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DesignOps成長支援の取り組み

GoodpatchのDesignOpsチームでマネジメントをしているkadonoです。この記事はDesignOpsMeets #2でGoodpatchから発表した内容をベースとしています。(発表時間に収まらなかった部分も補足で記載していますmm)
DesignOpsの取り組み気になるよ!という方はぜひご覧ください 🙌


テーマに入る前に✅

先日のConfig2023の中でDesignOpsのセッションがあり、これからDesignOpsのチームを立ち上げようとしている方やまだ経営層にDesignOpsの必要性が伝わっていない方に参考になるセッションだったので簡単にシェアです。

AlchemistのMatt Gottschalk氏のセッション概要

  • 小規模なデザインチームがDesignOpsからどのような利益を得るか

  • 非効率なプロセスによってデザイナーやエンジニアが年間平均110日の仕事を無駄にしていることを明らかに

  • デザインシステムの使用により、デザイナーの時間を節約し、ユーザーリサーチやディスカバリーフェーズに集中できると主張

ZapierのAletheia Délivré氏のセッション概要

  • 組織の変化と成長を促進するDesignOpsの役割についてDesign Soilという考え方のシェア

  • 採用とオンボーディングにおいて明確なプロセスを確立した事例を紹介し、デザイナーが適切なツールと機会について解説

  • いきなり大きな組織変革をするのではなく、小さな実験を繰り返しフィードバック・ループを構築しながら組織変革を行う重要性を主張

Aletheia Délivré氏のセッションの中で紹介されたDesign Soilの考え方はDesignOpsを運営にするに当たりベースとなる考え方でした。

Config2023:DESIGNOPS AT THE HEART OF CHANGE: CRAFTING THE INVISIBLE, HUMAN COMPONENTS OF TEAMS / Speaker: Aletheia Délivré / https://youtu.be/lEccln75Q7U

Design Soil:デザインの土壌
AutodeskのDesignOpsマネージャーであったMicheal Polivka氏が使った例えで、DesignOpsは舞台裏で、デザイナーが最高の仕事をするための隠れた土台を作っており、土壌のように、DesignOpsはデザインとデザインする人々の両方が繁栄するための最適な条件を作り出すという考え方です。
Micheal Polivka氏の元記事も必見です!!

今回の「成長支援の取り組み」という観点でもDesign Soilという考え方は重要なものとなり、成長という観点ではDesignOpsの役割は「デザイナ
ーが成長する土壌づくり」とも言えます。

デザイナーにおいて成長とは?🤔

「成長」について考えるときに、ハーバード大学教育学大学院教授で組織心理学者のロバート・キーガン氏が提唱している成人発達理論が参考になります。成人発達理論は、「成人になっても人は成長を続ける」という考え方です。

成人発達理論の中では、水平の成長と垂直の成長の2軸で大きく定義されています。

水平方向の成長は、デザインスキルやそれらに関する知識と言えます。多くの場合、デザイナーはこの水平方向の成長に目が向き自分自身のスキルを研磨し、日々のデザイン業務の中で向き合っていると思います。
ただ、デザインスキルが高いデザイナーがGoodpatch内や世の中で活躍しているのかというとそうではないと考えています。
周りの活躍するデザイナーを見てみるとスキルが高いだけでなく、さまざまな経験から視野が広かったり、デザイナーである前に人としてあるべきマインドセットや価値観が醸成されており視座の高さがあったりと、

  • 視点の鋭さ:デザインスキルが高い

  • 視野が広い:さまざまな経験をしている

  • 視座が高い:人としてのマインドセットや価値観が醸成されている

という3つの観点が揃っているように思います。
成長の2軸で見てみると、先程述べたようにデザインスキルは水平方向、一方で垂直方向はマインドセットや価値観の醸成からつながる成長といえます。また、どちらも自身の経験が成長の種になっています。

成長の2軸:水平方向の成長⏩

水平方向の成長である、「スキルを磨く」はさまざまなポイントがあると思いますが、特に3つのポイントが重要と考えています。

  • スキルを磨くポイント

    1. デザイン業務を通した経験

    2. シニアデザイナー、マネージャーからのフィードバック

    3. 実践的なデザインナレッジのインプット

スキルを磨くポイントに対して、DesignOpsの役割はDesign Soilの考え方のようにデザイナーがスキルを磨く土壌づくりになります。

Goodpatchの中でもそれぞれに対して取り組みを進めていますが、今回はナレッジマネジメントの推進についてシェアします。

ナレッジシェアの取り組み

Goodpatchでは、クライアントワークのプロジェクト終了時にナレッジパッチというナレッジシェアの取り組みを行っています。
ナレッジパッチでは、下記の3点についてプロジェクトメンバーからシェアしてもらっています。

