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Why Not!事件

前回の続きです。

少し話は逸れるんですが、僕の地元、京都府長岡京市は、適度な田舎でした。

田舎といっても、里!みたいな感じではないし、JRとかも快速が止まるし、まあ中途半端なところだったんです。

まあちょっとしたベッドタウンというか。住むための場所、みたいな感じだったんですよね。

それに加えて、僕が通っていた中学校は、公立で、一つの小学校からしか上がってくる子がおらず、同級生のほとんどが、9年間一緒にいる、というような感じだったんです。

適度な田舎であること、小中がほぼ一貫校のような構造であることから、僕は高校生になるまでは、若干閉鎖的な環境で育ったんですよね。

あ、全然悪い意味ではなく。

良くも悪くも地元感が強いというか。ちょっと形容し難いですね。
まあ何となくそんな感じです。

だからだと思うんですが、中学生になっても、身の回りの同級生の浮ついた話、なんかがほとんどなかったんですよね。

スクールカーストの最上部の人たち、またごく一部の人たちだけで恋愛が回ってる、みたいな。
どこもそうなんですかね。いや、僕たちの中学校はやっぱり割と少ない方だったんじゃないかと思います。

ちなみに僕はというと、スクールカーストで言うと、まあ、上かと言われれば上ではないし、下かと言われれば下でもないし、めちゃくちゃ中立かと言われると、まあそれもピンとこない、くらいの、変な位置でした。

アニメのポケモンでいう、ソーナンスくらいの位置ですかね。昔のポケモンのアニメの。僕あんまりポケモンわからないんですが。間違えてるかな。

まあとにかく、それくらいの位置だったので、初めて彼女ができたのも中学3年生の頃で、そんなに早くはなかったし、それこそ、異性を気にしてお洒落に気を使う、なんて発想はどこにもなかったんです。

しかし、前回の投稿でもお話したように、彼女に靴のセンスを指摘されて、少しは気を使うようになった15歳の僕。

僕は高校に進学します。

9年ぶりに新しい同級生ができた僕は、まぁ、そこそこの走り出しで高校生活をスタートさせました。

そこそこでした。ちょっと調子いいかな、くらい。

ただ、私服でどこかに遊びにいく、とかになると…。

自信はありませんでした。
相変わらずお洒落とかわかんねえし。

ところが、しばらくすると、僕はバンドを結成し、月に数回のペースで、ライブハウスに出るようになりました。

これがまあまあ大きな転機だったんですね。

バンドを始めて、人前に出ることを意識する、バンドマンっぽい服を着るようになる、バンド仲間のお洒落な人と話す機会が増える。

いろいろな要素が積み重なって、徐々に、お洒落に気を遣わざるを得なくなってきたのです。

そして同時に、お洒落に対しての自信もついてきました。

京都の片田舎で15年を過ごし、お洒落なんて何もわからなかった人間が、高校生ながら、少しは周りよりも大人になれたと思えるようになり、更には「あれ?なんか俺お洒落なんじゃない?」的なことまで思えるようになり…。

しかし、伸び切った鼻は、いとも簡単にへし折られました。

それが僕の、2回目のお洒落に対して意識が変わった瞬間です。

僕の人生の中でも、トラウマとして残り続けるであろう『Why Not!事件』が起こります。

高校2年生の秋。

閉鎖的な環境にいたソーナンスは、新しい地で、多分ニャースくらいの位置に成り上がっていました。

ちなみに、この例えあってます?

まあいいか。

その頃には、中学の頃に付き合っていた彼女とは、残念ながらお別れし、新しく、同じ高校の同級生の子のことが好きになっていました。

一度は告白して振られるも、諦めきれなかった僕は、その子を何度か遊びに誘うように。

すると、その子と同じ部活の女の子が、誰かもう1人男友達を連れて、4人でUSJに行こうと誘ってくれたのです。

大チャンスでした。ここで勝負に出ないといけない。

どうにかして思い出に残さないと。

そう思った僕は、当時自分が持っていた服の中で、一番尖ったものを着用しよう、という考えに至りました。

危険な香りがしますよね。

そして僕が選んだのは、筆のような書体で、大きく『Why Not!』と書いてある、白いシャツでした。

これだ!!

これじゃないです。今考えたら。

でもその当時の僕は、何よりもインパクトが欲しい、という謎の思考に。

当然そんなダサい服は受け入れられず…。

翌日学校へ行くと、SNSでその服を見た同級生からイジリの嵐。
逆ファッションリーダーとして、確固たる地位を築くことになってしまいました。

この事件がトラウマになり、僕は悪目立ちのしないお洒落な服装を心掛けるようになりました。

今では少しマシになった、とは思います。
少しだけ。

東京で同じような事件を起こさないように。

気をつけましょうね。



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