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Let it be

昨日長女と次女がケンカした。プリンタで大量にテキストをコピーする次女に、長女がキレた。そんなに何枚も教科書をコピーすることはない、しすぎだ、紙の無駄、インクの無駄だ。つまりそんなやり方しなくても(要領よくシンプルに)勉強できるだろうという極めて自分勝手な理屈。長女はちょっと自閉症スペクトラムっぽいところがあって、自分のルールが他人に演繹できないことが分かっていないところがある。

は?勉強してんのになんで怒られなきゃいけないわけ?コピー機はコピーするためにあるのに、使うのが無駄って意味わかんないー怒!!!

位までは因果関係のあるやりとりだったんだけど、そのうち、そういえばあの時、そういえばあんたはいつもという、日々の恨みつらみを互いに掘り起こしてガソリンかけ合う泥仕合炎上合戦を始め、売り言葉に買い言葉、捨て台詞に長女が次女に、アタシハ努力シナクテモ大学二合格シタ。アンタハ努力シナイト勉強ガデキナイ。と吐いた。

これは看過できない。

確かに長女は天才型の学習スタイルで定期テストなんかは学年で100番に入ったかなあ。30番に入ったらアツモリ買ってやるって釣ったけどダメだった。でも実力テストとか外部模試受けると目の覚めるような成績で且つその成績をなんとも思っていないような子でバンド活動に明け暮れて3年間過ごしていた。理解力と記憶力と集中力が高く恐らく授業で学習の大方を完了していたと思われる。

かたや次女は亀スタイルで、毎日コツコツと。努力し続ける才能があるタイプ。入学以来匍匐前進ジリジリと順位を上げて成績は過去最高の自己ベストを更新し続けている。椅子から根が生えてるんか、いつが試験なのか分からないくらい、いつもみると机に座って、教科書を広げて、カリカリ、手を動かしている。

大岡越前守の御成〜のつもりが三つ巴で炎上し尽くして、結局燃えるものがなくなり(時間切れ)ぴしゃりと扉を閉めて終わる気まずい夜に。

翌朝まず、次女には、暴言を気に止める必要は全くないこと、あなたの努力は賞賛に値する、キッチリ人としての誤りは指摘するから安心せいと話して、次女がメンタルやられていないか確認する。ミッション半分コンプリート。

白日のもとにというか、頭に血の上った夜に話してもムキになり自己防衛するだけだから、午後ご飯食べたところで長女に話す。昨日の発言は絶対に良くなかったよ。努力する人をバカにすることはママは絶対に許せないからね。黙っている長女。黙っているときは分かっているときのサイン。

息詰めて長女の返事を待つその沈黙に、ラジカセに入れたビートルズベスト盤から、次の曲が流れる。

チャンチャンチャンチャ  とピアノに乗せて    Let it be

ブッ笑

ナニコレー笑 うちのラジカセ空気読むのー笑  Siriより優秀だな!

まるで反省を促すようなメロディに緊張の糸が緩んで大笑い。

結局反省の弁は聞かれなかったけど、反論しないということは、反省しているということだと受け止める甘い母。次女からはちゃんと謝らせてよーとお叱りご意見賜りつつ、あの時Let it be がかかったということは、悪かったって言っていることだと思うよ。と答えて、ナニソレ。意味わかんない。ママはいつも最後はそうーと口を尖らせてはいるが、気は済んだみたいでまた机に向かう次女。

自分が悪かったと思っているときに理詰めで責められて、ゴメンと謝れる人は立派だと思う。謝らせることが目的ではないし、自分を守ろうと理詰めの理詰め返しって不毛だと思ってしまう。流石だなあビートルズ。




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