"早生ふじ"という品種は無い~品種図鑑コラム~
9月25日現在、少しずつ収穫が始まっているりんごがあります。「早生ふじ」という名称で、スーパーやネット通販などでも売られています。
しかしこの「早生ふじ」という名前、品種名ではないことはご存じでしょうか?
「早生ふじ」とは?
植物には、細胞に突然変異が起こり一本の枝や茎だけに元とは異なる形質があらわれるという、枝変わり(えだがわり)という現象が時々生じます。そしてりんごの品種にも枝変わりによって誕生したものが存在し、「早生ふじ」はその中に含まれます。「早生ふじ」は「ふじ」よりも早く成熟する、つまり「ふじ」の早熟系枝変わりの品種の総称なのです。
「早生ふじ」に分類される品種
「早生ふじ」というくくりになる品種は、
・ひろさきふじ
・ほのか
・昂林(こうりん)
・涼香の季節
・やたか
など数種類あります。一番生産量が多いのは"ひろさきふじ"で、酸味が少なく甘味が強いです。
ちなみに私の実家では"昂林"を育てています。
どの品種であっても、見た目も味も"ふじ"そっくり。"ふじ"より少し果肉が柔らかめなのがちょっと違う点です。
品種によっては、赤く色づきやすかったり縞状に色がはいるかどうかの違いがあります。でも微妙な違いなので、りんご農家でも見ただけでは分からないと思います😅
スーパーなどで売られる場合は「早生ふじ」と書かれることが多いと思うのですが、もし品種名で売られているのを見つけたら注目してみてくださいね。