日記0443あるいは湖に立つ白波のような
「心残りがあるとするならば……」
持って回った言い方をすることで、自分を守る準備を固める。
「死んだあと、みんなの反応を見られないことかな」
死をチラつかせ、同情や心配をされることを喜ぶ。
本当に気持ち悪い奴……。
「心より嫌悪を表します」
切った腹から、臓物が溢れる。最初は真ん中から、次に傷痕を押し拡げつつ端からドロドロと。
「白波の……」
辞世の句を詠む元気があるのなら、そんなものは、苦悩ではない。自己愛者め。
「あとに残りし 静けさや」
まだ続けるのか。
「借宿の床……」
もういい。
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