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鷹之眼報道局コラム(2)「これからVTuberを始める人の為に大事な事」

・ご挨拶

お世話になっております。アカマルでございます。
今回は、ここ暫くの炎上事件を見てきた私から、これからVTuberを始めようという方に宛てて気を付けておくべき事を残しておこうと思います。
この記事が絶対の正解という訳ではありませんが、今後活動をするにあたってひとつの参考として頂ければ幸いでございます。

・本題の前に

本記事は、あくまでも「配信活動が正しく、そして長く続けられるように」と考えて執筆しています。ですが、私自身はYoutuber等の配信者ではありませんので、本記事は所謂「配信者とはかくあるべき」やら「こうすれば視聴者が増える、もしくは再生回数が伸びる」といった助言をする為の記事ではありません。そういった助言を必要とするのでしたら、他の記事を検索する事をお勧め致します。
上記をご理解の上、次へ読み進めて頂けますよう宜しくお願い致します。

・その1:権利関係

VTuberとして配信活動をするにあたって、一番気に掛けなければならない事とは、やはり著作権等の版権・権利関係だと思います。
著作権とは、ありとあらゆる著作物にあります。言うまでも無い話ですが、ゲームや漫画、アニメ、楽曲はもとより、無料で使用可能とされている「フリー素材」にも著作権は存在します。
この著作権、版権周りについて、分かっているようで実は分かっていない人が非常に多いのです。

著作権侵害は親告罪(権利保持者が通報しなければ罪に問われない)です。が、それは「他の人がみんなやっているから、私もやっていい」という事には絶対になりません。それを版権元に気付かれ、あなたが罰せられても文句は言えません。それが著作権侵害というものです。そしてそれはTwitterでもYoutubeでも他のSNSや配信サイトでも同様です。

まずは画像・映像の著作権について。
皆様はTwitterにて、相手への返信に画像で返信する「画像リプ」と呼ばれるものを見たことがありますでしょうか?画像リプは、例えばVTuberとしての自分のキャラクターモデルを掲載するだけなら問題は無いかもしれません。ですが、漫画の一部やアニメの字幕付きシーン等を貼り付ける事は著作権の侵害に当たる場合があります。
同様に、配信サイトにて配信を行う際、著作者に無断で漫画やアニメのシーンを切り抜き貼り付ける事も著作権の侵害となります。又、他人が配信したアーカイブについても、自分のチャンネルで勝手に流す事は禁止されています。
例えば、あなたが自分のチャンネルで行った配信のデータをあなたに無断で抜かれ、他人のSNSやチャンネルで勝手に流されたとき、あなたはその行為についてどう思いますか?あなたは相手を許せますか?許せると思った方、もし他人の配信であなたの配信内容に酷い悪評が立てられても許せますか?
多少の語弊があるかもしれませんが、親告罪とは言い換えれば著作権者によって「見逃して頂いている」状態です。著作権者の気持ち一つで通報出来てしまう事は留意しておきましょう。

次に多いのは「ゲーム」の版権について。
配信者としてチャンネルを持つと、多くの方々が何かしらのゲームをプレイする機会があるかと存じます。ですが、こちらも配信の許可が出ているゲームとそうでないゲーム、中には「エンディングや特別なイベントなど、一部配信禁止箇所がある」というものも存在します。
制作会社としては、特にネタバレを忌避している事が多いです。ゲームの売り上げは制作会社の利益に直結しますので、ネタバレによる購買意欲の低下を避けたいのが本音なのでしょう。
反面、許可が出ているゲームは販売促進活動として捉えられている場合もあります。私の体感ではありますが、特にストーリーが存在せず、且つマルチプレイでの協力やバトルロイヤルがメインのゲームはこちらが多いような気がします。
こういった情報は制作会社の規約、もしくはゲームの公式ページにて記載されている場合がありますので、購入の際には確認する癖を付けた方が良いかと存じます。

