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小説【アラーム】1

@弥生

「ウソ…」
 弥生は息を切らしながら起き上がり汗で湿った顔を両手で覆った。
外ではスズメが鳴き、開けっ放しだった窓から涼しい風がカーテンを押し上げ部屋の中に光が入り込む。

 朝…。
 弥生は身体を震わせながらベッドの上でひざを抱え何度も何度も「何で…」と繰り返し呟いた。
 弥生には高らかに鳴くスズメの鳴き声なんて物は聞こえていなかった。
 聞こえるのは恐怖に脅える自分の声だけ。
 何かの前触れのように弥生は一週間前から同じ夢を見続けていた。

≪続く≫




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