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週1エッセイ#22「職場で食べるおやつの話」

仕事の合間に食べる用に、自席の引き出しにお菓子をストックしている。

先日は『さくさくぱんだ』のファミリーパック(6袋入り)を購入し、『さくさくぱんだを6回も楽しめるんだ!』と、ほくほくした気持ちでいた。

しかし、出張に行った上司がお土産を買ってきてくれた時や、同僚がお菓子をくれた時、業務上で誰かに大きな助けをもらった時など、何かあるごとに『さくさくパンダ』を人に渡してしまい、6袋入りを買ったうち、結局自分で食べたのは2袋だけだった。

私はこんな感じで、自分で食べる為に買った職場用おやつを全部自分1人で食べ切った事があまりない。
「何かもらった時にすぐその場で返す必要はないんだよ?」と母によく注意される。しかし、私は良い塩梅のタイミングで「これ、この間のお礼」という風にするのが苦手で、どうしてもすぐに恩を返さなくてはと思ってしまい、引き出しの中にある自分のおやつを渡してしまう。もらうだけでいると、「あの人からアレをもらった」「この人からこんなことをしてもらった」というのを忘れてしまいそうな気がするのだ。

タダであげたわけではなく、自分の食べなかった4袋の代わりになるものを人から頂いているので後悔は無いはずなのだが、6袋あったうちの2袋しか食べられないというのは、少しだけ切ない気持ちになる。


セブンイレブンの『チョコ&クッキーミックス』を買った時も似たような気持ちになった。いろんな種類のチョコとクッキー系のお菓子が入っている中の、わずかにあるチョコチップクッキーを全部人にあげてしまって、自分は一つも食べられなかった。

ちょっとしたお礼で渡すなら個包装の飴1個とか小さなチョコ1個くらいにしておけばいいような気もするのだが、ファミリーパックの6袋のうちの1袋とか、アソートの中の1番いいやつとか、わりかし重めの物を渡してしまう。

別に「あなたが持ってるお菓子の中で一番いいやつをちょうだい」なんて誰も言っていないのに、なんだか「私にものをくれるなんて、なんて良い人なんだ!そんなあなたにはとっておきをあげちゃう!」というような心理が働いてしまう。
「私は人にあげる用のお菓子をストックしている」と上司が言っていたが、人にあげる前提のお菓子を引き出しにいれておくほどの気前の良さは持ち合わせていない。

なんとか良いバランスが取れないものだろうか……

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