血の署名

pauper備忘録【黒単】

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禁止改定を受けて

10月21日の禁止改定【https://mtg-jp.com/reading/publicity/0033235/】により、アーカムの天測儀/Arcum's Astrolabeが禁止となった。これにより多くのデッキはマナベースやコンセプトの見直しを余儀なくされ、トップメタであったジェスカイ氷雪は解体、メタゲームは再編することとなった。

余談ではあるが、自分のmtgプレイングスタイルとして、3色コントロール~ミッドレンジを好んで使ってきた。好き嫌いを持つとプレイングの幅が狭まるため、いろんなアーキタイプに触れてきてはいるが、性に合う合わないはある。前環境のジェスカイ氷雪は自分のプレイスタイルにも合っていた。

そういうわけもあり、またメタが読めない状況であるなら、まぁるいデッキが色々対応出来てよいだろうということで、黒単を選択した。

『黒単』というアーキタイプ

ここで一概に「黒単」とくくることはできないのがこのデッキの魅力でもある。黒単というデッキタイプに関しては、黒に魅せられた愛好家が多いイメージもあり、レシピによってその性格や主義・主張が見え隠れする。これだという完成レシピはなく、採用枚数は好み、ということもあるのだが、自分が把握している「型」を再確認していく。

①黒単除去コントロール【参考レシピhttps://www.hareruyamtg.com/ja/deck/244947/show/】ほぼノンクリーチャーであり、除去で盤面を制圧しつつ、大量のドロースペルで供給し、土地を伸ばし、堕落/Corruptでフィニッシュする型。生物に頼ったり、カウンターが無かったりするデッキは長引くほど窮地に追いやられることになる。筆者はこのデッキとボーグルで当たったのだが、100枚くらい入っているエディクト除去になすすべもなくボコボコにされ、あわや出家、というところまで追い詰められた。生物系デッキ全般につよいため、メタゲームが偏るようであれば非常に魅力的な選択肢になる。

②黒単ランデス【参考レシピhttps://www.hareruyamtg.com/ja/deck/249283/show/】先ほどのとは打って変わって除去ではなく、土地破壊に寄せたデッキ。メタゲームが生物デッキではなく、コントロールが主流になった際に力を発揮するアーキタイプ。筆者はこのデッキにエルフであたったのだが、1ターン目マナクリにより土地破壊を全否定していったため、余裕ぶっこき丸となって勝ち星を収めてしまった。もちろんその日の夜の食卓は私のそのゲームの自慢話で持ち切りであった。土地破壊という戦略自体がすり抜けられなくもない脆さをもっているので選択には少し勇気がいると個人的には思うが、決まったときの気持ちよさは癖になる。黒愛好家は性格が悪いな。

③黒単ミッドレンジ【参考レシピhttps://www.mtggoldfish.com/archetype/pauper-monoblack-control-87107#paper】3つめの紹介となるが一番「黒単」で主流なのはこのタイプだと感じる。黒単信心というべきこのデッキは優秀な生物陣を除去やハンデスでバックアップするアーキタイプ。特に騒がしいネズミ/Chittering Ratsはタイムデストラクション要素であり、連打することができると相手の表情もコントロールできる。当然上記の①②の合いの子として振る舞うことができ、倒したい相手によって構成を変えることができるため、調整のし甲斐がある。テンポはあまりよくないところとライフを失う行動が多いのが弱点。

自分としては、このデッキは『ジェスカイ氷雪に先駆ける「プラス1」のミッドレンジ』【https://note.mu/akan_naoki/n/n9909afe842d4#oKRmB】であると常々おもっており、ジェスカイが死んだならと、好みのアーキタイプでもあり、弔いの意を籠めて、とこのタイプを使うことを決意した。

ちなみに自分は上記のnoteで黒単に触れた項のところでファイレクシアの憤怒鬼/Phyrexian Ragerを冷評する発言をしているのだが、その後の練習の中で、「除去されても損のない2/2」がうっとおしい存在として機能しているのを体験して、考えを改めた。黒単にとって除去は豊富にあり、ブロッカーは無に等しいので、2点クロックがじわじわと効いてくる。これは薄暮軍団の盲信者/Dusk Legion Zealot(悪くはないと思うのだが)にはややできない役割だ。(なんとクロック差は2倍!!!震えろ)

