見出し画像

また生物部がやらかした!A-Levelを学ぶ編¦脂質1(生体分子#5)

A-Levelは、世界で最も一般的な高校~大学1年レベルの知識を問う国際資格で、海外大学の入学要件としても広く用いられています(詳しくはこちら)。
このマガジンでは、A-Level Biology(生物学)の内容を、ポイントを押さえながら分かりやすく日本語で説明しています。
英語でA-Levelを学ぶお供、社会人の学び直しなど、いろいろな用途で使うことができます。
途中からでも、最初からでも、ぜひ読んでくださいね!目次はこちら
もちろん、日本の高校生物・生物基礎の内容にも対応させています!

こんにちは!
皆さんは「あぶら」と聞いて何をイメージしますか?
あぶらには油と脂の2種類があって、前者は常温で液体状のもの、後者は常温で固体のものを指すんだとか!
あぶらは脂質や脂肪と言ったりもしますし、昔から人に身近な存在だったのが伺えますね。

これから2回にわたって、脂質について学んでいきます!


脂質とは?

さて、脂質は何からできているのでしょうか?
脂質はタンパク質や炭水化物 (糖類)とは異なり、モノマーからなる長い鎖でできているポリマーではありません。
脂質はどの種類であっても炭化水素(水素原子と炭素原子のみを含む分子)を含んでいます。
一方で、脂質の種類ごとに含まれる炭化水素やその他の成分が違っていて、この違いが脂質のはたらきの違いに関係しています。

水と油は基本的に混じり合わない。



脂質は大きく分けて2種類!

★トリグリセリド
トリグリセリドは、1分子のグリセロールに3つの脂肪酸が結合しています。
そして脂肪酸分子には炭化水素からなる長い「尾部」があります。
この尾は「疎水性」(水の分子をはじく性質)で、この尾のおかげで脂質は水に溶けないのです。

左側のグリセロールに3本の脂肪酸が付いている。ギザギザのところが疎水性を持つ部分。


★脂肪酸
脂肪酸はすべて同じ基本構造でできていますが、炭化水素の尾部の構造だけが異なります。
また、脂肪酸には、飽和と不飽和の2種類があって、炭化水素の尾部(R基:下図の青い部分以外の構造)に違いがあります。

  • 飽和脂肪酸は、炭素原子の間に二重結合がない。脂肪酸は水素で「飽和」している。

  • 不飽和脂肪酸は、炭素原子間に二重結合があり、これが鎖をよじらせる原因となっている。

上が飽和脂肪酸、下が不飽和脂肪酸。


また、不飽和脂肪酸には、二重結合の周りの構造の違いでシス型とトランス型と呼ばれる2種類があります。
シス(cis)では、水素原子(H)が炭素(C)間の二重結合をはさんで同じ側についています。
トランス(trans)では、水素原子が炭素間の二重結合をはさんでそれぞれ反対側についています。

左がシス型、右がトランス型。
エライジン酸
オレイン酸

オレイン酸(シス型)とエライジン酸(トランス型)は、同じ分子式ですが、構造的に異なるので、物質としての性質も全く異なります。



はい!
あれ?今日は短い??
ええ、次回が長いので、今回はこれで終わります!

今日の内容は、結構化学の内容とも重なっていますね!
二重結合や構造式について、、忘れている人がいたら、教科書を引っ張り出して復習してみてくださいね!^^

分からないところがあればすぐに調べて自分なりの答えを持っておく、、気持ちよく生きる秘訣の一つかも??
こういうのは瞬発力が大事だと、私は思っていますが、、!
ではでは~!











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?