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顧客と他士業から「選ばれる士業」になること#3ー適切な情報発信  赤井塾5

振り返り  「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件

①顧客と他士業から「選ばれる士業」になること

②仕事を効率化すること

③セルフマネジメントを行うこと

④チームを作ること

「①顧客と他士業から『選ばれる士業』になる」3つの方法

1.差別化すること

2.セルフブランディング

3.適切な情報発信

今回は、3の「適切な情報発信」についてお話します。

情報発信が必要な理由

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前回までに、顧客や他士業から選ばれるためには、提供しているサービス、これには主たるサービスと付随的なサービスがありますが、このサービスで差別化をすることと、自分自身もまた商品なのだと認識してセルフブランディングをすることが必要であるということを解説しました。

さらに、この双方ができたとしても、これらを外部に情報発信しなければなりません。

士業の中には、「良いサービスさえ提供していれば、自ずと顧客や他士業から選んでもらえる」と考えている方がまだ多いように思いますが、それは、はっきりと言って幻想です。

考えてみてください、いくら美味しい料理を提供するレストランがあったとしても、そのことをあなたが知らなければ、あなたがそのレストランに行って、その美味しい料理を食べることは生涯ないでしょう。

このように情報を発信して知ってもらわない限り、そのレストランが本当に美味しい料理を提供しているのかどうかを試してもらうことすらないのです。

この点、士業には職人気質の方も多く、営業やマーケティングは不得意だとして、この情報発信を怠りがちです。

まずは、あなたという存在を認知してもらえなければ、他人から選んでなどもらえるはずなどありません。
他人に認知してもらえなければ、その他人にとって、あなたは存在しないのと同じことなのです。

だからといって、誰でも良いからとにかく知ってもらえば良いというものでもありません。

何も考えずにただチラシをまくなどしてみたり、あるいはただ単にホームページを作ってみたとしてもさしたる効果は望めません。

あなたが知ってもらいたい人に、知ってもらいたい内容の情報を届ける必要があります。

そのためには、情報を届けたい相手(ターゲット)を明確にし、情報を発信する適切な媒体を選び、発信内容をしっかりと考えなければなりません。

ターゲットを明確にする

まずは、あなたが差別化したサービスのターゲットを明確にしましょう。

専門分野で特化した場合には、その専門分野を必要としている人たちになります。

例えば、建設業の許認可専門であれば、建設業者になるでしょうし、外国人の在留許可・帰化・永住許可申請専門であれば、それらを求めている外国人やその外国人を雇用したい会社ということになるでしょう。

顧客の属性で特化した場合には、当然、その属性を持った人たちになります。

例えば、医療機関専門であれば医療機関、社会福祉法人専門であれば社会福祉法人ということになります。

宣伝媒体を考える

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そして、ターゲットが明確になれば、次にそのターゲットに合った、すなわち、そのターゲットに最も届きやすい宣伝媒体は何か、例えばそのターゲットが普段から目にする宣伝媒体は何かなどを考えます。

これは、そのターゲットとする業界等のリサーチやターゲットからのヒアリング等により探し出し、色々と試してみるほかありません。

その際には、併せて費用対効果や宣伝するエリアなども考慮しましょう。

宣伝媒体としては、ホームページ、ダイレクトメール、ちらし、口コミ、紹介、紹介サイト(マイベストプロ等)など色々なものがあります。

私も、試行錯誤しました。

その中で上手くいった例としては、医療関係者をターゲットにして、医療関係者の集まる研究会に参加し、積極的に運営の手伝いをしたというものがあります。

その結果、そこに参加していた京都府保険医協会の方の目にとまり、協会の法律相談員に名前を連ねさせてもらうことができ、そこから相談、依頼が来るようになりました。このようなものも宣伝媒体となり得るのです。

伝える情報の内容を検討する

宣伝媒体が決まれば、さらに、伝える情報の内容を検討する必要があります。

そこでは、ターゲットに最も訴求できる内容を考えます。

要は、そのターゲットのニーズに合った情報を考えるということです。

私は、医師(開業医)に対しては、忙しい診察の合間にこちらから伺います、しかも医療事故も含め全ての事件に対応できますという内容を伝えました。

開業医の先生方は、午前の診察と午後からの診察の合間や休診日にしか時間がなく、しかもその時間は限られているうえ、各種相談を1ヶ所で済ませたいというニーズを持っておられたので、上記の内容はそのニーズに合うものでした。

小括

以上のように、主たるサービスについては、ターゲットを明確にし、そのターゲットに合った宣伝媒体を選び、そのターゲットのニーズに合った内容の情報を発信するというのが、適切な情報発信ということになります。

付随的サービスの場合

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付随的サービスについて情報発信をする際の注意点は、具体的な内容を発信するということです。

付随的サービスとしては、丁寧な対応、分かり易い説明、レスポンスの良さ・速さ、処理の速さ、段取りの良さといったものがあげられますが、これをそのまま発信しても抽象的すぎて、そもそも他との差別化すらままなりません。

これらの一つ一つの内容をより具体的に伝えることが重要です。

どういう風に丁寧なのか、どのように分かり易いのか、どれぐらいレスポンスが速いのか、どれぐらい処理が速いのか、どのように段取りが良いのかを、できるだけ具体的に伝える必要があります。数値化できるものは数値化すべきです。

例えば、できるだけ表や図を使い、専門用語は使わずに分かり易く説明しますとか、数値化で言えば、必ず24時間以内に返信しますといった具合です。

ただし、そのような情報を発信する場合には、発信した以上は必ず守るという覚悟が必要です。

最後に、セルフブランディングをした成果についても、上手く情報として発信するようにしましょう。

ここでは、わかりやすさがポイントです。

よく、各士業の会での肩書きを長々と並べている方がいますが、あまり意味がありません。
要は、そういう団体での要職をやっている、やっていたということが分かる範囲で十分です。

自分という人間を経歴等で上手くアピールし、付加価値が十分に伝わるように工夫をしてみましょう。

このあたりは、顧客の多い事務所のホームページなどを参考にされると良いと思います。

まとめ

今回は、「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件の1つ目、「顧客と他士業から『選ばれる士業』になること」のうち、「適切な情報発信」についてお話しました。

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