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鷹之眼報道局小噺(1)「子供さらいジジイの話」

・ご挨拶

お世話になっております。アカマルでございます。
今回は、私の若かりし頃(35年ほど前)に私の近所で囁かれていた噂話についてひとつ語らせて頂こうと思います。

・本題の前に

これからお話しする内容は、所謂「都市伝説」に近い噂の話です。
かなり昔の話でございますので、ところどころ記憶違いやはっきりしない箇所がある場合がございます。更に、若干のホラー要素を含みますので、苦手な方は見ない事をお勧め致します。
上記をご理解の上、次へ読み進めて頂けますよう宜しくお願い致します。

・小噺本編(1)「若かりし頃の話」

それでは本題へ。
この話は、私がまだ小学校へ入学する前の話です。
当時の私は、近所の友達と一緒になって人の少ない広場や田舎道で夕暮れ時まで遊び回るという、いわば「悪ガキ」や「やんちゃ坊主」という類の子供でございました。

その当時は田舎住まいでして、私の近所には田んぼや畑、森、古いトンネル、鰻の養殖場などが多くありました。
日が経つにつれて徐々に寂れていき、農地も養殖場も土地は埋め立てられ、気付けば道は整備され、今ではメガソーラー発電所などという物に置き換わってしまいましたが。

話を戻しましょう。
その当時、私も含めた子供たちを震え上がらせていた存在がいました。
それが「子供さらいジジイ」でした。と言っても色々な「通り名」があったようですが、私の周囲ではこう呼ばれていました。

・小噺本編(2)「ジジイとは」

話を全て記憶しているわけではないので、あくまでも覚えている範囲の話になりますが、「子供さらいジジイ」とはどんな存在だったのでしょうか。

まず初めに、見た目は80代~90代くらいの細身の男性なのだそうです。これが「ジジイ」と呼ばれる所以なのかと思います。
次に、それなりに大きい規模の田んぼや養殖場等の土地を持っていたようです。この辺りは記憶がはっきりしませんで申し訳ないです。
ここまで話をした感じでは、ただの地主の爺様という程度でしょう。
子供たちを恐怖に陥れる存在となるのはここからです。

「子供さらいジジイ」は、夕暮れ時から早めの夜に現れ、遅くまで遊んで家に帰らない子供たちを攫っていくそうです。概ね名前の通りですね。
そして、攫って行った子供たちを田んぼに埋めて肥料にしたり、人間を粉砕する機械に放り込んでから鰻の餌にするらしいのです。怖いですね。
極めつけは、農地だろうが田舎道だろうがお構いなしに軽トラを飛ばし、逃げる子供たちに運転席から長い手を伸ばすのだそうです。ここだけ無駄にリアリティめいた雰囲気がありますよね。
そしてどういうわけか、夜でも大人が一緒にいると「ジジイ」は現れない、もしくは現れても素通りをしていくのだそうです。子供の頃は疑いもしませんでしたが、今考えると謎ですね。

粉砕されて鰻の餌になってしまった場合は分かりませんが、畑の肥やしになってしまったのなら人骨くらいは残っていそうですが、果たして真相はどうなのでしょうか。それもまた「子供さらいジジイ」のみぞ知る、という事ですね。実は今もまだ、メガソーラー発電所にする為に埋め立てられた土地の下に…等という事も、もしかしたらあり得るのかもしれませんよ。

・最後に

…という、言わば「遅くまで遊んでないで、暗くならないうちに帰ってきなさい」という親心から生まれた都市伝説めいた話だったのですが、如何でしたでしょうか。
皆様の中にもきっと、このような「怖い存在」がいると教えられ、夜は外に出られないという純粋な心を持っていた時期があったという方もおられるのではないでしょうか。
ぜひ皆様の知っているお話しも聞かせて頂ければ幸いでございます。

それではまた次の記事でお会い致しましょう。

鷹之眼報道局 アカマル

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