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あつこお姉さんの卒業

わたしのtwitterのタイムラインがあつこお姉さんで埋まった。

その多くが、悲しみと寂しさを訴え、涙を流す絵文字がセットだった。

今日、あつこお姉さんが卒業を発表した。

「おかあさんといっしょ」あつこお姉さん卒業 新任にながたまやさん(毎日新聞) - Yahoo!ニュース


twitterを始めたばかりのころ、私のタイムラインには飲み会とサークルと、自主休講が並んでいた。

仲間内でリプライを飛ばし合い、今どこにいる、から、今日はどこに集まる、から、来週鍋パをしようまで、とにかく「今」を投げ込むような、そんな言葉が溢れていた。

それからしばらくして、ちらほらと、残業・上司・先輩・同期という言葉が並ぶようになる。

今まで同じ時間軸を過ごしていたはずの、先を生きる”輩”が大人な顔をして、言葉を繋ぐようになった。

あれ、そういえばあの人最近見ないな、なんてことを思いつつも、今度は内定、営業、卒業、旅行のような言葉がタイムラインを闊歩し始める。

春を過ぎる頃には、たまに見れば誰かが何か言ってるな、ぐらいには興味がなくなり、そもそも多弁ではない方だった自分自身の言葉はさらに数を減らしていった。

「いまどうしてる?」に答えることがなくなって、もうしばらくは見るだけになったタイムラインだが、”見る専”なりに結構楽しんでいるところがある。

有益なことも無益なことも、どうでもいいこともどうでもよくないことも、ああ、あの人はきっと元気なんだなと思うこともできる。

タイムラインで赤ちゃん・可愛い・保育園のようなワードが散見されるようになったなと、何となく気付き始めたところだったが、あつこお姉さんの卒業を惜しむ言葉の数々を見る中で、実感した。

そうか。同じ時間軸を過ごしてきたと思っていた彼ら・彼女らは、それぞれが全然別のステージにいて、これから先、二度と交わることがないかもしれないと。

ライフステージの変化が周囲の環境や人間関係、お付き合いのカタチを大きく変えることがある。

女性は特に顕著なのかもしれない。

仕事をしている・していない、結婚している・していない、子供を育てている・育てていない、両親と同居している・していない…

バリキャリ VS 専業主婦
独身 VS 既婚

対立構造で語られることが多いが、こちらからすれば、勝手に対立させられているにすぎないと思っている。

その一方で、実際に話が合わなくなるという現実があることを痛感している。

「ブーブー」「ワンワン」「マンマ」で埋め尽くされた日常の人もいれば、「KPI」「CVR」「損益分岐点」に囲まれた日常の人もいる。「ブーブー」「ワンワン」と「KPI」「マイルストーン」の双方を巧みに操らざるを得ない日常の人もいれば、これこそまさに至高の暮らしと感じている人もいるはずだ。

わたしたちはもう、みんなが同じ言葉を話せるほど近くにはいない。

あの頃、同じものを見て、同じように笑って、同じように楽しんで、同じように悩んでいたわたしたちは、興味領域も、注力領域も、大事にしたいものも違う人間に育ったのだ。

そして、きっとこれからも、大事になるものが同じになったり、違うものになったりを繰り返しながら、たまに近づいたり離れたりしながら生きていくのだと思う。

事実かどうか定かではないが、歌のお姉さんはスキャンダルが御法度ということで、多くの制約が存在する、という噂を聞いたことがある。
朝の教育テレビ番組の顔となれば、そのような制約もあるのかもしれない。特に、「おかあさんといっしょ」が対象とする視聴ターゲットの半分は、善悪の判断がまだ不確かで、曖昧な幼児だ。(もう半分は言わずもがな子供の親である)

さらに、歌のお姉さんに代役はいない。月曜日のお姉さん、火曜日のお姉さんなどはおらず、現役の歌のお姉さんはたった1人だ。先代のお姉さんから引き継いだのち、卒業するまで、たった1人でその役割をこなさなければならない。
したがって、歌のお姉さんになるための「枠」は極めて少ない。先代が卒業を決めるまで、空き枠は(おそらく)出ないだろうし、歌って踊れるスキル、テレビでの映りやスター性など、多くのスキル要件を習得した上で、運によって獲得できるポジションなのだと思う。
現段階での経験者は21人。
歌のお姉さん卒業は大きなキャリア転換の機会にあたるのだろう。


卒業を発表されたあつこお姉さんこと小野あつこさんは2016年4月より第21代「歌のお姉さん」として登場し、キュートな笑顔と明るいキャラクターで、子供や子育て世代を中心に視聴者から親しまれてきたそうだ。

卒業後のご活躍を、心より楽しみにしております。

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