見出し画像

《詩》24夏

水道の冷たさに触れ
夏の終わりが指先に染みる
窓を開けると頬を撫でる風が
カレンダーの白い数字を呼び起こす

終わりは悪くない
でも過ぎ去る時の儚さに
心が震えるのは何故だろう
終わると分かっていても
その先の不安が胸を締め付ける

スマホに頼らなければ
日付も覚えていない癖に
積み上げた時間が
どんな意味を持つのか
考えずにはいられない
終わった瞬間の重さを
確かめたくなる

誰かが言った
「この月の月」の価値
そう、だからこの夏も
今年だけの 今だけの夏

(にじぐち)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?