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BanG Dream! 12th☆LIVE DAY3 : RAISE A SUILEN「REVEAL」を見て感じた色々なこと

導入

バンドリ12thライブ。DAY1は久々の単独ライブとなるPoppin'Partyが、DAY2はバンド史上最大キャパシティでのライブとなるMyGO!!!!!、DAY3の最終日にはRAISE A SUILENがライブを行った。私は3日目のみ参加した。今回のライブは、今までRASが培ってきた歴史の魅力を、直近で発売されたMini Albumの曲と見事に織り混ぜ、構成面で遺憾無く発揮することが出来ていたライブだった。Mini Albumに収録されている5曲は、それぞれ5人のメンバーごとの特色を反映させており、普段からライブでメンバーそれぞれにスポットを当てたインスト演奏を行なっているRASとの親和性が高かったのだろう。しかし、演出面でそれらを減退させてしまう場面が多く見受けられた。ここで示す演出面とは、音響・照明・舞台装置のことである。


音響の問題

ここ最近、私のTLにも音響に関して苦言を呈するファンが見え始めた。それくらい村の外の人間が入ってきたのか、村の中の人間が外の世界を知ったからなのか、はたまた音響スタッフの怠慢なのか。
特に指摘の多かったのは、ボーカルやマイク面でのことだった。私個人としては、確かに音割れしている箇所が若干あるなど、気になる点はいくつかあったもののそこまで気になることでは無かった。
これ以上に私が気になったのは、楽器のバランスである。RASの楽曲の特徴として、EDMのノリやサウンドをロックに落とし込んでいることが挙げられる。Mini Album以前の楽曲では、EDMの要素をキーボードでの演奏で表現していた。しかし、Mini Album「REVELATION」の3曲目である「STRAY CERBERUS」では、ドラムンベースの要素を取り入れた楽曲をリリースしていた。ドラムンベースでは一般的に、変則的なドラムビートとうねるようなベースを特徴とされている。これをバンドスタイルで披露する場合に、問題点が2つ生じる。
1つ目の問題点として、生のドラム演奏でドラムンベースのビートを作り出すことが困難である点が挙げられる。巷では生のドラムで再現した人力ドラムンベースなるものも存在する。
2つ目の問題点として、うねるようなベースをどのように表現するのかという点が挙げられる。この楽曲ではベースと共にワブルベースが使用されており(間違っていたら指摘してください)、これにより音源ではドラムンベースを作り出すことに成功している。ちなみに音源では、ハイハットの細かい刻みも打ち込まれている。
今回ライブで見て、ドラムパートでは人力ドラムンらしきものを叩いており(あれを人力と呼ぶのかは賛否両論あると思いますが)、とても小さな音でハイハットの刻みが鳴っているのみだった。ワブルベースは、鳴らしていなかったのか効果的に鳴らすことが出来なかったのか、私の所感としては前者であるように思う。この楽曲では、今までのRASにはあまり必要とされていなかった、打ち込み音源を上手に鳴らすことが求められていた。そうでないと、音源の再現的な意味で、楽曲が成立しないからだ。だからこそ、ベースラインが不足したことによってドラムンベースを表現できていなかった、楽曲を演奏することが出来ていなかった。
これからのRASの楽曲の方向性として、バンドサウンド以上の何かを用いる場合が増えていくだろう。その時に、今のままの音響でライブを行っていると、物足りなさが加速してしまうのではないだろうか。楽器の音をただ大きな音で鳴らすようなロックバンド仕草が許されない次元に達した場合に、打ち込みの音源を上手に鳴らす技術が音響スタッフには求められるだろう。ついでにボーカルやマイクの問題も改善してくれたら嬉しい。

