見出し画像

Weekly Quest 2021年8月2日号



毎週月曜日にWeekly Questと称し旬な話題を深く掘り下げて投資のヒントにしていければと思います。今月のテーマは「バイオテクノロジーと投資:認知症」についてです。


今月のテーマ 〜「バイオテクノロジーと投資:認知症」〜


毎日暑い日々が続いており夏本番ですね。東京都のコロナ感染者数も大幅に増加しておりワクチン接種による集団免疫をいつ獲得できるのかが焦点になっています。

このような環境下でもありますのでバイオ投資というものを考えていきたいと思いますが、テーマとしてはまず「認知症」を取り上げたいと思います。

米国のBiogen(BIIB)が日本のエーザイと共同開発した認知症治療薬「アデュカヌマブ」が2021年6月7日に米国FDAに承認されました。いままでいろいろな治療薬がありますが、今回は対象となる物質を70%削除することが可能になったということです。

その後、FDAの承認過程に不透明感があるとのことで医療機関が使用を制限したり保険適用を見合わせていると言ったニュースで株価の方は下落しています。

世界では2050年までに認知症に罹る人が1億5000万人以上に増加すると言うことも言われており、経済的な損失も大変懸念されるような状況です。少しでも発症が遅れれば国はその間の税収が見込まれるため国をあげて治療薬の開発に集中したいところですが、なにせ未然に防ぐ方法もなく、発症をなんとか遅らせたり症状を改善する治療薬の開発が進められていますが根本的な治療薬というものはありません。そんな中、Biogenの新薬が承認されたと言うのは非常に画期的なニュースになりました(ただし、これも根本治療薬ではなく改善薬)。

Biogenに限らずバイオ株への投資ですが、一旦新薬が開発されると大きく株価が上昇し投資妙味につきるといっても過言ではありません。開発が成功するかどうかわからない段階で投資するのは ”丁半ばくち” のようなもので非常にリスクが大きくなりますので慎重に行わなければなりませんが、ことバイオ株投資については投資信託も有効な投資手法になると思われます。

また、バイオ株への投資の際には、やはり相当なリサーチが投資する側に必要です。これはアナリストレポートを見ているだけではダメで、病気の内容や現状をよく理解して医師の意見や論文などを参考にしながら行うことが絶対に必要になってきます。

今回のシリーズは病気の中でも我々がもっとも興味があるものの一つである認知症について、投資と絡めて考えていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。