最近の傾向では「アニメやドラマの同時視聴」「歌ってみた」等の配信が人気があるようです。同時視聴については、配信自体に版権映像を流さなければ問題は無いと思います。歌ってみたについては、楽曲の権利元の許可が出ていれば同じく問題は無いと思います。Youtubeやニコニコ動画等、一部の配信サイトではJASRAC(音楽の版権を取り扱っている法人)と利用許諾契約を締結しているようですので、楽曲によっては特段の手続きを必要としない場合もありますが、詳細についてまでは存じ上げませんので、他に詳しい方へ聞いてみると良いでしょう。
又、TwitterはJASRACとの利用許諾契約を締結していませんので、楽曲データを添付してツイートする場合は注意が必要です。

権利関係の話の締めとして、「フリー素材」の話をさせて頂きましょう。
Twitterを眺めていると、「おはようVTuber」や「おやすみVTuber」、「配信中」「参加型」「雑談」等、様々な用途に合わせてロゴマークを作り、サムネイル作成等で自由に使用して良いとして配布しているクリエイターの方々を見かける事があります。
ですが気を付けて下さい。「フリー素材」は「著作権を放棄した素材」ではありません。あくまでも、著作権は作成者に帰属します。むしろ「著作権を放棄して改変も再配布もご自由にどうぞ」としている素材の方が少ないかと存じます。
もしも誰かが著作者の想定や意向を無視して著作物を使った事が判明した場合、法律云々もそうですが、著作者のモチベーションにも関わります。「こんな使われ方をするはずではなかった」と、筆を折ってしまう事態にもなりかねません。そうなれば「フリー素材」は減り、結果として困るのは配信者なのです。因果とはこうして巡るのだと覚えておきましょう。

版権とは面倒なものです。どうしても「著作権を気にせず使用したい」と言うのであれば、一切他人に頼らず自分で全て制作する力をつけましょう。あなたの制作物であればあなたに著作権があります。

・その2:他人を不快にさせない

と、言われても「そんな事は当たり前」と言う方がほとんどでしょう。ですが残念ながら、世間とはその「当たり前」が出来なくなってしまう状況に陥ってしまう場合があるのです。

まず、相手が何をもって不快とするか、相手の趣味嗜好から考え方まで、全ては十人十色です。人には人の価値観がございます。何をしても肯定してくれる人間もいれば、何をしても否定してくる人間もいます。世の全てにおいて「万人受け」するのは不可能です。
その上で、敢えてこの言葉を目次として掲載しました。

長く活動を続けていれば、嫌でも自分に反対する人物、所謂「アンチ」が現れるでしょう。それはあなたの活動内容や趣味、思想、果てには過去の経歴まで、如何に些細な事であったとしても、ありとあらゆるものに難癖をつけるものです。
これは言わば「災害」であり、配信者として発生そのものを完全に止める事はとても難しいです。そして、これに対して過剰な反応をしてしまう事によって、既存のリスナーも離れてしまう事が危惧されます。

ではどうするべきか。
Youtubeには「タイムアウト」「ブロック」「NGワード」等といった機能が備わっています。自分の配信内容にそぐわない発言を見つけたら、過剰に相手をせずこれらの手段を用いて「見なかった事にする」のが最善でしょう。
又、ゲームプレイ中やコラボ配信等、配信内容によってはリアルタイムで対応することが難しい場合があります。その時の為に、自分の配信をよく視聴してくれるリスナーの中から「モデレーター」を選出するのが良いかと存じます。
モデレーターとは、配信主(自分)の代わりに不適切なチャット投稿に対応できる権限の事です。但し、これを多用しすぎる事もまた別の問題に発展しかねない為、自分の目でリスナーの個性や性格を把握し、自分が「この人なら間違いなく権限を任せられる」と自信をもって言える人物にのみ権限を付与するようにすると良いかもしれません。

