念願の社内SEに転職した人の苦悩

 社内やグループ会社のシステムの運用を担う社内SE(システムエンジニア)という職種。ある派遣技術者として働いていたエンジニアが「念願」だった社内SEに転職したところ、あまりに仕事がつまらなく、人間関係も面倒くさくて後悔しているとネット上に投稿し、一部で話題を呼んでいた。社内SEとはどのような仕事内容なのか、また、どのようなスキルが身に付き、どのようなタイプのエンジニアが向いているのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。
 その投稿主によれば、安定的な生活を夢見て社内SEに転職したものの、コーディングする機会はなく会議ばかりで、コミュニケーション能力がないにもかかわらずコミュ能力ばかり求められ、残業がないため手取り収入も少なく、人間関係も煩わしいと吐露。「技術派遣のほうが気楽で楽しかった」と後悔しているが、これに対し以下のような反応が寄せられている。

ビジネスジャーナル

気持ちは痛いほどわかる。社内SEは、ITの技術力よりも「社内政治」が圧倒的に重要だ。部長のお気に入りのベンダーを優遇したり、現場のユーザーにごまをすったり。

また、中堅以下の規模の場合、十分なヘルプデスクがおらず、社内SEに何でも要求するユーザーが多い。ある意味、同じ社内に「カスタマーハラスメント」をする輩がいるともいえる。Googleで調べたら一瞬でわかることでも平気で聞いてくる。

一方で、では巨大企業が良いのかと言えば、そうでもない。巨大企業の場合は、資金が豊富にあるので、ベンダーにほとんどの仕事を「丸投げ」する手配師のような仕事になってしまう。そのため、自分では技術も戦略も何も考えられない社員も多かったりする。そんな同僚に染まってしまうと、市場での価値はゼロだろう。

IT系コンサルティングファームやSIerと比較して、おそらく労働時間は半分くらいだ。IT系コンサルティングファームはそれこそ命を削って働くが、社内SEはワークライフバランスが担保されている。その代償として、仕事のやりがいが犠牲になっている側面はあるだろう。

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