見出し画像

映画『燃えよ剣』、148分じゃ足りない。もっと観たい。

V6の解散翌日、劇場に『燃えよ剣』を観に行ってきました。タイミングは特に狙ったわけではないです。尺が148分と知って「退屈したら嫌だなあ〜」とか思っちゃったのですがまあ杞憂でした。エンドロールを眺めながらエアアンコールを送りました。もっと見せてくれ〜〜〜!
この役者陣の新選組、すっごい好きだったからそれぞれの人物や事件をもっと掘り下げたストーリーをとにかく見てみたいです。連続ドラマ化しませんか??
めちゃくちゃ美味しい豪華な懐石料理を、全部一口ずつ味見させてもらったなあって感じで、是非もう一周したい。
ため息が漏れてしまうような美しい画とそれを支えるロケーションの静かな迫力、俳優陣の演技で抜群に楽しむことができました。

土方とお雪とのやりとりに象徴される日常の静けさと、苛烈な戦場や拷問、隊士に切腹を強いる冷徹さとの対比にゾクゾクします。特に沖田が、腹を切りながら介錯を求める隊士に対して「まだまだァ!」と言い放っていたシーンが好きです。さっきまで子供と戯れていた人とは思えないな〜こわ〜い
劇伴音楽が少し独特で、あまり味わったことのない雰囲気です。観ているときは和楽器じゃないな(マンドリンのトレモロのような音が鳴っていたので)くらいの印象だったけど、後から調べてみたらオペラらしいです。ちょっと意外な組み合わせのように見えますが、華やかだけれど装飾的すぎず、時代劇の劇伴音楽としてすごく素敵でした。マリアージュっていう言葉が1番しっくりくる様な体験かもしれません。京懐石とワインも美味しい、みたいな……(伝われ)
あとは何よりロケーションやセットが力強くて、圧倒的でした。これは観てくれとしか言いようがない……とにかく美しいから観てくれ…… 

そしてとにかく俳優陣が本人にしか見えなくて。新撰組メンバーのキャスティングを知ったときから「わかるわかる!!」とは思っていたのだけれど、想像以上に全員本人!もちろん本人に会ったことないので本人って何だよって感じですが、そう思わせられる説得力があったことにびっくりしました。そして新選組以外のメンバーも物凄い。
出番は多くないのですが、岡田以蔵役の村上虹郎が存在感強かったです。彼は目力で人を斬れると思う。目力といえば慶喜公役の山田裕貴の壊れたからくり人形みたいな演技も印象的。非常に不気味な慶喜公。1番最近見たのがドラケンだから尚更俳優さんのすごさを痛感させられました。山崎役のウーマンラッシュアワー村本がそのまんまで出てくれていたのがものすごく良かった。早口芸はほぼアドリブなんだって。尾上右近の松平容保もよかったなあ「帝からのお手紙でございます」のところが悲しい。
あとは各人物の殺陣は岡田准一が人物像合わせて細部を詰めたと聞いて、注目していなかったことを悔やんでます。
それぞれの人物に合わせた戦い方になっているんだって〜〜〜!岡田准一、自分の理解の範疇を超えて凄すぎて計測不可能。

そして大変今更なんですが、土方ってやっぱりめちゃくちゃカッコいいですよね……!?
初めて存在を知ったのは何年も前で、当時の歴史ブームの中でかなり熱心に新選組について調べていたことを、映画を観たあと突然思い出しました。

映画の中で何度か繰り返される「形がよくねえ」という言葉は土方の核の様なもので。とにかく芯が通った生き様を事実として残してくれているから、こんなにも語り継がれファンが絶えないんだろうな。
武士でありたいという土方のシンプルなモチベーションが彼の最も魅力的な部分なのだと思います。

オライア・マウンテン・ドリーマーの詩の中にこのような文章があります。
『あなたが生活のために何をしているかは、どうでもいいことです。 私は、あなたが何に憧れ、どんな夢に挑戦するのかを知りたいと思います。
あなたが何歳かということも関係のないことです。
あなたが、愛や夢や冒険のために、どれだけ自分を賭けることができるのか知りたいのです。 』
私はこの言葉がとても好きだし、私が人を好きになる時に重要なことが書かれています。
これに対し、土方はとてもシンプルに答えてくれます。だから私は土方が好きだと感じるのだと思います。

映画『燃えよ剣』のお陰で、また1つ自分が好きだったものを思い出すことができました。いま出会えて良かった映画です。

蛇足ですが病床の沖田に「トシだよ」とささやく土方にはときめかざるを得ない。あまりにも声が優しくて急にジャニオタの呼吸を繰り出しそうでした。カッコイイ!!めっちゃ美しくて楽しい映画でした!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?