・その3:リスナーとの距離感

上の目次にてモデレーター権限について話したので、続けてリスナーとの距離感についても触れておきます。

まず、自分がリスナーに対して「どのくらいの距離を保ってほしいか」という事をはっきりとさせておくと良いかもしれません。
と言うのも、配信者活動をしていると、ファンの中には「ガチ恋」という言葉を使い始める方がいます。読んで字の如く「本気で恋する」という意味のようです。

ガチ恋されると何が良くて何が悪いのか。
配信者とリスナーとは、基本的に「モニター越しの関係」になります。例えば、こちら側で配信をしている内容をあちら側で楽しむ、というのが一般的になります。
これが、ガチ恋という感情によってモニターという距離を超えて接触を試みようとする事態に発展する場合があります。配信者のスタイルによっては、下手をすればアンチよりも怖いものになる事もあり得ます。

具体的に申しましょう。
配信者とリスナーという関係からガチ恋に変わった場合、リスナー側も配信者にもっと認知されたくてアピールする事も増えるでしょう。投稿へのリプライが増える、配信にチャットやコメントを残す頻度が増える程度で収まれば有難いものでしょう。
ですが例えば、amazonの欲しいものリストを公開している場合はプレゼントと称して高額な物が贈られてくる場合もあるでしょう。Twitterでは投稿へのリプライ以外にも個人的なDMが送られたり、LINEやDiscordのような連絡手段を欲しがる場合もあるでしょう。中には「同担拒否」という、同じ推しを持つ相手を嫌う人間もいるそうです。リスナー同志の諍い、或いはガチ恋をこじらせて「反転アンチ」に変わってしまう例も実際に存在します。

ここで私は問います。あなたはその重い想いに耐えられますか?

耐えられると回答できる方については私は何も申しません。それがあなたの配信スタンスです。
ですがもし、相手の「ガチ恋」の重みにあなたが耐えられない場合、心苦しいとは思いますがその事を早めに伝えてあげることもまた慈悲なのではないかと思います。

・その4:リスナーの統率

リスナー関係でもうひとつお伝えしておきましょう。それは「リスナーの民度」です。

例を出しましょう。ある日、あなたの配信に一人のアンチが現れました。その人物は配信でネガティブな言葉を書き込んだ為にブロックされた事を根に持ち、Twitter上であなたの配信に対してネガティブな感想を多数投稿しています。それを見たあなたのファンの数名が、一人のアンチに対して過剰な反論を始めました。

ここで私は問います。あなたはこの事態についてどう思いますか?

ちなみに、この問いには正解は存在しません。
故に「いいぞもっとやれ!」と思った方が間違っているとは申しません。

ですが、それを見た周囲の「不特定多数の中立」の方々は何を思うでしょうか?あなたのリスナーという看板、例えば推しマークや推しアイコンをつけた人々が暴れ回っているのを、何も知らない人間が見たらどう感じるでしょうか?
リスナーの行動は、そのまま配信者の評判になり得ます。止めるべき時は止める。相手が絶対悪だからといって暴力的な行動を見過ごす事は、あなたの評判を間違いなく落とす結果となるでしょう。

・その5:配信者仲間を知る

人間関係の話の繋がりとして、今度は「同じ配信者」についての話を。

バーチャルの世界では「2021年10月時点で16000人」ものVTuberがデビューしているそうです。これ以降の詳細な数字が見つかりませんでしたが、もしかしたら2022年の年末には2万人を超えている可能性もありますね。

VTuberの良いところは「活動内容次第では誰でも始められる」ところではないかと思います。一応区分の上では「Youtuber」の一部であるという認識が強くあるらしいのですが、Youtubeだけでなくニコニコ動画やTwitch、更にはここ数年でReality、IRIAM、ミラティブ、SHOWROOM等といった配信用プラットフォームが多く作られ、様々な場所で色々な配信が見られるようになりました。
一般のYoutuberと違う点は「顔出しをせず、アバターモデルを自分に見立てて配信を行う」というところでしょう。一部の例外を除いて、ですが。
そして、どのプラットフォームを使っているVTuberの方々も、その多くは配信の宣伝等にInstagramやTwitter等を使っているようです。

そんな「VTuber界隈」ですが、あなたは何人くらい同業の配信者を知っていますか?

