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対談「アイヌコタンの手仕事と場所から生まれるものづくり」

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アイヌコタンの作り手が新しい生活を提案するセレクトショップの店主やデザイナーと、これからの場所から生まれるものづくりを考える。
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根づく・生きる・つながる:道具と伝承をめぐる対談〈下倉洋之(彫金作家)×朝倉圭一(やわい屋)〉

根づく・生きる・つながる:道具と伝承をめぐる対談〈下倉洋之(彫金作家)×朝倉圭一(やわい屋)〉

伝承のなかで紋様を刻む彫金と、生活のなかの道具の価値を再発見した民芸。歴史のなかで、人が培った文化を伝えるために、どのような姿勢をとりうるのか。地元の生活に根ざした作品を扱う2人の会話から、これからの継承のあり方を考える。

下倉洋之(上)|1975年生まれ。20歳より彫金を始める。アイヌの伝統衣装と出会い、その不思議な文様に衝撃を受け、アイヌを意識した装身具づくりを始め、1999年ブランド「Ag

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妥協しない・心から楽しむ・他人にゆだねる:手仕事と複製性をめぐる対談〈郷右近富貴子(工芸作家)×吉田勝信(デザイナー)〉

妥協しない・心から楽しむ・他人にゆだねる:手仕事と複製性をめぐる対談〈郷右近富貴子(工芸作家)×吉田勝信(デザイナー)〉

素材からつくるブレスレットやテキスタイルの手仕事と、大量生産を指向しない新しいものづくりとしてのグラフィックデザイン。ゼロからモノを生み出し、価値を届けるプロセスをいまどうつくればいいのか。自然との対話を共通点とする2人の会話から手仕事の価値を再考する。

郷右近富貴子(上)|1975年生まれ、阿寒湖アイヌコタン育ち。アイヌ料理の店 民芸喫茶「ポロンノ」を家族で切り盛りしながら、テキスタイルなどの

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継承する・自分に似る・物語をつくる:置物とオリジナルをめぐる対談〈瀧口健吾(木彫作家)×新垣優人(シーサー職人)〉

継承する・自分に似る・物語をつくる:置物とオリジナルをめぐる対談〈瀧口健吾(木彫作家)×新垣優人(シーサー職人)〉

テレビの上に置かれるシャケをくわえた熊の木彫り、沖縄の家には魔よけとして必ず置かれるシーサー。木彫と焼き物という異なる手法でありながら、設置されるオブジェであるという共通点をもつ。それぞれの分野で作品をつくる2人の職人から「オリジナルな置物」が生まれる背景をひもとく。

瀧口健吾(上)|1982年、北海道・阿寒湖温泉生まれ。彫刻家・瀧口政満氏の長男。オーストラリアの高校へ進学したのち、帰国後、木彫

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手間をかける・金を稼ぐ・世界とつながる:商売と環境をめぐる対談〈平良秀晴(彫作家)×成瀬正憲(日知舎)〉

手間をかける・金を稼ぐ・世界とつながる:商売と環境をめぐる対談〈平良秀晴(彫作家)×成瀬正憲(日知舎)〉

歴史が培ってきた紋様を自然の素材へと刻む木彫りと、途絶えそうだった技術を現代につなげた「おえ草履」。ものづくりを生むための環境は、いかにサステナブルにつくられるのか。京都から北海道へ、東京から山形へ、新しい土地で手仕事をつづける2人との対話からみえた、小さな「ビジネス」の萌芽とは。

平良秀晴(上)|彫作家。北海道が好きで度々旅行で訪れていた。ある年に訪れた阿寒湖アイヌコタンで木彫に出会い、興味を

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土地と育てる・目を受け継ぐ・子に教わる:世代と自然をめぐる対談〈下倉絵美(工芸作家)×平野馨生里(石徹白洋品店)〉

土地と育てる・目を受け継ぐ・子に教わる:世代と自然をめぐる対談〈下倉絵美(工芸作家)×平野馨生里(石徹白洋品店)〉

自然から生まれ歴史のなかでつむがれてきたアイヌ紋様と、地域の歴史のなかでアップデートされた洋服。人は土地でいきながら、いかに自然への視線を獲得し、新しいモノづくりへの一歩を踏み出すのか。作家でありながら母でもある2人の会話から土地と歴史のなかで育まれる自然と人間の関係を考える。

下倉絵美(上)|幼少期よりアイヌ文化に親しみながらも、姉妹ユニット「Kapiw & Apappo」を結成しアイヌ歌謡の

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