グットバイ、私の愛したbacknumber

まず先に詫びておこうと思う。

初めて登録したnoteで、#いまから推しのアーティスト語らせて という企画内容に反するようなことを、延々と書き連ねるという行為に走る事、そしてワンルーマー(backnumberファンの呼称)を傷つけうる内容を含んでいる、という事をまず詫びておく。

これは私というどうしようもない人間のbacknumberに対する本当にどうしようもない、愛憎的感情の話である。

出会い

最初に出逢ったのはメジャーデビューして間もない頃、「思い出せなくなるその日まで」がテレビで使われているのを見た時だった。いま確認したらテレ東のJAPAN COUNTDOWNの2011年10月のエンディングがこの曲らしいのでたぶん10月のどこかだと思う。

切ない言葉たちを甘く低い声で歌い上げるその姿に一目惚れした。

その頃、私は自分が共感できる恋の歌が欲しかった。

中学時代に同級生女子に恋をしたことで、この先ずっと一方的に女の子に想いを寄せるだけの人生となることを覚悟したころだったからだと思う。

だからこそ清水依与吏が甘く苦しく恋を歌い上げる姿に一目惚れしたのだと思う。

そしてbacknumberの曲を聴き漁った。主にネットで。

プロデビュー前の音源を聞いたり、ネットに上がってるフル音源を聞き漁ったりと私は彼らの恋の歌に夢中になった。

彼らの紡ぎだす、決して幸せなだけではない恋の歌のほろ苦さに私はとりこになったのだ。

「幸せ」になれない

高校1年の終わり、仲の良かった同級生(この子も女の子だ)に彼氏が出来た時私はその子に恋をしていると気づいた。

「何となく告白されたから」と言って彼女と付き合えるのがうらやましかった。

そんな頃に一番魅了されたのがbacknumberの「幸せ」だった。

あなたの幸せしか願っていないから それがたとえ私じゃないとしても

そんな風に歌うあの曲には孤独に恋をする私にいちばんやさしく響いた。

家に帰るあの子の背中を見守りながら幸せを口ずさんで帰り道を行ったことを思い出す。

当時やってたpizza small world!!をネットで聞いたり、メンバーのTwitterを見たりもしていた。ファンクラブや初の武道館ライブには行けなかった(バイトしてない高校生にはファンクラブの年会費は支払いが出来なかった)けれど、間違いなく好きだった。

周りにメジャーデビューして日の浅いbacknumberを知っている友人はいなかった。

それがひねくれた私には心地よかった。

違和感

いちばん最初に違和感を覚えたのは「黒い猫の歌」だったと思う。

この少し前ぐらいからbacknumberは認知度が上がり、月9やJRのテレビCMにも使われるようになった。

「SISTER」辺りからラブソング以外も歌い始めたbacknumberであったけれど、「黒い猫の歌」は間違いなくメジャー路線という印象があった。

それがひねくれものの私の癪に障った、とでもいおうか。

そのせいか、私は「黒い猫の歌」以降のbacknumberの曲を全くと言っていいほど聞いていない。「ハッピーエンド」はすごくツボだったので把握してるけど、「大不正解」も「オールドファッション」もネットに上がってる音源を聴いてない。

じゃあ何を聞いてたのかといえば過去曲である。前述の「幸せ」もそうだしとか「アップルパイ」とか「日曜日」とかである。あとはまあ他のバンド曲とかである。「軒下のモンスター」とか。

その横でbacknumberはメジャー街道を突き進んでいった。

私の好きだったback numberはもう死んだのだ

これは清水依与吏が既婚であることをフライデーされた翌日、その情報を見た私のつぶやきである。

楽曲の世界観を守るために既婚者であることを伏せていた、という事に対しては怒りというよりも理屈としてはよー分からんけどだからメジャー路線を突き進んだのかと納得した。家族がいて養う必要あるならそりゃ売れる方行くわな、的なアレである。元々ミスチルとか槇原敬之好きな人なんだしメジャー路線に行くのは当然と言えば当然なのかもしれなかったが。

そうして私はきれいさっぱりbacknumberの過去曲すら聞かなくなってしまったのである。

それから1年経って

清水依与吏と小島和也がフライデーされてもうすぐ1年、なんで今更こんなことを掘り起こしてるのかというとこの企画に出逢ってしまったせいである。

#いまから推しのアーティスト語らせて というタイトルを聞いて、私が率直に書きたいと思ったのはbacknumberのことだった。

とにかく一度自分の中でこの感情にケリをつけたい、全部吐き出してしまいたい、という激情に駆られて私はキーボードを叩いている。

いま、私はもうbacknumberを聞かない。私の愛したbacknumberは死んだと確信した日から、彼らの楽曲を聞いた記憶が無いのだ。iPhone(もう5年ぐらい同じのを使ってる)にも入ってるのに聞いてない。

もう私の世界はbacknumberなしで動いている。他のバンドが私の苦しい恋を代弁してくれる、苦しみを宥めてくれる。

という訳で、タイトルに戻るのである。