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【トレーシングレポート#17】ジゴキシンの血中濃度測定を提案

トレーシングレポートによる処方提案を
やってみたい薬剤師のあなたへ

「この患者さん、ずっとジギタリス製剤を飲んでいるけど、 血中濃度を測っているのだろうか。血液検査の結果を見せてもらってもジゴキシンの項目は見当たらないし、患者さんに聞いてもいまいちはっきりしない。腎機能から判断すると用量は妥当だと思うし、ジギタリス中毒の症状も見られていないけど…」

ジギタリス製剤を服用中の患者さんに服薬指導をしている時、このように思うことはないでしょうか。

ジギタリス製剤は古い薬ですが、心機能の低下した頻脈性心房細動に対して今でも使用されることが多いです。ただし、欧州のガイドラインでも示されていますが第 2 選択薬としての使用となっています。 その理由は、安静時の心拍数減少効果は認めるものの運動時の減少効果は弱く、単独では予後に影響を及ぼさないという報告や、心房細動で長期使用すると死亡率が高くなるという報告があるためです。

しかし、心房細動をもつ慢性心不全患者に対しては脈拍数を調節しながら左室血液充満量を改善し、自覚症状の改善効果も期待できるため、現在も広く使用されています。

ジギタリス製剤は有効血中濃度が狭く、至適血中濃度が 0.5~1.5ng/mL(収縮不全ありの場合は0.5~0.9ng/mL)とされており、定期的に血中濃度を測定して薬剤量を調節する必要があります.血中濃度が 2.0ng/mLをこえるとジギタリス中毒(食欲不振、嘔気、嘔吐、視覚障害、頭痛、めまい、脱力、心室期外収縮、房室ブロックなどの症状)をふくむ副作用が発現しやすいとの報告があり、注意が必要です。

さらに、ジゴキシンとメチルジゴキシンは腎排泄型薬剤であるため、高齢者やCKD(慢性腎臓病)患者では血中濃度が上昇し、副作用リスクが高まるため、特に注意が必要となります。また、脱水や低カリウム血症などは急激に血中濃度を上昇させるため、利尿薬を服用している場合はリスクが高くなります。

このようにジギタリス製剤は適正な使用が求められる薬です。そのため、薬物治療を安全に実施するためにも、冒頭のような事例ではジゴキシンの血中濃度を確認したいと思うのではないでしょうか。

ところが、薬局でのジゴキシンの血中濃度の確認は、そう簡単にいかない場合が少なくありません。まず、患者さんから血液検査の結果を見せてもらう必要があります。そして、それをクリアしたとしても医療機関でジゴキシンの血中濃度を測定していないことがあります。特に、長期間服用している患者さんによくみられる傾向です。

このようなときは、医療機関に電話などで問い合わせるのもよいと思います。ジゴキシンの項目だけ別紙になっており、患者さんの手元に結果が渡っていないような場合もあります。しかし、たいていは「そのまま出してください」などと医師から返答があり、結局血中濃度は分からないままというケースが多いです。

こういった状況を解決してくれるのがトレーシングレポートです。トレーシングレポートは、緊急性は低いものの検討する価値のある提案を医師に伝えたい場合に、とてもよいツールです。

トレーシングレポートは、副作用・服用状況・残薬・他医療機関の併用薬などを医師に伝えるために使用される機会が多いですが、それだけの用途にとどめておくのはもったいないです。検査依頼や処方提案など、さらに薬物治療に踏み込んだ使い方もできます。

ただ、慣れないうちはなかなか書いてみようという気にならないのも分かります。トレーシングレポートは、特に最初の 1 歩を踏み出すのがとても難しいと思います。実際、わたしもそうでした。


そこで、

具体的な内容のため有料となりますが、
「服薬指導時の会話」および「それを基に作成したトレーシングレポート」
を 680 円で販売します (特定の患者さんの医療情報ではなく、典型的なモデルケース)。

また、

【返金申請を受け付けます】
ぜひ、トレーシングレポートを使って提案ができることを実感していただきたいです。まったく参考にならなかったという場合は返金しますので、最初の一歩を踏み出せないというあなたは、一度試してみてください。

この対応が、どの患者さんにでも当てはまるというわけではありません。

今までに 300 件以上トレーシングレポートによる処方提案を実施し、その 80% 以上が採用となった経験を、あなたと共有したいと思っています。

以下が有料部分についての概要です。



【処方および提案内容など】
70代 男性 

1.メチルジゴキシン錠0.1mg 0.75 錠
 1 日 1 回 朝食後 28日分

2.エナラプリルマレイン酸塩錠2.5mg 1 錠
 1 日 1 回 朝食後 28日分

3.ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg 1 錠
 1 日 1 回 朝食後 28日分

4.スピロノラクトンOD錠25mg 0.5 錠
 1 日 1 回 朝食後 28日分

5.エドキサバンOD錠30mg 1 錠
 1 回 1 回 朝食後 28日分


・現病歴:非弁膜症性心房細動、うっ血性心不全
   
 

・併用薬:なし


・肝機能障害:なし


・腎機能:体表面積未補正eGFR 42 mL/分


・喫煙および飲酒:なし



・体重:55kg


・処方提案の内容 :ジゴキシンの血中濃度の測定


・提案結果 : 医療機関にてジゴキシンの血中濃度測定を実施。


・その後の経過 :定期的にジゴキシンの血中濃度を測定するようになった。



【参考文献】
2020年改訂版 不整脈薬物治療ガイドライン,2020
日本循環器学会、日本不整脈心電学会

腎機能低下時に最も注意が必要な薬剤投与量一覧 2022 年 4 月 1 日改訂版 35 版
日本腎臓病薬物療法学会


【特徴】
・薬剤師と患者さんのやりとりを会話形式で記載

・上記を基に作成したトレーシングレポート


【対象】
・トレーシングレポートを使って処方提案をしてみたいとは思うものの行動を起こせずにいる方

・トレーシングレポートの文章が書けずに困っている方

・患者さんから情報を聞き出すことや、医師への情報提供にあたっての同意をとることに難しさを感じている方


【対象外】
・疑義照会で十分な処方提案ができると確信している方

・患者さんから欲しい情報を難なく情報収集できる方

・医師に向けて文章を書くことに難しさを感じていない方



最後に

「じつは、できたら確認したい検査項目があるんだけど、どうやって医師に相談したらよいか分からない。絶対確認しないといけないものは疑義照会するんだけど…」

そんなあなたに、トレーシングレポートをオススメします。

トレーシングレポートを使えるようになったあなたは、患者さんにとっても医師にとっても今までよりさらに頼もしい存在となり、薬剤師・患者さん・医師の連携が一変します。それは、患者さんが受ける医療の質が向上することに繋がるのです。

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