  1. プロジェクトの全体のプロセスシェア

  2. 各職種ごとのナレッジシェア

  3. 各メンバーごとの学びや失敗のシェア

ナレッジパッチの取り組み自体は、他のプロジェクトや同職種のメンバーのプロジェクトの動きを知るという重要な機会となっています。
重要な機会であってもなかなか続けることは難しいというのもこういった取り組みの難しさです。

ナレッジパッチの取り組みでは、運営側がローコストで運営できるかもポイントにしています。

  • ローコストなナレッジシェアの取り組み

    1. 終了プロジェクトを確認

    2. メンバーとナレッジパッチのすり合わせMTG(MTGをフォーマット化)

    3. シェア内容と実施日をすり合わせ

    4. カレンダーセット(事業部メンバー全員を任意招待)

    5. Zoom開催(録画)

    6. 社内ブログに記事化(インターンサポート)

プロジェクト終了後できるだけ早くプロジェクトメンバーと連携することで、プロジェクトメンバーは記憶が新しい状態でナレッジをまとめることができます。
また、運営側のフローもフォーマット化することとオンラインで行うことで、オフラインよりも運営側の負担が少なく実施できます。実施後は、参加できなかった方やいつでもナレッジにアクセスできる状態にするために社内ブログに記事化を行っています。運営側の負担としてはこの記事化が一番重くなっていますが、インターンメンバーのサポートを受け進めています。

成長の2軸:垂直方向の成長⏫

垂直方向の成長である、「人としての成長」もさまざまなポイントがあると思いますが、自分自身に向き合い続けることから始まります。

  • 人としての成長

    1. 経験の振り返りから自己認知を強化

    2. 継続的な価値観のアップデート

これらはデザイン業務の中では、重要だと思っていてもなかなか取り組めないところとも言えます。
DesignOpsはその重要だが緊急度が低い、ときに中長期的な視点でデザイナーを支援することも役割と言えます。逆に重要度が高く、緊急度が高い短期的な視点は、多くの組織ではデザインマネージャーが取り組んでいることが多いのではないでしょうか?デザインマネージャーとの組織での役割の違いや連携も重要な視点です。

GoodptachのDesignOpsでは、垂直方向の成長に関しては、コーチングやキャリア面談、内省会などを実施してメンバーが自身に向き合う機会を提供しています。

今回は、内省会の詳細についてシェアします。

内省会の取り組み

内省会は、社内で募集し月一回希望者を対象にし月末に実施しています。また、同じような枠組みで新卒2年目を対象としたものも行っており、月末は内省会祭りです。
内省会では、下記のプロセスでオンラインホワイトボードStrapを使って実施しています。

  1. 個人の振り返り

    1. 今月やったこと

    2. 今月うまくいったこと+感情

    3. 今月うまく行かなかったこと+感情

  2. ペアになりシェア深掘り

  3. 来月の宣言

感情は、振り返ったものに対して感情スタンプをのせるカタチで振り返っています。
うまくいったこと、うまくいかなかったことに関しては、事実として人によって捉え方は大きく変わりませんが、その事実に紐づく感情に関しては、その人の過去の経験や価値観に大きく紐づいており、特に「楽しい」と感じることは違いが出てきます。
この「楽しい」という感情は、そのままその人の内発的動機になるもので、内省の中で感情を振り返ることは、自分自身の内発的動機を知る機会になります。
また、その動機も継続的に内省を行う中で変化してくることもあり、自分自身の仕事やデザインに対する価値観の変化を知る機会にもなります。

垂直方向の成長は、2,3年かかるとも言われ継続的に内省を行い、自身に向き合い続けることで徐々に実を結びます。

まとめ

今回は、成長の取り組みということで、成長とはそもそも何か?を成人発達理論の一部を使い整理し、その中での具体的な取り組みをシェアしてみました。
DesignOpsは、デザイン組織や組織に所属するデザイナーに向き合うため組織が大きくなれば向き合うことは多く複雑になります。
一つ一つの課題に向き合うことももちろん大事なことですが、全ての課題に対峙することが難しい場合も多くあります。
「どのようなデザイン組織が自社にとって理想か」「よりデザイナーがデザイナーらしく働ける環境とは何か」を考え、理想的なデザイナーが成長する土壌を描き耕していくことに引き続き向き合っていければと思います。

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