照明・舞台装置の問題

先ずは照明問題について。RASのライブの醍醐味の一つとして、レーザーを用いた派手な演出が挙げられる。レーザーの演出については特に問題は無かったように思う。私が気になったのは、その他の部分で、ムービングライトと流れる照明(流れるウインカーみたいなやつ)のあまりの簡素さと質素さである。特に流れる照明は、左右に備え付けられた3本ずつの柱を、なんとなくカラフルに照らしているだけで、派手さを何も演出出来ていなかった。まるでZepp規模の会場の演出のようだった。それを何倍も広いガーデンシアターでそのまま演出しているのだから、ショボく見えるのは当たり前だろう。
もちろん白い照明と、スクリーンのみでバックライトを照らし、シルエットを強調したような照明演出は悪く無かった。
演出がショボく見えたもう一つの要因として、キャパに対してスクリーンが異様に小さかったことが挙げられる。最近のバンドリライブでは、バンド編成で後ろにいるドラムやキーボードを舞台より一段高い位置に設置し、アリーナ後方でも見えやすいような処置を施されている。もちろん、ライブを見た時の満足度を決める要素として、メンバーの姿がどれくらい見えるのかは大きな要因になるため、この対応は基本的には肯定的に捉えるべきだと思う。しかし今回のような、上に高さがあり、アリーナが小さいような会場では、後ろのメンバーの段を撤去してでも、できるだけ大きなモニターを設置するべきであると思う。ちなみに今年同じ会場で開催されたTHE 1975のライブでは以下のような大きいモニターが設置されていた。

THE 1975 AT THEIR VERY BEST JAPAN 2023 at 東京ガーデンシアター
https://tower.jp/article/news/2023/04/26/tg012

曲間に流れるRemix音楽について

RASのライブでは、曲間のMCがない代わりに、自身の曲をRemixした音源が流れる。あれがあることにより、どことなく気分が持続はする。しかし、毎回同じ音源を流されると流石に飽きる。これはインストパートにも言える話で、毎度のこと恒例として受け入れられてはいるものの、毎回同じものを見せられているだけのように感じることが多い。キーボードの倉知玲鳳さんは、毎度少しずつアレンジを加えていたり、改善部分は見られるものの、全体としては毎回ほぼ同じことが行われている。
難しいとは思うが、3DCGでキャラクターを投影したり、毎回Mix音源を新たに制作したり、何かした変化をつけてほしいと思う。

全体として

今回のライブの感想として、古参大歓喜とか、老害セトリなどが多くみうけられ、最近では披露される機会が少なかった楽曲にもフォーカスされていたライブだと私も感じた。最後3曲では初期の衣装を着て1st Singleの曲を演奏していたり、「A DECLARATION OF ×××」ではバンドリ7thライブの演出を彷彿とさせていたり、過去のライブを参照する様子が多く見受けられた。
このように過去の歴史を歴史を懐古する事で、演出の雑さというか、低予算をひた隠しにするような振る舞いに関しては、良い面も悪い面もあり一概に評価することはできないが、いくら歴史を懐古されても演出を最低水準で保ってくれなければ楽しむことはできないと感じた。
ライブ終了後には、2024年6月に単独ライブが開催されることが発表された。場所が東京ガーデンシアターと、今回と同じ会場だった。今回の演出を見てしまうと、これと同じクオリティのものを見る気には今のところなれないというのが正直な今の気持ちである。
素直に良いと思ったことはTwitterに書いているのでそちらも是非見てください。今回のハイライトは「TWIN TALE」です。今回のMini Albumの中で唯一音源を超えた魅力を感じた曲でした。

個人的な話

今年はバンドリ畑から飛び出し様々なジャンル・アーティストのライブを見た。先ほど記述したTHE 1975の来日公演もその一環である。キャラクターコンテンツとして、アイドル的なコンテンツとして、バンドミュージックとして、さまざまな視点から、良い部分と足りない部分、自分が好きな要素を見つめ直すことが出来た。
だからこそ今回のRASのライブの締め方として、白い照明とスクリーンでメンバーがバックライトに照らされ、残響が鳴りながら退場していく演出はとても素晴らしいと感じたし、同じような演出をしていたTHE 1975のライブと同じ会場で見ることが出来たのは、どこか感慨深いものがあった。自分が摂取した要素が、ふとしたタイミングで結びつけられた。
最後に今の私の気持ちを添付して終わらせます。お疲れ様でした。


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