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【あかっぱのブラジル協力隊活動記】ブラジル編vol.2

Boa noite!(こんばんは)

長らく投稿ができてなくて、久しぶりの投稿になってしまいました、あかっぱです。

改めて、私は現在、青年海外協力隊(正確には「日系社会青年ボランティア」)としてブラジルに派遣していただいています。

そして、7月31日に出国、8月半ばまでサンパウロで語学の研修をし、8月25日から任地である「アリアンサ」という、サンパウロから北西に600kmいった、内陸にある小さな田舎の村に来て活動をしています。活動が始まって約一か月になります。

私の職種は「日本語教育」、つまり現地のブラジル人(日系人が主ですが)に、日本語を教える職種です。

ブラジル(世界的にも)、ブラジルの現地の学校とは別に日本語を学ぶための学校があって、それが「日本語学校」と呼ばれます。(よく間違えられるのですが、海外に仕事で来ている駐在員さんのお子さんたちが通う「日本学校」とは別のものです。)

私は、この第一アリアンサにある日本語学校で授業をすることが活動になっています。

しかし、今日の私の日課は

8:40~11:50 ブラジル学校
16:00~19:00 小中学生への野球指導(一緒に野球をする)
19:00~23:00 シュハスコ&吞み
(うち、21:30~22:30 現地プロジェクトのミーティング)

という、日本語教育とは全く関係のない一日でした。

ですが、これも協力隊の姿の一つなのだろうと個人的には思っています。

協力隊は「現地の人たちの生活向上に貢献する」ことが目的であって、職種はあくまでもそれを実現するための一つの「形」でしかないと個人的には思っています。

さて、話は戻して今日の話。

まず午後の野球について。

野球は、もともと日本で中学校の教員をやっていた時に顧問をやっていたので、自分はそんなにうまいわけではないけど、多少の指導や見たりやったりすることは好きです。

なので、今は週2回程度、一緒に練習をしながら、補助をしています。

その中で、今日は日中ブラジル学校に行ったときに会った子が「今日練習行くね」といっていて、本当に来た子がいました。全く野球をやったことがない子です。

ブラジルは知っての通り、サッカーが国民的スポーツで有名ですし、みんなできます。

でも、野球は正直知名度が低く、サッカーに比べやっている子が少ないスポーツです。

そして、ブラジルではサッカーが有名なこともあってか、野球は体育でもやらないようなんですね。

だから、今日来た子は、はじめボールの投げ方からすごくなれない感じでした。

ほかの子もそうなのですが、こうして自分からスポーツをやりたいと言ってくるブラジルの子はたいていみんなスポーツが上手なのですが、野球に関しては正直投げ方もバラバラ。野球のルールさえ知らない子もいっぱいいます。

でも、運動神経はすごく良くて、自肩が強くて明らかに変な投げ方や打ち方でもいい球を投げたり、いい打球を打ちます。

そして、面白いのは、アリアンサが田舎ということもあり、半そで半ズボンで野球をやることはもちろん、サンダルの子、さらには素足でやる子もいます。

悪い面では、サッカーが盛んなので、野球ボールを蹴る子も。

そんなアリアンサの子たちの姿を見て、悪いことは伝えるのは別として、日本との違いを感じます。

日本だったら、中学の部活はもちろん、少年野球でも「勝つこと」を目的にしてやります。

もちろん、ここアリアンサの子たちも試合で勝ちたい気持ちがない訳はもちろんありません。

なんなら、毎日自主練している子、休日に練習でもないのに朝から晩まで野球をやっている子もいます。

でも、練習する目的が「勝ちたい」より、ただ単純に「上手くなりたい」からやっているように見えるんです。

そして、「あー、本当に野球が好きなんだな」というのが凄く伝わってくるんです。

実は、それは大人も同じで、80歳になる人がいまだに現役で地区のシニアの野球の大会に出ていたり(そして、ちゃんと試合に出て、ジャンピングキャッチをする人やピッチャーをやる人も)、アリアンサ内での地区対抗の野球大会があったりと、大人も野球がただ単に好きでやっている人が多いんです。

そして、話は変わって、夜のこと。

夜は、会館と呼ばれる日本で言う公民館と地区のホールを合わせたような場所で、ブラジル銀行(国営の銀行)とフォルクルワーゲン、ソーラーパネルの会社による説明会?があったんです。

これは何かって言うと、フォルクルワーゲンが大型トラックの展示販売をして、それに合わせてブラジル銀行が利子のつけ方の話とソーラーパネルの会社が自社の商品の説明をしている(よう)でした。

そして、そのあとに、ブラジル銀行が出資して、シュハスコ(BBQ)とビールが振舞われていたんです。

なんでこんなことをしているのかというと、トラックなどの高額なものを買うときには長期のローンをするのが当たり前なんです。(今日の説明では、600万円のトラックに10年間のローンを掛ける、という話をしていました。)

で、ブラジルでは銀行がめちゃくちゃいっぱいあって、このローンのつけ方とかが全然違うらしいんですね。

なので、ブラジルでは国として、こうした銀行が人たちを集めて、自分たちのローンのつけ方などを話す場を設けることが義務?のなっているらしいんです。(地元の人曰く)

まあ、それはいいとして、そんな高額なトラックやソーラーパネルの買い付けの話に、辺鄙な田舎のアリアンサの人たちが子ども連れでかなりの人が集まっている。なぜか。もちろんそうした話に興味がある人もいるんだとは思うのですが、ただ単に「無料のシュハスコとビール」が目的な人が一定数いると思うんです。(私はその一人です。)

事実、シュハスコとビールで23時まで飲んで食って、トランプして、というおっちゃんたちがいるわけです。

で、何が言いたいかというと、ブラジル(アリアンサは、というべきかもしれないですが)はいい意味で娯楽が少なくて、野球も吞みも人と話すことも、貴重な、そして大事な「楽しみ」なんです。

だから、勝ち負けじゃなかったり、自分には関係のない話を聞いてでも、そのあとのシュハスコしながらの吞みが好きなんだなと思うんです。

この「勝ち負けにこだわらない」は、ある意味、「個人主義」ということもであって、「チームが勝つ」というより「自分がうまくなる」ことの方が大事、という考え方が日本より強い、ということもであると思うんです。

ちょっと話はそれますが、先日、アリアンサで運動会があったんです。

それは出る人が「幼児」「少年・少女」「青年」「婦人」「家長(お父さん、おじいちゃん)」に分けられて、それぞれの種目で7位までには商品が出る(それも、子どもにはお菓子、青年にはビール、夫人・家長にはお米や洗剤、といったように、本当に「ほしい」ものが商品になっている)んです。

だから、もうみんな必死です。婦人なんかは、ゴール前、相手を押しのけ、へしのけてゴールします。

でも、ここで面白いのが、あれだけゴールに執着しておきながら、「負けた方はもう一回戦やります」というと、すぐに次のレースにいくんです。

正直、「勝つこと」より「自分が商品をもらうこと」の方が大事なんだな、と。

お金にがめつい、という捉え方もあるかもしれませんが、この「個人主義」の姿が個人的にはすごく日本との違いを感じます。

だらだらと、思ったことを書く形になってしましましたが、自分の気づきの備忘録として、またnoteも書き続けていけたらと思います。



最後までお読みいただきありがとうございました。








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