Roselia 「Farbe」 / ライブレポート
前書き。
2023年9月16日、17日に開催されたFarbeに参加したレポート、というより感想文です。当方は1日目に現地で観覧し、2日目は都合により途中からLVで鑑賞しました。そのため、文量と熱量は1日目に偏っていると思われます。
1.大まかな感想
単刀直入に、素晴らしいライブだった。コロナ以後のRoseliaと比較しても、最も見応えがあった。照明やトロッコなど舞台演出面、文脈を捉えているセットリスト、素朴さ故にメンバーの関係性や個性を見ることのできる幕間映像、すべての側面から気概が感じられた。
その中でも特徴的だったのが、ステージ設計だった。今回のライブは以前とは異なり、プレミアムシートの仕様が変更されたため、メインステージも左右に広く作られていて開放感がある良いステージ設計だったと感じた。
長年Roseliaのライブに足繁く通い、コロナ禍においてもなんとかして単独ライブには参加し、それらの思い出が今回のライブを通して昇華された。そして、それらを全て包括する一逢のFull Gloryは、やはり素晴らしい楽曲であると再認識した。
2.1日目をセットリスト順に振り返る
2.1 BLACK SHOUT
ライブタイトルの"彩り"とは対照的に、モノクロの映像と、白い照明を用いた演出から始まった。一般的にモノクロとは、モノクロ映画が代表されるように、過去を想起させる。バックスクリーンに過去のライブ映像が映し出されていた。唯一文句を付けるとすれば、観客のペンライトがカラフルなことによって、モノクロの演出が活かしきれていなかった点だろうか。
何かとTHE HISTORIC…と一緒に語られているこの曲ですが、Sonnenscheinの一曲目がヒストリックだったことからも少し影響を受けているのではないでしょうか。
2.2 R
ベースとドラム、リズム隊のインスト演奏から、Rへと繋がった。ベースとドラムのみと、言葉にすると素っ気ない印象を受けるかもしれないが、実際はそんなことは全くない。中島由貴さんの、可愛らしいルックスとは裏腹な、繊細で躍動感のある演奏姿勢の魅力が遺憾無く発揮されていた。
個人的にRはライブの2曲目によく似合うと思っていて、7thライブ武道館・Flamme&Wasser・Rausch・The beginningにて2曲目として組み込まれているのだが、特に7thライブHitzeを勝手に想起していた。
2.3 THRONE OF ROSE
初披露でした。セトリのこの位置に、サラッと組み込まれていて、ある意味で新曲贔屓が少なかったのが、今になって思い返すと、良かったと感じる。正直この曲に関しては特に語ることがないです。歌うのが大変そうだった。そういえば工藤晴香さんのギターが上達していて驚きました。
MC1
白金燐子 cv志崎樺音さんが衣装紹介にて、「まあ見ればわかります。」と言っていたのがツボでした。コール&レスポンスの時のアリーナ席の熱気が凄まじくてビビった。
2.4 ROZEN HORIZON
ギターインストパートから曲に繋がる構成。ここでも工藤晴香さんのギターの上達が感じられた。インストパートの組み立て方として、鳴らしたパワーコードにディレイを掛け、それを下地に単音弾きを重ねているのが斬新で印象的だった。単音弾きの音も、以前より音が粒立って聞こえるようになった様な気がする、これは音作りが要因かもしれないけど。
僕今までローゼン苦手で、その理由が曲の強さのわりにセトリの重要な位置を任されすぎていると感じていて、Fire birdの系譜として新たなRoseliaを提示するという文脈のみでそれを担保しているのが気に食わなかったのですが、今回セトリ的にもそこまで負担のない位置に置かれていて、曲は長いけどアウトロの力強さがその後の曲を引き立てる様に作用していて、そこそこ良かった。
2.5 "UNIONS" road
後のMCでも触れられていたように、この曲は名古屋で開催されたEdelsteinで初披露されており、当時は声出しが制限されいる環境で、間奏パートの指の振りが考案されて、観客が一体となった様子を見て感動していた相羽あいなさんの泣き顔が忘れられない曲。Edelsteinには二日目に現地参加していたのですが、それから2年弱が経過し、遂に完全体としての曲を聞けたことに感動した。
幕間映像(前半)
幕間映像が普段より尺が短く、スッキリとまとまっていたのが良かった。別に、以前のライブでも幕間映像の長さに疑問を感じることは特に無かったが、今回くらいの長さでも良いと思う。
映像の中身は、最近の幕間映像と比べても段違いの面白さだった。「Roseliaの夏休み」というコンセプトと、ビリ争いの要素を薄めて、メンバー同士の絡みで生まれる楽しさの要素を強くしていたのが功を奏していた。よくアイドルバラエティを見ていて、何でもかんでも対決構造に落とし込んで、勝負以外の部分で発生するシナジーを完全に無視するような番組があるのだが、それらはことごとくつまらない。実際、今回の幕間映像は勝負以外の、わちゃわちゃっとした絡みが主体なので、メンバー個々人の個性が発揮されていてとても面白かった。
2.6 FIRE BIRD
1番のみ、ピアノ伴奏とボーカルのみの演奏でアレンジが施されていた。どうやらこれはバンドリアニメ3rdシーズンのエンディングがモチーフになっているらしい。私は全く気が付かなかった。
いつも以上に炎が炊かれていた、噴き上げるタイプの火柱と斜めにクロスするタイプの火柱が出ていた。FIRE BIRDがリリースされてから約4年。4年間の間での歌唱力の向上が分かりやすく聞き取れた。
そして、何よりも話題にすべきなのは、ここで初登場したトロッコ。ステージの左右から、竿隊の二人を乗せて登場したのだ。まあ驚いた。ドーム規模のライブでは用いられたことはあったが、アリーナ規模で用いられたのは初なはず。今回問題になっていたプレシ拡大についても、あれは納得せざるを得ないでしょう。商売上手ですね。