自レシピの変遷

トップにあるレシピは最終形であり、禁止前につくっていた形からは結構内容が変わっている。環境とメタ理解のための思考経過は今後に役立つこともあると思うので、残しておく。

monoblack元

一番最初に参考にしていたのが上記のレシピ。作成当時はクォムバッジの魔女/Cuombajj Witchesが高くて買えなかったので、ちょうど入ってないレシピでええやーん最高ゥってなった記憶がある。発掘/Unearthは1マナで有能な生物を戻せる手段で強く使えるときはあるのだが、能動的に打てないことが多く、だったらと夜の囁き/Night's Whisperと入れ替え。損ない/Unmakeも「除去多すぎワロタ」と思い、このデッキは土地が止まらない方がいいため土地21キッツッとなったので、よじれた嫌悪者/Twisted Abominationと入れ替え。ペスト(黒死病/Pestilence)で死ににくいしクロック大きいし魔女の小屋引っ張れるしすこ。サイドは精神ねじ切り/Wrench Mind好きだから増やした。あとはもう覚えてねえ。以下好きに変えた変更後↓

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手前味噌ではあるが、練習を通して対ジェスカイ氷雪で勝率のよいレシピであった。氷雪ジェスカイにはさばき・さばかれの消耗戦になるため、信心がたまらないことを見越してアスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodelは減らし、1:1交換でしかないクォムバッジは0にしている。代わりに夜の囁きを追加のドロースペルとし、アド差がつきすぎないようにし、雪崩し/Skredを使わせた後や1マナでカウンターをかいくぐる脅威として信頼のおけるグルマグのアンコウ/Gurmag Anglerを採用していた。除去量と攻め手はこちらのほうがおおいこととジェスカイ氷雪がテンポデッキではないことがこちらの弱点を緩和していたので、熟考漂い/Mulldrifter連打や儚い存在/Ephemerateによってアド差がかけ離れない限りは非常に強く立ち回れた。当時のジェスカイのサイドが黒単に有効なものが少ないことも追い風であった。

が、禁止改定を受け、ジェスカイが消えたとなると型を戻す必要があった。アンコウよりもシナジー寄せにし、エルフ・青単(・黒緑サクリファイス)などに有効で、信心を稼ぐクォムバッジを戻した。

また大会の実戦中のきづきで、魔女の小屋/Witch's Cottageを2枚に増量。実は1枚しか入れてないのに存在しない2枚目を探すためのサイクリングを行ってしまい「あれ~?2枚目ないっすねえ~?(汗」というお恥ずかしい一幕は墓まで持っていく予定だ。

もう秋田

大会結果

今回は2大会で使用した。

秋葉原レッツゴーパウパー

1R:びぇ

2R:親和 ○×○ 2G:1ランドキープしたったw

3R:黒単 ×○× 2ゲーム通してお相手が灰色商人めっちゃ引いてくるので悶絶。でもこの大会では俺はまだ2枚だったので、考え直すに至った。黒死病の使い方も上手だったので学びが増えた。

4R:黒緑アリストクラッツ ×× テンポ差とクォムバッジ取っていない(この大会ではまだ0)ことが裏目。ここでクォムバッジを採用することを決めた。相手の方もプレイの理解が深い方だったので、フリプもして頂き練習できて良かった。

5R:ジェスカイ ○○ 2Gは相手の方マナフラ

3-2.4-1以上する気持ちで来たので敗戦記録。

晴れる屋TC20時の部

1R:青黒コン ○○

2R:バーン ×× 構造上全然勝てませんでした・・・堕落の触手じゃだめだなってなった。

3R:青赤氷雪 ×○○ テンポ差が大きくて、深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hoursが生き残るように立ち回るのを阻止するのかなりきつくて相性よくないなって思った。

2-1.勝ちきれない。

今はまだメタが混沌としているが、いずれまた強いと目されるデッキが固まってくるそのときに環境に合わせてチューンナップして使えるデッキの一つなので、気分が黒くなったらまた使います。黒単は底が知れない。そこに人を魅了する何かがあるのだと感じた。楽しかった。


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