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【トレーシングレポート#18】ピルシカイニドの中止を提案

トレーシングレポートによる処方提案を
やってみたい薬剤師のあなたへ

「このピルシカイニド、何年も前に脈がとぶからという理由で飲みはじめたものの、それ以降は自覚症状がないようす。腎機能から判断すると用法用量に問題があるわけではないけれど、このまま飲み続けてもいいのかな…」

抗不整脈薬のピルシカイニドを服用している患者さんに服薬指導をしているとき、このように考えることがあると思います。

Vaughan Williams 分類 における Ⅰ 群薬は、不整脈としては軽症であっても、自覚症状の強い期外収縮と上室性不整脈に処方されるケースが多いです。

ピルシカイニドには、催不整脈作用、精神神経系(めまい、ふらつき、頭痛)および消化器系(食欲不振、嘔吐、胃痛、下痢)の副作用が知られています。また、左室機能を抑制する作用があり、主要消失経路が腎であるため(尿中未変化体排泄率 75 ~ 86%)、心機能や腎機能に障害のある患者さんでは副作用の発現リスクが高くなります。

このように、ピルシカイニドは強力な作用を持っている一方で重篤な副作用があり安全域も狭いため、血中濃度モニタリングの保険適用になっています。

しかし、食事がとれなくなって脱水になると、腎機能が急激に悪化して電解質バランスが崩れ、血中濃度が急上昇することがあるため、普段血中濃度モニタリングを実施していても注意は必要です。特に、生理機能が低下していることが多い高齢者に対しては、いっそうの注意が求められます。

以上より、不整脈を抑制しなければならない基礎心疾患がなく自覚症状もないケースでは、ピルシカイニドの服用メリットは懐疑的です。服薬のメリットとデメリットのバランスが、悪いと言えるかもしれません。

では冒頭のようなケースの場合、あなたなら疑義照会をするでしょうか?それとも、患者さんに副作用や生活上の注意点について指導してようすをみるでしょうか?

ただ、せっかく疑義照会をしても、このような事例では緊急性が低いため「そのままで」と医師から返事がある場合が多いと思います。また、患者さんに指導するだけでは、あなたのアセスメントは医師に伝わりません。

こんな時に活躍するのがトレーシングレポートです。

トレーシングレポートは、緊急性は低いものの薬剤師としてのアセスメントを医師に知って欲しい、というケースでとても有効です。

(患者さんが次回の診察を受ける前に)医師が薬剤師のアセスメントを把握→診察→処方箋の作成、という流れになるので、患者さんが受ける医療に、いまよりずっと薬学を活かすことができるのです。トレーシングレポートを日常的に使うと、薬剤師・患者・医師の関係が深くなっていきます。とても自然な医薬連携の強化であり、患者さんの医療の質を高めることに繋がります。

ぜひ、トレーシングレポートであなたのアセスメントを医師に届けてください。患者さんにも医師にも、きっと喜んでもらえるはずです。

とはいえ、はじめてトレーシングレポートによる処方提案をする時には、どうやって患者さんに話をしたらよいのか、どんな文章を書いたらよいのか、不安になると思います。わたしもそうでした。

そこで、

少数の方に向けた具体的な内容のため有料となりますが、
「服薬指導時の会話」および「それを基に作成したトレーシングレポート」
を 680 円で販売します (特定の患者さんの医療情報ではなく、典型的なモデルケース)。

そして、

【返金申請を受け付けます】
ぜひトレーシングレポートを使って処方提案ができるということを実感していただきたいと思っています。まったく参考にならなかったという場合は返金しますので、最初の一歩を踏み出せないという方は、一度試してみてください。


この内容が正解というわけではありません。今まで 300 件以上のトレーシングレポートによる処方提案を実施し、80% 以上が採用になった経験をあなたと一緒に分かち合えたらと思っています。

ちょっと話を聞いてみたいな、と思われる方は購入をご検討ください。



以下が有料部分についての概要です。




【処方および提案内容など】
70代 男性 

1.ピルシカイニドカプセル50mg 1cap(1 回 1 cap) 
1 日 1 回 朝食後 28日分

2.バルサルタン錠40mg 1錠 (1 回 1 錠) 
1 日 1 回 朝食後 28日分


・現病歴:頻脈性不整脈(期外収縮)、高血圧症

・併用薬:なし

・アルコール、カフェイン:なし、緑茶2杯/日


・肝機能障害:なし

・腎機能:体表面積未補正eGFR 48.5 mL/min


・処方提案の内容 :ピルシカイニドカプセル50mgの中止


・提案結果 : 上記のとおり変更

・その後の経過 : 中止後も自覚症状なし


【参考文献】
日本循環器学会 / 日本不整脈心電学会合同ガイドライン:2020 年改訂版 不整脈薬物治療ガイドライン

腎機能低下時に最も注意が必要な薬剤投与量一覧(2020 年改訂 35 版)
一般社団法人日本腎臓病薬物療法学会


【特徴】
・薬剤師と患者さんのやりとりを会話形式で記載

・上記を基に作成したトレーシングレポート


【対象】
・トレーシングレポートを使って処方提案をしてみたいとは思うものの行動を起こせずにいる方

・トレーシングレポートの文章が書けずに困っている方

・患者さんから情報を聞き出すことや、医師への情報提供にあたっての同意をとることに難しさを感じている方


【対象外】
・疑義照会で十分な処方提案ができると確信している方

・患者さんから欲しい情報を難なく情報収集できる方

・医師に向けて文章を書くことに難しさを感じていない方


最後に、

「漫然投与になっている薬剤を見直したほうがいいのは分かっているんだけど、いったいどうやったらいいのか…疑義照会だと怒られそうだし…」

そんなあなたに、トレーシングレポートをオススメします。

トレーシングレポートを日常業務であたりまえのように使うようになると、もうそれなしではいられなくなります。それくらい、トレーシングレポートによる処方提案は患者さんや医師にとって有用なのです。そして何より、薬剤師としての仕事の幅が広がるため、誤解を恐れずに言えば仕事がとても楽しくなります。

ぜひ、購入をご検討ください。


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