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2021年4月 予備自衛官補一般および技能試験 備忘録

今年の予備自衛官補試験の一般と技能(語学)を受けて両方合格しました。今後試験を受けたい方への簡素な伝言として、noteを書き残しておこうと思います。

予備自衛官とは、予備自衛官補とは面白そうな響きだがいったいなんぞや、という方は公式ウェブサイトをどうぞ。

これを書いている人

30代前半・女性です。日本の外国語系の大学を出ました。受験の動機などは面接対策の項目で述べますが、本心を簡単に言うと「面白そうだったから」です。

なぜ両方受けたか

一般で合格し、技能枠の資質を満たしていれば後から切り替えもできるという話を聞いたので、念のため両方受けました。一般から技能に切り替えるには、まず一般の訓練50日をすべて修了し、予備自衛官になってから地方協力本部に申請をして承認されると技能に切り替えが可能だということ。一般の訓練をすべて修了するのに早くて1年間ほど、その後申請を経て2年ほどの時間を要します。ですので両方受かった今、技能の方を選択して訓練を受けるつもりでいます。

申し込みから試験までのプロセス

ウェブ申し込みのあと、地区の広報事務所から連絡がきて一旦対面で説明を受けることになりました。このプロセスは必須ではなかったと思うので都合がつかなければ飛ばすこともできるかもしれません。わたしは日時を予約し、広報官から一般・技能の各訓練内容、試験内容などの概要を1対1で聞きました。また別日に、元面接官だった広報事務所スタッフの方より試験対策と模擬面接が希望者向けにありました。受験希望者複数人での合同開催だったので、他の人への面接フィードバックなども聞けました。お近くの地方協力本部でもこのような対策をしてくれるのかは問い合わせをしてみてください。

駐屯地での試験概要

土日のどちらか丸一日を費やし筆記試験・面接・身体検査のすべてを行うので、朝がかなり早いです。技能と一般は別日に試験がありますので同時受験が可能です。受験する駐屯地が違う場合がありますので、自分の受験地区で間違いがないよう確認してください。

試験は3種類です。筆記試験+適性試験は全員一斉でした。面接・身体検査に関しては男女で分けられた席に座り待機、そこから女性はまず身体検査、その間に男性が面接へ、などとアナウンスにしたがって動いていました。技能の試験の場合は席順に「衛生」は赤、「語学」は青、「情報」は緑などという区別もありました。

試験は長丁場です。待ち時間がとても長いので携帯や本など暇つぶし道具があるといいです。一般の試験では、筆記試験の勉強をされている方も多く見かけました。わたしはスクリーンに放映されていた自衛隊PR映像(陸自駐屯地なのになぜか海自のPR)をずっと見ていました。待機部屋を常に目を光らせて監督している人もおらず、ゆるっとした空気でした。買ってきていたコーヒーを待ち時間に飲んで本を読んだりしていましたが、特に何も言われませんでした。

昼食を買える駐屯地と買えない駐屯地があります。試験前に広報官が教えてくれるかと思いますが、なければ確認してください。わたしが行ったのは昼食を買える駐屯地だったので、普通のコンビニ食麻婆豆腐とプリンを美味しく食べました。駐屯地内コンビニでお昼を買うついでに自衛隊限定のお土産品?を買っている受験者の方も見かけました。試験をちゃんとイベントとして楽しんでいらっしゃっていいなぁと思いました。

筆記試験

・一般: 学力試験と小論文があります。学力試験は中学程度の基本的な問題のマーク形式です。国語は特に漢字や慣用句を問うものが多く、長い文書を読む設問はなかったように思います。数学は分数の計算式から、簡単な二次関数、文章題の確率問題が出ました。社会の問題は、広く新聞社会面を読んでいる人であれば大丈夫かな、というような問題でした。不安であれば一度過去問を見ておいてもいいかもしれません。例えばわたしは「政権交代の際に野党が影の内閣を組織する国はどこか」という問題を間違えました。一部選択問題になっているので、解けそうな問題が多いところを選ぶといいと思います。

小論文は、今回は確か「予備自衛官補として訓練を受ける際にどのようにこれまでの経験を活かすことができるか述べよ」とかなんとかだった気がします、あいまいですいません。わたしはいかに集団生活を円滑に行い、問題が起きた時の解決をするかにおいて、どのようにこれまでの部活経験を生かすことができるかを書いた気がします。

・技能: 小論文のみ。「自衛隊活動に自分の技能を生かすにあたって、その技能を維持向上させるためにできることを述べよ」だとかそんな感じでした。語学枠だったので、緊急事態発生時の後方支援において米軍と連携する場面があるかもしれないから軍事用語一般、世界情勢に関する語彙、米軍独自の用語を普段からアンテナをはって収集しておく、とかなんとか書いたような気がします。

