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日記0147あるいは花火とカルタと盆踊り

繊細さと気遣いとクソゲーと
気を遣ってます、と明言することは気遣いではない。しかし、気を遣ってると言ってしまう気遣いのできないやつを演じることは気遣いである。無遠慮に見える行動に信頼を見出すことが人にはあるし、逆に配慮から嫌悪を感じ取る人もいる。
そんな小難しいことを考えていると、パッと明かりがついた。どうやら、私は気を失っていたらしい。盆踊りをする子どもたちがワラワラ、頭の周りを囲んでいる。
「早く乗れ!」
友人が車から手を伸ばす。それに掴まると勢いよく後部座席に乗せられた。
「お前は呪われた、祓う必要がある」
私は公園へ連れて行かれた。ドン・キホーテで購入した花火を友人らは片手に私を囲んだ。
火花が私に吹き掛けられる。逃げ惑い、芝生や遊具に駆け込むも引きずり出され、火の粉を掛けられる。祝言のような、呪言のような、カルタを読み上げるような声が響く。公園の木が人の顔に見えた。

火非

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