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池袋桃色SM娼婦

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26歳になる直前から30歳まで。【いざ勃てイメクラ嬢】シリーズの続編となっております。池袋のSM店でM嬢をしていた頃を綴ります。仕事も男性関係も人生で一番がむしゃらでした。 マガ…
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#風俗

池袋桃色SM娼婦~風俗嬢3年生~

『ホラッ!どうしたの?ん?んんっ??言って!ごらん!て!』
男は僕の膣にぶち込んだ太くて短い指を前後に抜き差ししながら尋ねた。不格好な爪は短く切り揃えられていたけれど、第三関節に生い茂った体毛に愛液を絡め取られているような気がして、何となく不快だなと思う。
『どう!した!の!!』
心身になんの変化もきたしていない僕に、彼は顔を近付けてもう一度同じ質問をした。
必死だなあ
近付けられた顔を少しだけ引

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池袋桃色SM娼婦~ホントの名前~

池袋桃色SM娼婦~ホントの名前~

その日僕はいつもよりずっと早く、夕方には仕事を終えて、待機室の汚い鏡でいつもより少しだけ丁寧にメイクを直してから、池袋駅北口出口の階段からJRの改札を横目に見て東口のPARCOに立ち寄った。

地下2階。お気に入りのショップでハンガーに掛けられたワンピースとコートを1着ずつ掴むとレジに持っていく。その間3分。服の価格は知らない。
『ご試着よろしかったですか?』
若い店員は少し間違えた敬語で、鏡の

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池袋桃色SM娼婦~5万払うから1万円で抱いて~

池袋桃色SM娼婦~5万払うから1万円で抱いて~

虫歯で前歯がほとんど無いヤツ、口からドブの臭いがするヤツ、 その他そこいら辺の常識あるOLの女の子なら『1億積まれたって絶対無理』と思うようなヤツでも、僕は最低50分¥10,000のキックバックを貰えたら誰とでも舌を絡めた濃厚なキスが出来る。
そりゃ勿論、こちらも心身共なるべく健康に生きていたいので、ホテルに備え付けの使い捨て歯ブラシを握らせシャワータイムで歯磨きを誘導したり、原液にほんのちょびっ

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池袋桃色SM娼婦~選り取りみどりの女の中で~

池袋桃色SM娼婦~選り取りみどりの女の中で~

『えー!付き合っちゃえばいいのにー!』
亜美ちゃんは元々まあるい目をもっとまん丸にさせて自分のことように嬉しそうに身を乗り出す。
『まぁでもこのままでもそれなりに楽しいってゆーかさ』
池袋駅北口の階段を登った目の前にあるホテルの2Fにある24時間営業の喫茶店。よく言えば昭和レトロと呼べなくもないその店は、店内の真ん中に大きな水槽があって熱帯魚がユラユラ漂っている。場所柄、日中は混雑しているものの終

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池袋桃色SM娼婦~教えてときめきメモリアル~

池袋桃色SM娼婦~教えてときめきメモリアル~

ローテーブルの上に広げられた見慣れない紙切れ。茶色の罫線が引かれた記入欄は半分くらい下手くそな文字で既に埋められていた。
左上に並んだ漢字が3文字。婚姻届と呼ばれるそれの実物を見るのは初めてだった。

『美紀だってもう23でしょ?こんな事いつまでも続けられる仕事じゃないんだから。』
26だバカ。ついでにお前が本名だと信じて疑わない美紀という名は中学の頃嫌いだった女の名前だ。
僕は何だか直面している

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池袋桃色SM嬢~君が隣にいるのなら①~

池袋桃色SM嬢~君が隣にいるのなら①~

『ご覧の通りの爺さんなもんですから。もうアソコの倅は元気になんないですけれど、助平爺なモンでして。とにかく若いお嬢さんと触れ合いたいと思っていまして。』
御歳86歳です!と元気に自己紹介してくれた温厚そうなおじいちゃんは続ける。
『なもんですから、僕の倅を咥えたりだとかは結構なんで、その代わり時間の限り渚さんを愛させて頂きたい。』
おじいちゃんはそういうと、ベッドに全裸の僕を寝かせた。
頭上には埃

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池袋桃色SM嬢~君がとなりに居るのなら②~

池袋桃色SM嬢~君がとなりに居るのなら②~

『お疲れ様。一先ず今日のお給料と明細で…』
『社長は?』
僕は渡された札束を数えもしないでそのまま鞄の中に放って、精算表に雑な文字でサインをする。
『ここだとお客さん来たり、他の女の子が精算来たりして、ゆっくり話し合って貰えないだろうからって、社長は今【伯爵】で待って貰っているんだけど、なぎちゃんもしお腹空いてるなら、何処か別のお店で食事しながらにしますか?って社長が』
伯爵とは、今いるビルの2件

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