ちなみに筆記用具を忘れたら貸してもらえるようです。そのあたり、ほかの資格試験なんかよりもリラックスした雰囲気でした。

適性検査

筆記試験・小論文にひきつづき、マークシート形式の適性検査があります。よくあるタイプの「次の文章を読んで、自分が当てはまるかを選択してください、なるべく時間をかけずに直感で選んでください。」という検査です。

面接

一般と技能どちらも、自衛隊の訓練を受けて遜色なさそうなハキハキとした発声、安定したアイコンタクト、姿勢、言葉遣い(特に語尾)に気をつけました。面接官は3人に対して自分一人が部屋に入ります。わたしの従った面接マナーはこちら。

自分の番号を呼ばれたら部屋の扉を2、3回明確にノックして「どうぞ」と言われたら「失礼します」と言って部屋に入ります。椅子の横まで歩いたら「本日はよろしくお願いします。」と一礼します。「どうぞお座りください」と言われてから、「はい、失礼します」と座り、足を揃えて手を膝の上でそろえ、微笑みをたたえながらもまっすぐ前を見据えます。マスクはつけっぱなしでした。面接終了時「これで面接は終了です」と言われたら、そのまま立ち上がり、「本日はありがとうございました」と言い、手を前で組んで一礼、前を向いて面接官とアイコンタクトしたのちにドアのところまで歩いて振り返り、「失礼します」ともう一度丁寧な礼をして、退室。

聞かれた内容は一般・技能あまり変わらず、志望動機、予備自衛官制度について、訓練内容と訓練を受けられる期限について理解しているか、これまでどんなスポーツをしてきたか、集団生活経験はあるか、といった内容でした。自分が健康健全で、社会に貢献したいと思っており、訓練に耐えられる規律心と体力を持っていることをアピールできたら大丈夫かと思います。

志望動機として、わたしはコロナ禍で自分のできることの少なさに対してモヤモヤしたこと、緊急事態の社会に対して少しでも貢献できたら嬉しいし、そのための訓練を自衛隊で受けておくと普段の生活の中でのちょっとした不測事態に対応する能力もつくだろうと期待したから、と述べました。

集団生活経験は、学生時代の修学旅行や部活の合宿のエピソードで十分です。スポーツ経験を聞かれたら学生時代の経験と、現在行っている運動も述べると良いと思います。わたしは中学の時の運動部での経験と成績を話し、それに加えて現在はヨガとジョギングを普段しており、冬にはスキーに行きますと言いました。

身体検査

これが一番綿密に見られている項目だろうなと思います。体力測定こそないですが、バランス感覚や、手首・足首・肩甲骨・腰といった関節の曲げ伸ばしはチェックされます。やっぱり自衛隊ということで、技能の方で試験を受けにきている人は年齢様々ですが、着替えた時にトライアスロンのTシャツだったり、それなりに運動をしていそうな人が多かったです。一般のほうは、そもそも学生さんなど若い方がほとんど。

体重・身長と共に、聴覚・視覚・色覚・歯科・胸部レントゲン・血圧の測定があります。これが午前にあったのですが、午後に午前の検査結果をうけた医師の問診があり、その時に再検査が必要な人だけ呼び出されました。女性では結構多くの方が血圧の測り直しに呼び出されていました。わたしも測り直しをし、その後も上が100を切るくらいの血圧でしたが、合格できました。血圧が低めの方は測定の時なるべく深い呼吸を心がけるといいかも。

身体検査の時、かなり肌寒かったのですが半袖短パンでした。ご多分にもれず待ち時間がけっこうあるのですが、その時もそのままの格好で、結構冷えました。午後は上に羽織るものを持っていきました。自己管理が大事...。

そういえば、半袖短パンで軽く身体チェックをされるのですが「刺青やリストカット跡はありませんか?」と聞かれました。刺青が入っているのはNGと予め説明を受けていましたが、リストカットは知らなかったです。

服装

男性はほぼ全員スーツ・ネクタイでした。女性はオフィスカジュアルで大丈夫です。わたしは黒のジャケットにブラウン系ニット、下は白のスラックスにベージュのショートブーティを履いていましたが、それでも受かりましたので服装規定は厳しくはないはず。要は清潔感がありシワが寄っていない、礼儀を感じる服装であることが重要なのだと思います。ただ他の方は女性でもほぼスーツだったので浮くのが嫌であれば無難な感じを目指しましょう。ただしマニキュアは落とす、派手なアクセサリーはつけないで。わたしは黒髪なので髪色規定を確認していません。無難な茶髪程度の方は試験会場にもいらっしゃいました。髪の毛がボサボサ・不潔、目が隠れるくらいの前髪、など基本のアウト項目以外特別気をつけることは無いように思います。

身体検査の時には着替えをします。膝が見える短パンとTシャツを持ってくるようにというアナウンスがあると思います。靴は持っていかなくて大丈夫でした。

今のところわたしが伝えておくべきだと思う内容は以上です。将来的に試験を受ける皆さん、がんばってください。