手く落ちていかない日がやってきました。

急いでのどに詰まった食べ物を落とすべく、水をガブガブと飲む。

さらに苦しくなり、私はトイレに駆け込み、食べたもの、水、全てをもどしてしまいました。

食道アカラシアの怖いところは、詰まった食べ物を水で流そうとすると、さらに食道に詰まってしまうというところです。

本来、食道と胃をつなぐ筋肉は、食べ物や水が流れてくると自然に開閉されるものですが食道アカラシアはここの筋肉の動きが上手くいかず、食べ物や水が落ちるべきタイミングでいつまでたってもドアが開かず、食道内で渋滞を起こしてしまう病気です。
最悪、食べたものはそのまま胃に落ちずに食道内で立ち往生を繰り返し、口から吐いてしまうことがあります。
※胃まで到達していないので、胃酸が含まれていなく、食べたものがドロッとと痰のようなものにくるまった状態で出てきます。水を吐くこともあります。

そんな日が続き、流石に気のせいでは済まなくなってきた頃。
子供ながらか、心配をかけたくないという理由で、
自分の病状を親に相談することはできずにいました。

食べ物が詰まった時は、私は下記の順番で対処していました。
①胸をトントンと叩く(あまり効果はないがおまじないみたいなもの)
②スウっと深呼吸をする(食道が上手く動いていないので外部から刺激を与える)
③それでも落ちない場合はトイレに行き、指を喉に突っ込み詰まっている食べ物を取り出す

当時、もう慣れていましたが③が特に辛く、
何度も何度もトイレで涙目になりながら食べものを吐き出していました。

食べることが大好きだった私は、食べることが怖いと思うようになりました。

食事にかかる時間も増え、小学校の給食の時間内で食べ切ることができなくなり、
次第に食べる量も減り、周りより体格がよくポッチャリだった私は、みるみるうちに体重が減っていきました。

幸い、成長期も重なり身長も伸びていた時だったので
周りには成長期でスラッとしたのだと思われていました。

ですがそんな騙し騙しの生活がいつまでも続くことはなく、
うちで夜ご飯を食べていた私は食べ物を喉に詰まらせ、
いつも通り、トイレに行き、無理やり喉に指を入れてものを吐き出しました。

ところがそれでも、なかなか食べ物が落ちません。

寒いと言い、夜中にお風呂に入り、
ずっと指を押し当てなんとか詰まっている食べ物を吐き出そうとしますが、なかなか吐けず・・

そんな格闘を4時間くらい続け、ついに力尽きた私は
母親に「食べ物が詰まっているので救急車を呼んでほしい」と頼みました。

ー続く。




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