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舞台から落ちて骨折入院しても最高のことが起こってる③

12月8日(水)
一人でトイレに行くのは絶対ダメ!と言われている。しかしこれがめっちゃストレスでつい我慢しようとしてしまう。けど、練習だと思って今朝もトイレ介助を頼む。
「(ベッドじゃなく)ここにいますか?」と、トイレ終わって車椅子に戻った時に看護師さんに言われて、あ、ベッドに戻らなくてもいいんだ、って嬉しくなる。朝ごはんまでの1時間くらい、室内を車椅子で意味もなくウロウロする。ブラインドの上げ下げ、ゴミ箱の位置、そんな些細なことさえ自分で調節できることが嬉しい。歯磨きも洗面所でできた。嬉しい。(それまではベッド上で「うがい受け」というグッズを使って歯磨きしていた)

午後は保険会社の典子さんとメールで手続きのやり取り。そうしているうちに初めてのリハビリに呼ばれた。PTの先生はわたしのペースを見守って待ってくれるし、痛みもわかってくれている。とても安心した。松葉杖の高さ合わせをした。でも、歩く練習は痛みのためにちょっとだけしかできず。痛み止めの薬は処方してあって、頼めばいつでももらえるんだけど、なんとなく一度も頼まずにいた。PTの先生から、薬も必要に応じて使いながらリハビリしていきましょうと言われ、退院後の生活など具体的な話も聞けてまた安心する。ただ、骨盤の折れたところがずれないように気をつける生活が続くと思うと、不安になる。車の運転は医師の許可が出るまでできないって。どうなる?あきちゃん。
その夕方、トイレ介助を頼んだら、一番勢いのある方が来た。なんかその感じだけでビクッとして体が硬くなる。「待ってください、ゆっくりお願いします」と言ったら、いいよ、と待ってくれた。だけどやっぱりタイミングが合わず、無理に動かされて痛いと叫んでしまい、もう、なんか情けなくなって泣いてしまった。サクサクやりたい気持ちと、全然そうはいかない体と。悔しくて痛くてつらくて。我慢してられない、体験。
そのしばらく後、同じ看護師さんが来て痛み止めを頼んでくれたこと、リハビリ前の薬の確認などしてくれた。本音を伝えたら話し合えるって感じた。泣いてごめんね。
晩ごはんの後、痛み止めの薬を飲む。30分経過。うん、少しいいかも。
まだ痛いけど、叫ばなくてよくなった。検温に来てくれた看護師さんが穏やかで待ってくれてありがたい。自分のペースだと落ち着いて体重の掛け方を調整できる。でも起き上がるのはまだキツイなー。
わたしせっかちなんだな、って気づいた。ゆっくりやること、体のバランスを見ながら動くこと、相手とのコミュニケーション、良い変化を信じて見守ること、たくさん学ばせてもらっている。泣き叫びながら。

罪悪感を消す体験
生きててごめんなさい、はずっとついて回ってたんだな〜、なんて感じている。トイレ行くのも、水飲むのも、ごはんも、わたしは後でいいですから、とやってきた。体も丈夫だし、心は広いし?大抵のことは乗り切れて「なんでもできる」から「大変ならわたしが手伝ってあげるよ」みたいになってたのかもしれない。今、体の自由がきかなくて、トイレも移動も人の手を借りなきゃできなくて、最初すごく嫌だったけど、頼まずに一人でやると危ないからと怒られることもあって、嫌々ながら頼み続けた。頼むと、どんな雑な人でも「やってくれる」。泣いて痛いって言ったら優しくなってくれる。そうしてだんだん「お願いします」のトーンが変わってきた気がする。「こんなわたしのために」が薄まってきた。伝える。やってもらう。そしたら「忙しい中、本当にありがとう」が湧いてきた。できるだけのことはしようって素直に思えてきた。やっと。

全部がわたし
看護師さんのタイプもいろいろ。
じっと待ってくれる人。こうしたらいいよ、と自分のペースで介助を始める人。とにかく早く、がモットーみたいな人。コミュニケーションとってくれる人。

全部、わたしのなかのわたし。
そう気づいたら面白くなってきた。

あと、遠慮せず感覚に素直にトイレ介助頼むと、気の合ういい感じの人に当たる説。

夜中のトイレ
静かだし今ならいいかな。でも、夜勤は人が少ないって聞いたよな。朝まで待てるかな。いや、朝の方が忙しいはず。このまま我慢し続ける?うーん、無理。本音は?トイレ行きたい!よし、押そう。
毎回、ナースコール押すまでの逡巡。で、看護師さん来るまでにリモコンでベッドを上げて体を起こし、体を少しずつずらして車椅子に乗り移る体勢の準備をする。夜はナースコールの返事もなく、静かに看護師さんが入ってくる。あ、待ってくれる人だ。よかった。
ちょっと待ってください。引っ張って。あ、違った。こっちだ(手をつく位置も重要)集中しつつ、状況とリクエストは声に出す。そうするとコミュニケーションができてくる。そうすると、安心。
入院してから4日目。

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演劇の公演中に舞台から落下。骨盤単純骨折で入院してから自宅療養する間に変容していくわたしの日記です。

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