中国の安売り(デフレ輸出)に、関税や補助金で対抗するのも選択肢

中国は、EVを戦略的な分野として多額の補助金を出している。そのため、中国のBYDなどは低価格でEVを販売している。さすがのテスラも低価格には勝てず、販売台数で逆転されてしまった。

また、中国は不動産バブルが崩壊したため、鉄などの金属や、その他住宅に関連する製品を外国向けに輸出することで生き延びようとする企業がある。今まで中国の不動産セクターは異常な成長であったため、完全に国内需要を上回る供給能力になっているのだ。

そのため、トランプ氏は大統領時代、一部品目で関税を引き上げた。また、バイデン氏も、トランプ氏の政策を一部は継承して、保護主義的である。これは、トランプ氏のやり方をやめると、労働者票が次の大統領選挙でトランプ氏に奪われてしまうからだ。

日本も、TSMC誘致など、保護主義や経済安保を重視しているが、アメリカ並みにやることは不可能としても、アンチダンピングくらいはやるべきだ。アメリカとは国力の差があるので、アメリカと同じレベルでやると中国との間で経済戦争のようになり、苦しい戦いになる。部分的にアメリカの政策を模倣することしかできないとは思うが、海外からのデフレ圧力にもガードをかけるべきだ。

もちろん、今は円安で輸入インフレなので、「むしろ安く買えてラッキーでは?」という業界もあるだろう。中国からの輸入品が「部品、原材料」の場合は、確かにそうだ。しかし、最終製品として中国からの輸入品と競合する会社は苦しい。

このあたりのマクロな分析は、さすがにプロではないのでわからないが、経済産業省や政治家には頑張ってもらいたい。

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