有名な配信者、よくバズる投稿をする配信者、クリエイター兼配信者の方々については特に意識をしなくても見かける機会は多いと思います。ですが何事にも「下積み時代」とは存在するものでして、個人で活動を始めるVTuberの方は「配信活動自体初めて」という場合が多いのではないでしょうか。
横の繋がりのきっかけとしてはSNSの投稿やハッシュタグ、気になる配信をしている相手を見に行ったらお互いに気が合った等、様々なものがあるでしょう。又、活動内容によっては、活動開始時期や趣味嗜好の近い配信者同士で「コラボ配信」をしたり、或いは意気投合した配信者仲間で「VTuberグループ」などを作る場合もあるでしょう。

ここで私は問います。その相手は本当に大丈夫ですか?

私がバーチャルという世界を知ったのは2018年12月頃、当時まだ「企業勢」という概念がなく、今では大手や中堅のVTuberとなった方々のデビューも全てではありませんが幾らか覚えております。
爆発的に人数を増やしたVTuberですが、人数が増えれば増えるほど、当然ながら問題も増えます。VTuber同士の喧嘩だけでなく、VTuberと企業やクリエイター間の色々な問題を見てきました。
覚えている限りを連ねるならば「発注したガワの修正を依頼したらクリエイターに貶された」「配信者に対して何のサポートもしない企業が、成績の振るわない配信者を一方的に解雇した」「アイコンやヘッダー、配信画面の背景画像制作に対する料金の未払い」「VTuber同士のガチ恋片思い拗らせ事件」「企業勢配信者と企業の認識不一致、或いは信頼の不足によるお気持ち表明引退」等々、挙げていけばキリがない程度には色々諍いがありました。

VTuberとは「容易に転生が出来る」配信者です。一身上の都合から、問題や事件を引き起こした等、様々な理由で引退したVTuberが「転生」という形で再度VTuberになる事は珍しくありません。

重ねて問います。そのVTuberは、かつて問題を起こした「本人」または「転生者」ではありませんか?

幾らVTuberとして転生を試みようとも、人間の持っている本質とは変わらないものです。傲慢な人間は転生しても傲慢に、暴言を吐く人間は転生しても暴言を繰り返すものです。あなたは、あなたの知らないうちに悪事に加担させられていませんか?或いは、悪評のある「転生者」と一緒にいる事で、あなた自身にも悪評が伝染していませんか?

昔から「付き合う人間は選べ」と言われてきたものです。
そして、人間は「自分に都合の悪い情報は意図的に伏せる」生き物です。
何が本当で何が嘘か。相手は本当にあなたにとって無害な人間なのか。あなた自身の目で確認してから縁を持つのが宜しいでしょう。

尚、気付かずに縁を持った相手が実は問題児だった事が後に発覚した場合、速やかに縁を切る事を強くお勧め致します。繰り返しますが、人間の本質とはそう簡単に変わりません。そして変えられません。あなたに被害が及ぶ前に、問題行動を起こす人間からは離れる事をお勧め致します。

・最後に

今回のコラムはこれにて終了です。如何でございましたでしょうか。
冒頭でも触れましたが、本記事は「配信者として伸びる事ではなく、正しく長く活動が続けられる事」を主軸に執筆を致しました。
本記事を読んで頂いた皆様が無用な諍いに巻き込まれる事なく、楽しい配信活動が続けられる事をお祈りさせて頂き、本記事の締めとさせて頂きます。

それではまた次の記事でお会い致しましょう。

鷹之眼報道局 アカマル

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