今後有明アリーナでのライブでこれが通例になるんなら、一回くらいプレシ買っても良いかなとちょっと思った。
2.7 Neo-Aspect
ライブの裏テーマとして「声出し」が掲げられていた以上、この曲の披露には誰もが納得せざるを得ないだろう。
MC2
今回のライブは、MCが少なかったというより、MCのトーク内容がよく練られている様な印象を受けた。
ギターを探してステージをうろうろする工藤さんが面白かったです。
正直宇多川あこフィーチャー曲は、オペラとは別で作られると思っていたので意外だった。
2.8 メドレー
「Opera of the wasteland」「Determination Symphony」「Ringing Bloom」「陽だまりロードナイト」「Song I am.」が順にメドレー尺に調整されて披露された。以前は3曲分をメドレーとして披露したことはあるものの、5曲は初だったし、その点からも演者の技量の向上が感じ取ることができる。
BPMで比較すると、オペラが136、デタミが190、リンブルが195、陽だまりが143、Song i amが190。正直190~195あたりの曲をまとめて繋げた方がまとまりがあるとは思うものの、キャラクターに由来するこの5曲を繋げるとなると、これが限界だと感じる。特にデタミからリンブルへの繋ぎは素晴らしかった。相羽あいなさんの高音ロングトーンを使って曲を繋げる、ある種荒技のように思える手法ではあるものの、このボーカルの存在感こそRoseliaであると強く感じた。
MC3
ツイートを見るまで気が付かなかったが、確かに今回のライブは普段と比較してMCの量が少なかった様に思う。MCの回数が少なくなった代わりに、メンバーによるインスト演奏が増え、MCの尺も若干長くなっていた。いつも以上にMCの内容が練られていた様な印象を受けた。グダっとする瞬間があまりなく、絶え間なく話題が移り変わっていた。
2.9 Re:birth day
トロッコ曲だった。ステージに取り残される燐子とあこ、フロント3人がトロッコに乗った。Roseliaのライブで、演者がこちらを見向きもしないことによって生じる虚無な時間を味わうことになるとは思わなかった。
それを打開するためにはプレシを取る以外の選択肢はないのですが。
2.10 一逢のFull Glory
この曲を聴きにきた!と言っても過言ではない、というか今回のライブはこの曲が全てだった。新たなRoseliaとか、新境地とか、そんなものはこの曲には無くて、これまでの歩み、暖かさ、肯定ゆえの希望が詰まっている。
コロナ禍での演者と、ファンを称える讃美歌なのだ。この曲を本編ラストに聴けたのが、今回のライブのピークであり、まごうことなきハイライトだった。大事にしてください。
幕間映像(後半)
書きたいことは①に書いたので②は余談。
最近韓国の女性アイドルにハマっていて、その中でもLE SSERAFIMのYouTubeコンテンツを見ていた際に、前体制のRoseliaと似たような雰囲気を感じた。そのYouTubeコンテンツの中で、シングルリリース活動の終わったメンバーたちがそのお疲れ様会として旅行に行く企画がある。
そんなことを考えていた矢先に、今回の幕間映像のコンセプトがまさにこの「DAY OFF」企画と同じで、一人で感動していた。余談でした。
2.11 - HEROIC ADVENT-
コロナ以前にこの曲が披露されたのは、2018年の5月。それから5年の月日が流れて、ようやく今回声出しが解禁された環境で聴くことができたのがとても嬉しかった。
この曲がトロッコ曲にされていたのが少し心残りだった。この曲のライブでアレンジとして、Cメロで音数が減ってゆき、ファンの歓声が響き渡る演出があるのだが、この演出は演者が演奏しているからこそ活きるものであって、音源流しっぱなしで披露されても良さが発揮されないと思う。しかし、メンバー全員でこの曲を歌ったことに意味があるという意見も理解できる。是非とも次回披露する際は演奏して欲しいと思う。
2.12 ZEAL of proud
ラウクレ2の本編ラストで初披露されたのがこの曲。歌詞の力強いメッセージ性、特に「私達は此処にいる」というフレーズは、その当時も今でも、強烈なインパクトを残し続けている。
楽曲自体も、パワフルでありつつも、繊細なフレーズが所々に散りばめていることによるどこか切なく、しかし何処か暖かみのある音使いがアンコールラストとして、よく機能していたように感じた。
3. 2日目を大まかに振り返る
久々にライブビューイングに行った。ライビュ結構良いですね。カメラワーク的にはイマイチな部分も多く、みたい瞬間の5フレーム前に急にカメラが切り替わるみたいな。スイッチングが失敗していたように感じた。
ライビュのいい点は、とにかくメンバーの表情がよく見えるところで、特に中島由貴さんがとても可愛かったです。参加しているコンテンツも、音ゲーが上手なところも、家族関係が良好で父親とのエピソードも、プロデュースも本人も全て完璧ですね!と思った。
セットリストだけ単純に比較すると、1日目が良いライブで、2日目が盛り上がるライブってイメージでしょうか。僕は完全に1日目派ですが、2日目のSprechchorは現地で聞きたかった。あの曲が完成される瞬間を生で味わいたかった。
幕間映像も、Roseliaメンバーのモッパンが見れて大満足でしたし、花火ではしゃいでいる様子がほっこりしたし、なぜか相羽あいな氏が最下位になっているしで、とても面白かった。実際キャラくずに勝ち負けなど実質的には関係がなくて、面白ければそれで良いんだと思います。早く特別版を見たいですね。
4.あとがき
https://note.com/preview/na7043e31058b?prev_access_key=99ef117dc4e413ed1deb8328a79c565d
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?