見出し画像

あたまのたいそう0913-復旧

コロナの症状が出てから今日でだいたい3週間になる。ようやく心身共に元に戻り始めた。コロナ発症当初はYouYubeをひたすらスクロールして、疲れたら寝て、夜になったら熱が上がるので解熱剤を飲んで、母親が部屋に運んでくれる料理をちまちま食べるだけの生活をしていた。まさにニートみたいな生活だったし、自分にはニートの才能がちょっとあるのでそこまで苦ではなかったのが幸いだった。それと同時に自堕落な生活をする才能があることを悟ってしまったことが、自分の心の弱い部分に漬け込まれている感覚に陥ったし、数日前までその状態を抜け出すことができなかった。
2020年から、なんなら2018年ごろから、何かの病気になって寝込んでしまうことなどしていなかった。おそらく2018年ごろに胃腸炎になったのが最後だったと思う。その時は、病院に行くまで、体が口に含んだものの全てを拒み水ですら吐いてしまう状態で、誇張なく胃袋が空っぽになる感覚を味わった。病院に行き、点滴を打ってもらい、そこからは今までの体調が嘘であったかのようにみるみると回復していったことを今でも鮮明に覚えている。
コロナになって、3日ほど熱が全く下がらなかった。実は、自宅で抗原検査を行った結果陽性と示されてから、何故か病院に行かなかった。母親曰く、コロナ用の薬もないだろうし家で安静にしていた方がいいとのことだった。実は後日病院にいったのだが、今は体内のウイルス量を下げる薬があるらしい。素直に病院に行っていればもう少し早く治ったのかな、、、と少し後悔したが、結果的に後遺症もほとんどなく治ったので問題はないのかな。
話は少し逸れるが、私の母親は賢いというか、ズル賢いというか、頭の切れる人だ。だからこそ、発症してから病院に連れて行かなかったことにも何かしら思惑があったのだろう。例えば、自分の孫を優等な学生だと信じてやまない祖母に、旅行から帰った翌日から3日連続でフェスに行きそこで熱中症になった挙句コロナにもなったということを隠蔽したかったのかもしれない。そもそもフェスに行くことが、優等な印象を覆すことにつながると思っている母親と、本当にそういう思考回路を持つ祖母の、固定概念とか偏見に問題があるとは思うが、長年それらを疑うことなく生きてきた人の意見を覆すことはかなり難しい。様々な問題があれど、母親のおかげで祖母からポジティブな印象を持ってもらえていることは事実であり、色々な恩恵を受けているので、このことに関しては口を噤んでいようと思う。
熱が下がって、喉の痛みが落ち着き、症状も治ってきたものの、行動する意欲だけはなかなか元に戻らなかった。実生活的な面でも、極力用事でもない限り出歩かないようにしていたし、バイトも大事をとるという名目で余分に休みをもらった。その他の面でも、音楽を聴くことだけはどうにも気が進まなかった。イヤホンやヘッドホンを取り出し、スマホと接続し、気になる新譜を聴くという、今まで当たり前に行っていた行動が出来なかった。一回だけ、なんとかこれらの障壁を乗り切れたのだが、単純にノれる曲が見当たらず気分がとても落ち込んだ。ここ数日で、車に乗って外出する機会があり、そこでカーステレオとして音楽を聴いていた中でようやく今までの感覚が、ほんの少しだけ戻ってきた。こういう経験をすると、自分は本当に音楽が好きなのか、自分が本当に求めているものが分からなくなる。本当は昔のパズドラのゲーム実況を見ているだけで満足できるのではないのか、などと考えてしまう。
小学生の頃、電車で毎日往復2時間の道のりを行き来していた。友達が降りて、自分一人になってからずっと本を読んでいた。当時何を読んでいたのかなど全く覚えていないけど、東野圭吾の作品を好んでいたことは覚えている。もっとも、当時の記憶など曖昧で、どんな点に惹かれていたのか知る由などない。しかし当時の自分は間違いなく本を読むことが好きだったし、本屋で棚を眺めているだけで自分に合う本を見つけることができた。その感覚は中学生になり、漫画を買い漁るようになった時も持っていた。なんとなく表紙とか陳列されている場所やその周りにある商品たちを見て、自分が好みな漫画がわかる感覚があった。今では本もほとんど読まなくなったし、漫画もアプリ上で少し読む程度になってしまい、そんな感覚は無くなってしまった。当時の純粋に作品を楽しんでいる自分自身にはどう足掻いても戻れないような気がする。
今ではSNSの評判が嫌でも目に入ってきてしまうし、自分の足で何かをサーチすることが無くなってしまった。自分の足を運んで買うとすれば、服くらいかもしれない。自分は割と洋服を見繕うのが好きだし、ネット上で完結してしまうには勿体無い楽しみがあるように感じる。ネットの方が選択肢は広いように感じるかもしれないが、実際は生で見る方がいい。
とりあえず明日は本屋に行こう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?