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プラネットフォークスツアー親子参戦

アジカンのライブに行きたい。いや、行かなくちゃ。

しばらく前からそう思っていた。多分入院中からかな。

恥ずかしながら私結構形から入るタイプでして、髪の毛を伸ばし始めた。何故にライブに行くのに髪の毛を?笑。宜なるかなその疑問。後藤さんみたくしたい。バンドやり始めた高校生みたいだ笑。それまでは襟足もモミアゲも7ミリで刈り上げて、ツーブロックで耳出してベリーショートがここ5年くらい定番だった。伸ばすこと2ヶ月。そろそろいいだろうと、バンド好きの担当の美容師さんのいる店まで越すに越こされぬ大井川並みの河をチャリでうんこら橋渡って遠征し、鼻息フーフー荒くしてアジカンのゴッチにしてくださいと写メを持って行ったのが5月の初。

ーアジカンのゴッチにしてくださいって高校生の男の子最近いる?

ーいやあ、いないですねえ。最近は。チコさんくらいですよ笑。バンドが絶滅危惧種的ですからね涙。

ーいかんなあ。私がこの辺チャリンコでギター背負ってパトロールして、中高生男子を洗脳してやろうかな。あ、あの髪型かっこよくねって。あ、おばさんのゴッチじゃだめかあ⤵︎

ー笑。そんなことないですよ。チコさん。僕のパーマを褒めてくださいよ。ほら、天然のくせ毛みたいな感じが出て良い感じですよ。

ーうん。私も超ウレシイ!これでライブ参戦したら報告するよう!

アジカンのゴッチになったとご機嫌で帰宅すると、次女には「イキッた大学生男子みたいでダサイ」と散々な言われようだったが、他者評価にめげるような私ではない。毎日見てれば嫌でも目が慣れるであろう、その良さにもいずれ気がつくはずと意に介すことなく、こういうことは本人が楽しんでいることが1番なのだと持論を展開し、またドヤ顔の独白始まったと冷ややかな娘らの視線は近眼+老眼でよく見えなかった笑。

熟田津に船乗りせむと月待てば潮も叶ひぬ     いざ漕ぎいでな                           万葉集 額田王

私の好きな一句。やることやるのは自分だけど、肝心要なところは他力とかタイミングの良さを重視して、勝手にゴーサインを感じて発車する笑

そろそろ潮も満ちる頃かと、ライブ情報をチェックする。ん?ん?なんとツアーが始まったばかりやないの!グットタイミング。あれ、当日券が出ている。東京?国際フォーラム、6月1日水曜日?来週?4日後!満潮や!

満を持して、全席指定ではあるがスタンディングにもスニーカーで備え、くるくるパーマは1日の仕事を終えて疲れてクタビレチャッタけれど笑、意気揚々とバンギャの長女と共に参戦した。そして今、川を渡る風に吹かれて、火照る頭と身体を冷ましてから、家路を急ぐ。後藤さんの声で、会場中のファンが、ブワアっと羽音を立てて鳥のように一斉に空に舞い上がったような錯覚に捉われた。今夜は空を飛んだ。心は飛んだ。



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