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チームを作ること#1ー3種類のチームを作ること  赤井塾12

振り返り 「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件

①顧客と他士業から「選ばれる士業」になること

②仕事を効率化すること

③セルフマネジメントを行うこと

④チームを作ること

今回から、4つ目の条件である「チームを作ること」に入ります。

そして今回は、総論として「3種類のチームを作ること」について解説をします。

チームを作る意義

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前回までは、自分自身がどのようにすべきか、どのように行動するべきかという話がメインでした。
そして、これらは単独でも行うことができることばかりでした。

ここまでだけでも、①顧客と他士業から「選ばれる士業」になり、②仕事を効率化し、③セルフマネジメントを行うことができるようになれば、「士業の理想の姿」をほぼ実現できたも同然です。

私たち士業の仕事はやろうと思えば1人でもすることができますし、現に1人でやっておられる方も多数おられます。

そして、それで自分の望み通りの仕事内容・仕事の仕方を実現できる、できているという方もおられるでしょう。

ただし、現実には、単独だと、何でも自由にできる反面、病気や事故等で仕事ができなくなってしまった場合の対応や単独ではさばききれない量や質の仕事をやりたいときの対応、仕事の時間のコントロール、経営面で行き詰まったときの対応などがままなりません。

そこで、3種類のチーム作りを検討するようお勧めします。


3種類のチームとは?


(ⅰ)事務所チーム(組織化)

(ⅱ)事件処理の士業チーム

(ⅲ)経営戦略の士業チーム

(ⅰ)事務所チーム(組織化)


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私自身のことをお話しすると、まずは勤務していた法律事務所から独立する際に、どうするのかを検討しました。

このときには、事務員も雇わずに、電話秘書サービスなどを使って単独でやることも考えました。

しかし、私が独立した当時は、まだまだ従来からの業界感覚が色濃く残っていたので、事務所も構えず、事務員もいないような弁護士にはなかなか依頼は来ないのではないかと考えられました。

当時、私は、事務員には最低限の仕事だけをやってもらい、それ以外は全て自分でやればいいだけのことだからと考え、最低限のスタッフでいこうと決めました。

そして、それから約8年間は単独でできる範囲の仕事を黙々とこなしていました。

その後、自分のスキルや経験値が上がり、私は、単独でやったのでは、やる作業の工数が多いため迅速な処理が難しかったり、その一件にかかりきりになってしまって他の事件をできなくなってしまって経営的にまずくなるような規模の大きな事件や複雑な事件などを手がけたくなり、再度検討をしました。

その結果、私は、当時の事務所内の複数の弁護士とチームを組むことにし、事件の種類によっては専属の事務員もチームに入れて、事件処理にあたるようになりました。

そして、現在では、これを推し進め、前の事務所を離れて、2名の弁護士をパートナーに法人化をしています。

このようにまずは最も身近なところで事務所内のチーム化を検討する必要があります。

(ⅱ)事件処理の士業チーム


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私は、事務所内の複数の弁護士とチームを組むのとほぼ同時期に、事件処理を共同でやってくれる他士業の先生方に声をかけ、事件を受任する時点からチームとして一緒に動いてもらうというやり方を始めました。

これは、そのころから手がけようとしていた事件を最も依頼者の利益になるように処理するためには、他士業の先生方の受任時点からの協力が必要不可欠だったからです。

それまでにも、税金の申告は税理士、不動産鑑定は鑑定士、境界関係は土地家屋調査士、登記は司法書士、許認可は行政書士といったように、必要に応じて他士業の先生方にお願いをしていました。

ただ、それは事件処理の一部を切り取って必要な時期に、ないしは事件の後処理として依頼していたに過ぎませんでした。

しかし、私は、以前からそのやり方には不満を持っていました。もっと早期に他士業の先生方からアドバイスをしてもらえていたら、もっと依頼者の利益になる処理が可能であったのにと思ったことが何度もありました。

そして、これから自分が手がけようとしている規模の大きな事件や複雑な事件などでは、さらに早い段階から他士業の先生方の協力を必要とすることは明らかでした。

そこで、私は、事件を受任する時点から他士業の先生にチームに入ってもらい、そのチームで事件を処理するようにしました。

その後、いつでもチームを組んでもらえる他士業の先生方に声を掛けて、士業のチームを作りました。

なお、この事件処理の士業チームは、他士業とのチームに限りません。

他の事務所の同業者とのチームというものも考えられます

まだ、実現はしていませんが、大型の破産管財事件については、他の事務所の弁護士にもチームに入ってもらうことを考えており、既に声を掛ければ参加してくれる弁護士を確保しています。

(ⅲ)経営戦略の士業チーム

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私たち士業は、独立してやっていく際には事業主であり経営者です。

ただ、私の見る限りでは、明確に経営者という感覚をもって経営にあたっている方はそれほど多くはありません。

また、独立してみると分かりますが、よく言われるように経営者は孤独なものです。

売上があがらない、経費が管理できない、今後どのように事務所経営を展開していけば良いのか分からないなど、日々様々な悩みを抱えることになります。

しかし、それを気軽に相談できる相手はなかなか周囲にはいません。

同業者とも雑談程度には経営の話もするでしょうが、商売敵ということもあって、売上がいくらであるかなど自らの経営状況をオープンにすることは難しいと思います。

また、経営コンサルタントを依頼するという手もありますが、そもそも士業に特化したコンサルタントというものがあまりあてにはなりません。その上、そのコンサルフィーはかなり高額です。

私は、偶然というのもありますが、独立して数年後から、他士業の先生方と一緒に「経営戦略会議」というものを始めました。

独りよがりになりがちなところに外部から忌憚のない意見をもらえ、また自分の業界の既成概念にとらわれない新しいアイディアのヒントをもらえるなど非常に有益です。

のみならず、経営についての話を気軽に相談できる仲間がいるというだけでなく、メンバーが切磋琢磨してみんなで成長していくことができます。

私は、現在でもこの「経営戦略会議」を続けています。

まとめ

今回は、「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件の4つ目、「チームを作ること」のうち、「3種類のチームを作ること」についてお話しました。


















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