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Weekly Quest 2021年9月6日号


毎週月曜日にWeekly Questと称し旬な話題を深く掘り下げて投資のヒントにしていければと思います。今月のテーマは「バイオテクノロジーと投資:認知症」についてです。


今月のテーマ 〜「バイオテクノロジーと投資:認知症」〜

早いもので9月になってしまいました。今年も残すところあと4ヶ月です。時間が経過するのは本当に早いものです。

さて前回のWeekly Questでは "認知症の中の ②脳血管性型認知症と投資について" 取り上げました。その中で「現状では治療薬はありません」と書きましたが、現在治験中の治療薬があるようです。治療薬があると言っても「認知症が治る」ということではなく原因となる脳卒中、脳梗塞を治療してその後の認知症発症を極力抑えるというものです。

日本の府中にあるティムスという会社のTMS-007という治療薬で急性期虚血性脳卒中の治療薬として開発されているようです。

急性期虚血性脳卒中とは脳の血管が詰まったり破裂し始めて4〜6時間以内の状態を表しますが、このTMSー007という薬であれば9時間ぐらい経過しても詰まりを溶解させたりすることができるということです。これは、例えば寝ている間に脳梗塞などが発生すると本人もわからない間に麻痺が起きたりして知らせることができなくなり、家族が気がついて病院に搬送され治療が始まるまでの時間が6時間ぐらいは最低でもかかるケースが多いということです。麻痺が始まって声を出すことも起き上がることもできなくなることがあります。それ以上経過すると脳の血管が壊死し始めてしまうことになります。脳卒中の治療の鉄則は「できるだけ早く治療を開始すること」と言われていますが、かなり時間が経過した状態でもこの薬を使えば治療が可能なのではないかと言われています。

米国のBiogen(BIIB)が以前から保有していたティムスへのオプション権を行使して、急性期虚血性脳卒中の治療薬候補として開発中のTMS-007をティムスから獲得しています。

バイオジェン、急性期虚血性脳卒中を対象とするポジティブな前期第II相試験データを受け開発中のTMS-007を獲得するオプション権を行使


このTMS-007という治療薬の現在の開発状況はPhase-2の段階です。この先治験に成功するかどうかはわかりませんが、開発成功し薬品として承認されれば多くの患者さんが救われることになります。

ちなみにこの日本のティムスという会社ですが先月東証に上場申請をしています。認可されるかどうかわかりませんが、上場するならこちらも非常に魅力的だと思います。

Biogen とのオプション契約締結のお知らせ



最後までお読みいただきありがとうございました。